大阪を訪日観光客の拠点へ 「COOL JAPAN PARK OSAKA」外国人向けエンタテインメント発信
いまは国内だけでなく世界中の都市と都市の戦い
会見に出席した大阪市長の吉村洋文氏は「大阪は歴史と文化を大事にしながら、新しいことに挑戦する街でなくてはいけない。この10年ほどで、訪日客は5倍以上に膨らみ、年間1100万人以上。税収も伸びています。観光客に向けては、国内だけでなく、世界中の都市と都市の戦いになっているいま、大阪をより個性のある街にしていきたい。そのためのひとつが、大阪の持つエンタテインメントの発信です。いま大阪に足りないものはナイト・エンタテインメント、大阪城公園に足りないものは滞在性。(COOL JAPAN PARK OSAKAなどで)イノベーションに取り組んでいけば、大きな価値が生まれます。民間のみなさんと一緒に盛り上げていきたい」と力強くコメントした。
大阪城パークマネジメントの代表取締役、木下健治氏は「この3年間、インバウンドの好調に支えられて順調に運営してきました。そのなかでも一番大きな整備が、今回のCOOL JAPAN PARK OSAKA。世界に向けたエンタテインメントという意味でのネーミングです。文化の発信拠点として大阪城公園全体の盛り上げも図っていきたい」。テレビ局などメディアのほか、旅行会社や広告代理店も参加するクールジャパンパーク準備の代表取締役社長、戸田義人氏は「インバウンド向けに長けた会社もおり、13社とクールジャパン機構の総力を結集して、日本の魅力を訪日観光客にも楽しんでいただけるような、世界に類を見ない施設にしていきたい」と意気込み、インバウンドへの意識をにじませた。
イメージも含めたインバウンド向けの場作り
そして、メインホールの「WWホール」でのこけら落とし公演が、脚本・演出を高原哲郎氏が手がけるオリジナルのノンバーバルショー『KEREN』となることも発表。日本伝統のアナログ舞台装置と世界最先端マルチメディアで装飾する、言葉もストーリーもないパフォーマンスステージになる。
高原氏は「大きなコンセプトは、クールジャパン=おかしい、不思議な、カッコいいジャパン。タイトルは江戸中期の言葉で、奇想天外、正当でない、邪道などの意味を持ち、『ケレン味』などで使われる『KEREN』です。公演の中身は説明のしようもない。まず、楽しくおもしろく。伝統芸能を見せるつもりはありません。ありのままの日本をおもしろおかしく伝えたい」と外国人向けの演目となることを明かした。
今回のCOOL JAPAN PARK OSAKAを含む、大阪城公園における訪日観光客向けの取り組みは、保守的にならずに古き良き日本の歴史的な文化施設を開放する、大阪の積極的なインバウンド誘致の姿勢が表れている。官民をあげてのさまざまな動きが他都市に比べて大阪で目立っているのは、実際に街では訪日観光客による売上が大きくなっていることで、“商売人の街”が迎え入れに積極的になっていることがあるだろう。
戸田氏は「大阪は東京に比べて、今回の規模のホールが少なく、外国人向けのステージも少ない。イメージも含めて、インバウンド向けの場作りをしっかりと行っていきたい」とし、大阪を日本のインバウンド拠点にすることを掲げる。
COOL JAPAN PARK OSAKAの初年度の年間来場者目標は50万人とする。