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日常に“字幕”をまとう若者たち “盛る”が再定義されるSNS時代の自己表現 「求められるのは“盛る”と“リアル”の絶妙な塩梅」
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流行中のVlog風(字幕風)加工
目次
PROFILE 崔 智安(チェ ジアン)
SNOW Japan事業統括の崔智安。映像ディレクターを経て、2013年、GROVEを設立。2015年にカメラアプリ"SNOW"の日本展開アドバイザーを務め、16年より現職。
シンプルに日常を彩る“濃い“自己物語を表現 「ナレーションとしての役割」
AI写真&動画編集アプリ『EPIK』
「EPIK」を展開しているのは、2010年代に加工アプリとして一世を風靡した韓国発「SNOW」を生んだ企業。今回のトレンドは2025年4月ごろ(正確には4月末)から、韓国と日本で同時多発的に流行し始め、K-POPアイドルグループ LE SSERAFIMの宮脇咲良やILLITのWONHEEなどのメンバーがInstagramで加工を施した写真を投稿し、国内でも若年層を中心に拡大。アイドルやインフルエンサーら著名人が次々と自己表現の新たな手段として活用していった。
流行中のフォント”幸せな一日♪”
”幸せな一日♪”フォント使用例
字幕にあてるひと言には、その写真に写った風景や物などの情報に対するコメントや、自分の今の状況説明、自分の考えや心の声など、多彩な自己表現が揃う。「映像作品では、物語を分かりやすく伝えるためにナレーションを使いますが、それと同じ感覚で、皆さん、自分の日常のひとコマを、字幕を付けることによって、より個性的に表現している気がします」。
“盛る”概念はつねに変化している 現代は「ナチュラルでも無加工には抵抗がある」
流行中のVlog風(字幕風)加工
「昔は写真を加工するという技術は、高額な編集ソフトが必要で、さらにそれを使いこなせるプロの手が必要でした。しかし、スマホで毎日のように写真を撮り、SNSに上げる人が増えている中、たくさん写真を撮っても全てをSNSに載せられるわけではない。その中で自分で簡単に自分らしい編集ができ、とっておきの1枚が作れるサービスを提供したいと考え、EPIKの開発にいたりました」
無加工
ナチュラル加工
その裏にあるのがAIの進化だ。2年前、SNOWは自分の顔写真を10〜20枚読み込ませると、AIが“新しい自分”を生成してくれるという「AIアバター機能」をカメラアプリの「SNOW」に搭載。世界的大ヒットとなったが、最近は、その機能を用い、自分の写真の下にAIが作った自分のキャラクターを付け、リアルな自分とAIによるデジタルな自分とのコラボを演出要素として取り入れるなど、「遊びも進化している」という。
『EPIK』のAIアバター機能例(男性)
「顔の形もバランスも、肌のトーンも、年齢も、いろいろ違う中で、その人に合ったカワイイやその人の求める美意識をAIが認識し、細かく表現させられるよう、今、研究開発を進めています。そうやってどんどん一人ひとりに合った最適な加工ができるアプリへと機能をアップデートさせていく方針です」
『EPIK』のAIアバター機能例(女性)
国境をまたぐトレンド 各国の“らしさ“を器用に取り入れるユーザー
その背景には、カメラアプリ「SNOW」の販売から10年の経験を通して、「ソーシャルメディアにおいては、もはや国境は存在しない」という考えがある。
全世界で4億人が使う大人気カメラアプリ『SNOW』
そんな中、「EPIK」においては、日本チームが生み出した日本発のヒット企画もあるのだという。
ここまで自然にできる『EPIK』の前髪加工機能