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ガンプラ│トップモデラーインタビュー(ガンダムプラモデル)
創造力が生んだFAガンダム、「プラモ狂四郎」が果たした“ガンプラ脳変革”【連載15回】
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『プラモ狂四郎』にツッコミを入れる“嫌な子ども”だった
ken16w小学生の時に「初代ガンダム」の再放送と劇場版を見てガンダムにハマり、例に漏れず町の模型店に並んでガンプラを買い求めていました(笑)。
――今回、代表作として「フルアーマーガンダム(FAガンダム)」を挙げていますが、ガンプラ漫画の傑作『プラモ狂四郎』(コミックボンボン/講談社)の影響はあったのでしょうか。
ken16wボンボンは創刊号からの読者で、『プラモ狂四郎』はもちろん大好きです!! 最近SNSでガンプラの旧キット製作記事をよく見るようになり、自分も旧キットの1/144ガンダムを製作しました。その影響なのか懐かしく思い、『プラモ狂四郎』を中古で全巻購入したばかりです。少し高かったですけどね(笑)。
――『プラモ狂四郎』はアイデアの宝庫で、本作から公式設定になったプラモもあります。
ken16wFAガンダムと言えばMS-06R黒い三連星機と並び「MSV(モビルスーツバリエーション)シリーズ」の代名詞的存在。なので、私の中ではMSVのイメージの方が強かったですね。
――ガンプラ史においてMSVが果たした役割は大きいですね。FAガンダムは、『プラモ狂四郎』に登場したパーフェクトガンダムをリファインしたものと言われています。
ken16w当時、パーフェクトガンダムは絶大な人気でした。ただ、カラーリングからくるイメージで「ちょっとオモチャっぽいかな…」なんて感じていて、モスグリーンのMSV版FAガンダムの方が好みでした(笑)。
――ガンプラに関してはリアル志向だったんでしょうか。
ken16w『狂四郎』はあくまで漫画の世界、自分の作るプラモとは違うと思っていた節があります。ちょっと大人びていたのか、「そんな改修出来ない、漫画っぽい」ってツッコミを入れる“嫌な子”でした(笑)。
モデラーに“ミキシング”の考えを植え付けた「パーフェクトジオング」の凄み
ken16wガンダムの世界観に捕らわれない、独創的でインパクトのある作品が人気のように思います。アニメ『ガンダムビルドファイター』の影響もあり、ミキシング(別キットの模型パーツを組み合わせる技術)センスの高い作品もよく見かけます。その点で言えば、ミキシングの源流は『プラモ狂四郎』かもしれませんね。
――確かに、『プラモ狂四郎』の「ガンダム対ジオング」の回に登場するパーフェクトジオングは、ジオングにドムの脚をつけるという斬新な設定で注目を浴びました。『プラモ狂四郎』のアイデアには夢がありましたし、モデラーたちの“ガンプラに対する考え方”を変革したとも言えます。
ken16wパーフェクトジオングと同様に、パーフェクトガンダムのインパクトも凄かったですね。ただ、シールドを固定する“時計用のバンド”の設定を見て、「これじゃあ塗装が剥げちゃうよ」なんて余計なツッコミを入れていましたから、我ながら“ガンプラへの執着が過ぎる”子どもだったと思います(笑)。
――kenさんのFAガンダムのアーマーはフルスクラッチとのことですが、フォルムやデザインでイメージした作品はありますか?
ken16wフォルムやディテールは以前発売されていた「G.F.F.(ガンダムフィックスフィギュレーション)」のFAガンダムをイメージしています。センチネル版の尖った設定のFAガンダムも好きなんですが、誰が見てもカッコイイ!! と思ってもらえるものを目指しました。
――自身のガンプラで、他の人には負けない“強み”の部分を教えてください。
ken16wキットの持つバランスの見極めだと思います。基本的な表面処理やパネルラインの彫り直しはもとより、プロポーションの改修なども大幅に変更するのではなく、“最低限の改修”でキットの持っている性能を引き出すことを心がけています。
――プラモデルにおいて塗装技術の重要性が高まっていると聞きました。
ken16w塗装の仕上がりを左右するのは下地、表面処理だと思っています。表面処理が荒ければいくら綺麗な塗装をしても綺麗な面は出来ません。塗装では調色、希釈も大事ですが、最終仕上げのトップコートはかなり重視していて、濃い目から徐々に薄目に希釈を変え、何度かに分けて塗装して仕上げています。
――こだわりの“匠の技術”ですね。最後に、kenさんにとってガンプラとは?
ken16w一生の趣味であり自分を表現できるツールです。そして、ガンプラ(模型)を通じてたくさんの人と交流できる素晴らしいアイテムです。
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