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「ガシャポンから丸いカプセルが出てこない」常識を覆す変貌を続けるカプセルトイ業界…ファン同士の交流も生み出す“推し活”との親和性
PROFILE 株式会社バンダイ ベンダー事業部 事業開発チーム 五十嵐達志
高校時代から楽しいことを仕事にしたいという思いでバンダイへの入社を目標に掲げ、玩具専門店でのアルバイトを経て大学卒業後、バンダイに入社。カード商材や玩具などの企画開発を担当し、2016年にベンダー事業部に配属。「プレミアムガシャポン」や「フラットガシャポン」、「ガシャポンオンライン」などガシャポン全般のインフラ開発に携わっている。
この記事をざっくりまとめると…
・「ガシャポンバンダイオフィシャルショップ」をはじめ専門店急増、商品だけではなく自販機も同時に進化
・日用品とのコラボで公式グッズとしても広がりを見せている
・さまざまなアイデアで今後さらに拡大する可能性を秘めている
・「ガシャポンバンダイオフィシャルショップ」をはじめ専門店急増、商品だけではなく自販機も同時に進化
・日用品とのコラボで公式グッズとしても広がりを見せている
・さまざまなアイデアで今後さらに拡大する可能性を秘めている
「第5次ブーム」に突入、ブームの火付け役は“カプセルトイ専門店”
「近年カプセルトイ市場はブームと呼ばれる盛り上がりを見せ、購入されるお客様の層も拡がっていったことから、我々はより幅広い層の方々にワクワクを届けられるよう商品バリエーションを増やしてきました。そんな中、既存の自販機を活かしながらも、新しくて、お客様に面白いと思ってもらえるようなサイズの商品を展開することができないかということから開発が始まりました」(五十嵐氏/以下同)
「それまでガシャポンは、通りかかったときにたまたま目にして買うというような、自販機との“出会い買い”のような形でご購入いただいていました。しかし、専門店ができてからは、ガシャポンを目的にお店に足を運ぶ方が増え、より幅広い層のお客様がガシャポンに触れられるようになり、人気が拡大していった印象です。毎週行くたびに新たな商品があって、飽きがこないことも人気の理由の一つだと思います」
SNS上で交換するコミュニティも形成…グッズとして拡大する“推し”と日用品のコラボ商品
その後も商品バリエーションを増やし続け、現在、月に100種類以上の商品を発売しているという。
「これはカプセルトイ全般においていえることですが、購入した商品をSNSにアップし、口コミで広がっていくということが最近、非常に増えています。さらに、K-POPアイドルやキャラクター系のガシャポンでは、それに加えて、自分の推しとは違う商品が出てきた際、SNSにアップして、欲しい人と交換するというコミュニティまでできています。単に商品を購入するだけでなく、ファン同士の交流も含めて商品が楽しまれるようになっているというのは、予想外の展開でした」
“90mmカプセル”、“キャッシュレス決済対応”まで…「まだまだ拡大する可能性を秘めている」
フラットガシャポンはまさにその思いの表れだが、今年8月には、さらにカプセルトイの常識を超える超BIGな「90mmカプセルシリーズ」を発表。手のひらに収まりきらないほどのサイズとより再現度が高く迫力ある仕様で話題を集めている。
さまざまなアイデアと工夫で市場を拡大しているガシャポン。五十嵐氏は今後について、「専門店は今後も増え、一過性のブームにとどまらず、まだまだ拡大する可能性を秘めている」と分析する。さらに、海外で展開しているガシャポン専門店も非常に反響が良いことから、「今後はさらにワールドワイドでガシャポンが拡大していくのではないかと考えています」と胸を張る。
何が出てくるかわからないワクワク感で、登場当時に子どもたちを魅了したカプセルトイの魅力は“変えず”、値段以上のクオリティや、意表を突く商品ラインナップなど、常にユーザーに驚きを与えるべく“変化”を続けているガシャポン。その快進撃はまだまだ続きそうだ。
取材・文/河上いつ子
(※)バンダイ調べ