(更新:)
ORICON NEWS
ネットで賛否、小学生に“婚育”は未婚率上昇に有効? 運営会社が語る真意とは
減少する結婚式に触れる機会を作りたかった
「当初は春休み・夏休みに一回ずつだけだったのですが、2017年から『T&Gキッズプロジェクト』と銘打って、婚育に加えて食育、職業体験など5つにプログラムを増やしました。福岡や東京など大都市だけの開催だったのも、全国30会場に拡大するなど、年々広がりを見せています」(梅渓さん)
ネットの意見でもあった「婚育によって生涯未婚率の上昇を食い止められるのか疑問」という意見は、もちろん耳に届いている。「結婚式場が売り上げのために小学生に営業をかけている」という声さえあった。だが、本来の目的とは異なると梅渓さんは語る。
「あくまで『お子様が結婚式に触れてもらうきっかけの場を作りたい』という思いでした。今は結婚をしない選択をする方もいますし、結婚しても式を挙げないカップルもいます。家族の形も多様化している中、これから育っていくお子様たちは、より結婚式に参列する機会が減っていきます。プログラムを通じて、お子様たちが、『結婚式っていいな』という“憧れ”をもち、この経験が将来「結婚」という選択をする際に生かしてもらえれば幸いです」(梅渓さん)
子どもが飽きないようプログラムに工夫
「婚育プログラムは、実際の結婚式と同じく約3時間で行っています。それだと、お子様たちが飽きてしまうため、演出体験もフラワーシャワー、ブーケトスといった楽しさが伝わる参加型形式のほかに、プログラムの意味を問うクイズをしたり、さらにはデザートブッフェも味わってもらっています。やはりその時間はワーッと盛り上がっていますね(笑)。そして最後は結婚式同様、お子様たちから大切な人に感謝の手紙を書いてもらっています。対象は誰でもよいと伝えてはいますが、大体のお子さんは親に向けて一生懸命書いているのが印象的です。直接面と向かって自分の想いを伝えることで、日々の生活の中でも『ありがとう』と感謝する場面が増えていけばいいなと思っています」(梅渓さん)
その甲斐あってか、参加した子どもたちからは「笑顔になれることばかりだった」「結婚式は感謝する日と知ることができた」と好意的な感想が得られている。また、一緒に参加した親は、「結婚式場で、今度は子どもと素敵な時間を過ごせた」と、以前に自身が味わった感動を子どもにも体験してほしいという思いを持っている。
ニュースになったことで「結婚式」を考えるきっかけになってほしい
「『結婚式を挙げるぐらいなら新婚旅行のお金に使いたい』など、色々な考え方があるので、もちろん結婚式を挙げることはマストではありません。ですが、結婚式をすることによって、おふたりやご家族の仲が深まることも事実としてあるので、今後も私たちとしては結婚式に触れる機会や挙げる意味を伝えていきたいと思っています。今回『婚育プログラム』がニュースで取り上げられ、さまざまな意見をいただきましたが、それが結婚式をあらためて考えるきっかけになってくれれば幸いです」(梅渓さん)
ちなみにこの婚育プログラムだが、参加費は無料(今年の日程は残念ながら終了してしまったものの、来年再び開催予定)。婚姻届を提出するだけの「ナシ婚」、沖縄やハワイなどのリゾート地で写真だけ撮影する「フォト婚」など、式の多様化は続くが、改めてスタンダードなスタイルに触れてみると、発見や驚きが得られるかもしれない。