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(更新: ORICON NEWS

ネットで賛否、小学生に“婚育”は未婚率上昇に有効? 運営会社が語る真意とは

 50歳時点の未婚率を示す「生涯未婚率」の割合が男性23%、女性14%となる中(2015年国勢調査より)、ウェディング事業大手のテイクアンドギヴ・ニーズが、小学生らを対象に、模擬挙式などを通じて結婚式について考える「婚育プログラム」を7月から8月にかけて実施。小学生の時点から結婚式を身近にしてもらう、というインパクトが大きいこの企画に、SNSでは「婚活ならぬ婚育はナイスアイデアだと思う」という賛成意見がある一方、「昨今の結婚離れがこれで改善するか疑問」という声もあり、評価が別れている。タレントのぺこ&りゅうちぇるがこだわりにこだわった結婚式を挙げるなど、若い世代の挙式もニュースになる中、この取り組みを始めた真意をテイクアンドギヴ・ニーズ広報の梅渓さんに話を聞いた。

減少する結婚式に触れる機会を作りたかった

 そもそも「婚育プログラム」をはじめたのは2015年のこと。企業と連携した子育てプロジェクトを行う特定非営利活動法人の放課後NPOアフタースクールから打診があったことがはじまりだ。小学生を対象に模擬結婚式や演出体験、大切な人へのサプライズレターの作成など、普段学校では学べない結婚の意味について考えることが出来る内容となっている。

「当初は春休み・夏休みに一回ずつだけだったのですが、2017年から『T&Gキッズプロジェクト』と銘打って、婚育に加えて食育、職業体験など5つにプログラムを増やしました。福岡や東京など大都市だけの開催だったのも、全国30会場に拡大するなど、年々広がりを見せています」(梅渓さん)

 ネットの意見でもあった「婚育によって生涯未婚率の上昇を食い止められるのか疑問」という意見は、もちろん耳に届いている。「結婚式場が売り上げのために小学生に営業をかけている」という声さえあった。だが、本来の目的とは異なると梅渓さんは語る。

「あくまで『お子様が結婚式に触れてもらうきっかけの場を作りたい』という思いでした。今は結婚をしない選択をする方もいますし、結婚しても式を挙げないカップルもいます。家族の形も多様化している中、これから育っていくお子様たちは、より結婚式に参列する機会が減っていきます。プログラムを通じて、お子様たちが、『結婚式っていいな』という“憧れ”をもち、この経験が将来「結婚」という選択をする際に生かしてもらえれば幸いです」(梅渓さん)

子どもが飽きないようプログラムに工夫

 “結婚式への憧れのきっかけづくり”という目的のほかにも、結婚式が、育ててくれた親やこれまで付き合ってきた友達に感謝を伝える場だということも理解してもらえるようはたらきかける。

「婚育プログラムは、実際の結婚式と同じく約3時間で行っています。それだと、お子様たちが飽きてしまうため、演出体験もフラワーシャワー、ブーケトスといった楽しさが伝わる参加型形式のほかに、プログラムの意味を問うクイズをしたり、さらにはデザートブッフェも味わってもらっています。やはりその時間はワーッと盛り上がっていますね(笑)。そして最後は結婚式同様、お子様たちから大切な人に感謝の手紙を書いてもらっています。対象は誰でもよいと伝えてはいますが、大体のお子さんは親に向けて一生懸命書いているのが印象的です。直接面と向かって自分の想いを伝えることで、日々の生活の中でも『ありがとう』と感謝する場面が増えていけばいいなと思っています」(梅渓さん)

 その甲斐あってか、参加した子どもたちからは「笑顔になれることばかりだった」「結婚式は感謝する日と知ることができた」と好意的な感想が得られている。また、一緒に参加した親は、「結婚式場で、今度は子どもと素敵な時間を過ごせた」と、以前に自身が味わった感動を子どもにも体験してほしいという思いを持っている。

ニュースになったことで「結婚式」を考えるきっかけになってほしい

 「結婚式離れ」と言われて久しいが、大きなイベントを2人で乗り越えることで、価値観のすり合わせができ、ひいては離婚リスクが減るということも考えられる。それを踏まえると、早いうちから「結婚式の雰囲気を味わう機会を創出する」という取り組みは、理にかなっていると言える。

「『結婚式を挙げるぐらいなら新婚旅行のお金に使いたい』など、色々な考え方があるので、もちろん結婚式を挙げることはマストではありません。ですが、結婚式をすることによって、おふたりやご家族の仲が深まることも事実としてあるので、今後も私たちとしては結婚式に触れる機会や挙げる意味を伝えていきたいと思っています。今回『婚育プログラム』がニュースで取り上げられ、さまざまな意見をいただきましたが、それが結婚式をあらためて考えるきっかけになってくれれば幸いです」(梅渓さん)

 ちなみにこの婚育プログラムだが、参加費は無料(今年の日程は残念ながら終了してしまったものの、来年再び開催予定)。婚姻届を提出するだけの「ナシ婚」、沖縄やハワイなどのリゾート地で写真だけ撮影する「フォト婚」など、式の多様化は続くが、改めてスタンダードなスタイルに触れてみると、発見や驚きが得られるかもしれない。

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