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(更新: ORICON NEWS

「若者のビール離れ」を止める? ”苦くない”変わり種商品に各社が注力

 「若者のビール離れ」が言われて久しい中、大手各社が味に変化をつけた“変わり種ビール”を続々と生み出している。4月より酒税法が改正され、ビールの定義が拡大。これまでは麦芽比率67%以上、そして限定された副原料(米、麦、とうもろこしなど)の使用しか認められていなかったが、改正後は麦芽比率50%以上、副原料にフルーツやハーブ・スパイスなどの使用も可能になったことがひとつのきっかけとなっている。その背景を探ってみた。

塩・コショウを入れた「食欲を刺激するビール」

 サッポロビールの子会社・ジャパンプレミアムブリューでは “塩・コショウ入り”という、斬新なビールを発売した。『Innovative Brewerグルメビア』(350ml、税込み288円)と名付けられたその商品は、岩塩、黒コショウ、そして仕上げにライムピールが加えられており、爽やかでコクのある風味を実現している。SNS上では「食欲を刺激するビール」「汗かいた後だったので塩味がちょうどよく美味しかった」と好評な様子。開発担当者の新井健司さんに誕生背景を聞いた。

「もちろん、酒税法の流れも組んではいますが、“塩・コショウを使う”というコンセプトが先にありました。世界を見渡すと、塩を使っているビールは多かったのですが、以前から目をつけていた素材、黒コショウと組み合わせればより面白いものができるのではないか……という着想から生まれました」(新井さん)

 また『グルメビア』という商品名を聞いた際、“食事に合う”ビールなのかと由来を考えていたが、実際は違う意味合いを持っていた。

「“食事に合う”ビールではなくて、塩・コショウなどで“調理された”ビールという意味で『グルメビア』と名付けました。以前、弊社では『ビアチェッロ』という商品を発売したのですが、“苦味の質を変える”という新しいアプローチのもと、グレープフルーツとオレンジの果皮を使用し、従来のビールとは全く異なる苦味を持った新しいビールカテゴリを目指しました。今回の『グルメビア』に関しては、よりチャレンジングな方向性を打ち出し、『このビールどんな味がするんだろう』と面白がってくれる人たちが購買ターゲットになっています」(新井さん)

若者のビール離れの原因は“接触ポイントの少なさ”

 またジャパンプレミアムブリューでは、『ビアチェッロ』『グルメビア』以外にも、ホップの中でも特に個性的な香りを持つフレーバーホップに着目した『THAT’S HOP Nelson Sauvinの真髄』など、意欲作を世に送り出し続けてきた。

「従来にない、トライアルな品をやっていこうという思いのもとジャパンプレミアムブリュワリーは生まれました。週一回は“変わり種ビール”を飲んでもらうようにしないと、ビール市場の裾野も広がらない。それは大手がやらないとダメだなと思っています。他のお酒に比べて自由度の高いビールだからこそできる“美味しくて面白いもの”を今後も提案していくつもりです」(新井さん)

 「ビール市場の裾野を広げる」――この言葉の裏には昨今の“若者のビール離れ”が影響している。原因はどこにあると新井さんは考えるのか。

「私の見解ですと、ビールとの“接触ポイントの少なさ”が原因になっていると思います。ひと世代昔は、今ほどお酒の種類も少なく、どこのお店に行ってもビールが基本でした。今ではチューハイひとつとっても多彩なラインナップがあるため、ビールを飲む機会が減っていっていますし、また独特の『苦味』に慣れていないのではないかと思います」(新井さん)

 今回話を聞いたジャパンプレミアムブリュワリーのほか、キリンビール、サントリービールが副原料にオレンジピールといった果実を使った商品を出すなど、ビールの「苦い」イメージを脱却させようとする動きが活発になっている。大手各社のオリジナリティあふれる新ビールが、若者のビール離れ対策に一石投じるのか注目したい。

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