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“オネエキャラ”の押し付けが苦痛に感じることも…日韓国際ゲイカップルが感じる性差別意識「レインボーウォッシングを感じる企業もある」

 モデルとして世界で活躍する日韓国際ゲイカップルのTaikiさんとNoahさんは、同性婚が認められていないなか、日本で同棲を始めて8年になる。日本もLGBTQ+の後進国と言われているが、韓国人のNoahさんは「意識は日本より遅れているので、生きるのが楽しくなった」と笑顔を見せる。一方の日本では、イメージの向上のために建前的にダイバーシティを声高に叫ぶ企業もある。モデルの仕事をする2人が感じた、企業意識について聞いた。

韓国は日本よりもLGBTQ+への偏見が強くある…日本に来てからの方が暮らしやすい

――Taikiさんが仕事で韓国に滞在した際に、友人の紹介で出会いました。その後、Noahさんが来日し、同棲生活を送っています。交際5年後にはTaikiさんが設立したモデル事務所にNoahさんも所属し、Noahさんは日本で生活するなか、韓国のLGBTQ+の人たちがとりまく環境の違いを感じますか?

Noahさん 韓国も同性婚はできません。そして、日本のようなパートナーシップ制度がある自治体もありません。意識は日本より遅れているように感じます。僕は日本に来てからの方が、外国だからということもありますが、暮らしやすくなった気がします。韓国は日本よりも周りの目を皆気にしていて、当事者ということを隠して生活をしている人が多いのかもしれません。レインボーパレードの開催場所への反対意見などもあったと聞いています。

――日本もLGBTQ+の後進国と言われています。韓国と日本では、根本的な違いがあるのでしょうか?

Noahさん 日本に住んでみて思ったのは、韓国に住んでいた頃と比べると、日本はあまり人の目を気にせず自由に生きている人たちが多いのかなと感じました。その分、自分らしく生活できているように思います。

本気で取り組んでいる企業が大多数のなか、レインボーウォッシングを感じる企業も実際にはある

――日本で生活するなか、どのように感じていますか?

Noahさん 日本に来てTaikiと付き合って8年になりますが、2人揃ってモデルの仕事をしたり、カップルであることをオープンに活動してありのままの自分でいられて幸せに過ごしています。
Taikiさん ただ、日本でもLGBTQ+の間では東京五輪までには同性婚は法制化されるだろうという期待感がありました。20代の頃は、それを楽しみにしていました。実際には、いまも何も変わっていない。現実の難しさ、厳しさを目の当たりにしています。

――ファッション業界は、特に意識が進んでいると思いますが、モデルの仕事をしているなかで偏見や差別を感じることはありますか?

Taikiさん 全くないこともありません。モデルの仕事はいろいろな業界や業種の企業と関わりますが、ゲイだということで仕事を選考されなかった経験があります。悔しいというか、残念な気持ちでしたね。
Noahさん 最近は、LGBTQ+に対してサポートをしていただける企業が増えていると感じます。それと同時にイメージの向上のために建前的にダイバーシティと言い、本気で取り組んでいない企業を感じることがあって残念に思った経験があります。もちろん、本気で取り組んでいる企業が大多数です。レインボーウォッシングという言葉もあるみたいで(LGBTQ+支援を公にしながら自社従業員を公正に扱わない)、そんなことがなくなることを望んでいます。
Taikiさん 表向きにでも、LGBTQ+への支持を表明しないといけないと考えているのかもしれません。でも、せっかく取り組んでいただいているのに、企業の上辺だけの連帯感や当事者に勘違いされるような取り組み方をするのは、もったいないと感じています。

メディアのオネエキャラの押し付けが、苦痛であることも理解して欲しい

――SNSやYouTubeでは、悩んでいる人たちの相談にも乗っています。

Noahさん いつも話していることは、「自分を好きにならないと他人を好きになるのはもっと難しい」ということです。まず自分を好きになって欲しい。僕らもそうでしたが、若い頃に皆すごく悩むと思います。でも、いつか必ず自分のことを理解してくれる友だちと出会えるし、世の中には自分のことを悪く言ったりする人しかいないわけではない。悩んでいたら、いつでもSNSやYouTubeで声をかけてください。
Taikiさん 僕たちのようなカップルもいるし、男同士で付き合っていても幸せに生きられることを見せたかった。でも、僕らはオープンに生きていますが、もちろんそうしなくてもいい。ゲイだと自然に話せる社会になって、カミングアウトという言葉がいらない社会になれば、もっと平和になるのではないでしょうか。

――いまの社会を変えていくにはどうしたらいいと考えますか?

Taikiさん 実は皆さんの周りの身近な人たちの中には、LGBTQ+の方々が自然にいると思っています。ただ、深くコミュニケーションができていなかったりする。いろいろと話してみて、知ると知らないとでは、全く変わってきます。まずは、知ることが大事です。
Noahさん テレビなど日本のメディアにも変わって欲しいと思うことがあります。ゲイというだけでおもしろおかしい人物設定にされたり、オネエキャラもその1つかと思います。でも、人それぞれ違うんです。平穏に過ごしている人もたくさんいて、そういう状況を苦痛に感じている人もいます。勝手なイメージを抱くのではなく、いろいろな人がいることを理解するが大切だと思います。

――これからの活動を通して伝えていきたいことを教えてください。

Taikiさん 同性でも異性でも人を好きになるのは同じこと。自分のセクシャリティで悩む必要は全くない。自分自身を大切にして、自分を好きになってほしい。自信を持って生きてほしいです。
Noahさん 人の目を気にしないで自分らしく生きることが、一番幸せなことだと思います。繰り返しになりますが、誰が何と言おうが、自分を好きになってください。セクシャリティに関係なく、皆で幸せになりましょう。

(文/武井保之)
◆Taikiさんのオフィシャルサイト(外部サイト)
◆Noahさんのオフィシャルサイト(外部サイト)
◆TaikiさんのInstagram(外部サイト)
◆NoahさんのInstagram(外部サイト)
◆YouTubeチャンネル『TAIKINOAH』(外部サイト)

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