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結局どれがいいの? 重曹、セスキ炭酸ソーダ、過炭酸ナトリウム…住宅用洗剤の選び方 専門家の見解

 キッチンの油汚れや、家の中の頑固な汚れ。掃除のたびに頭を悩ませるのが、住宅用洗剤の種類の多さだ。定番の「重曹」だけでなく、近年は「セスキ炭酸ソーダ」、「過炭酸ナトリウム」などが注目を集め、全種類制覇している人も少なくない。一般家庭で最も使いやすいのはどれで、実はやってはいけないNGな使用方法とは。掃除のプロ「おそうじ本舗」の技術アドバイザー・尾崎真さんに聞いた。

一般家庭なら洗浄力の高い「過炭酸ナトリウム」より汎用性の高い「重曹」を

 一般的な家庭で掃除の際によく使われているのが、「重曹」「セスキ炭酸ソーダ」「過炭酸ナトリウム」の3種類。全てアルカリ性で、洗浄力の弱い順に、重曹<セスキ炭酸ソーダ<過炭酸ナトリウムとなっている。

 実際にどのぐらい強さが違うのかというと、水の濃度を「PH7」とした場合、重曹が「PH8」で弱アルカリ性、セスキ炭酸ソーダが「PH9」、過炭酸ナトリウムが「PH11」。PHが大きくなるにつれて、洗浄力が上がるという図式だ。
  • 「おそうじ本舗」の技術アドバイザー・尾崎真さん

    「おそうじ本舗」の技術アドバイザー・尾崎真さん

「目に見える汚れは酸化したものが多いので、一般的にはアルカリ性の洗剤で落とします。PHが高くなるほど洗浄力が強くなりますが、手垢や皮脂汚れ、油汚れなど、家の中の一般的な汚れはほとんど重曹で落ちます」(尾崎さん・以下同)

 尾崎さんによると、洗剤は弱い物から使うのが基本。重曹は、食品添加物にも使われる物なので安全性が高い上に、洗剤以外の使い方もできる万能さが魅力だそう。重曹で落ちない場合は、セスキ炭酸ソーダや過炭酸ナトリウムを使用するのもありだが、素材や肌に対する影響は「重曹」より強いので、敏感肌やデリケートな素材には注意が必要だ。

「家庭で使用する時は、手袋をしなくても使える重曹がお勧めですね。色々な種類がありますが、食品添加物の表示があるタイプが一番グレードが高くて安全です」

 ちなみに、プロの掃除業者は「時間をお客様に買っていただいている」ため、時短の意味も含め特別な溶剤を使用。一般家庭で使う重曹やセスキ、過炭酸ナトリウムなどは使用せず、強い溶剤を、素材を傷めないように独自に調合して使っているそうだ。

重曹は研磨剤・消臭剤にも変身、煮詰めれば「セスキ炭酸ソーダ」級の洗浄力に

 プロが万能と話す「重曹」。尾崎さんお勧めのアレンジ使いは下記の3つ。

1)粉の状態で研磨剤として使う
キッチンの天板など、でこぼこしている隙間に汚れが入り込んでいる場合、粉の状態で使うことで洗浄効果がアップするそう。IHクッキングヒーターなど、鍋をそのまま置いて調理するので焦げがうつり汚れがこびりついた状態になることも。そういった時には、“粉で削る”のが効果的という。

「まずは重曹の粉をパラパラふりかけて、その上に水かお湯をかけて少し溶かします。ザラッとした粉の粒が少し残った状態で、スポンジ、もしくはアルミホイルやラップなどを丸めてガリガリこすると、汚れを落とすことができます」

2)除湿・消臭剤にする
重曹は、粉の状態だと湿気やニオイを吸い取る力を持つ。いらなくなった瓶に8割ほど粉を入れて、靴箱の中など湿気を取りたい場所に入れると、除湿消臭に役立つ。

「固まってきたら、ベランダなど外に出して日光に当てて乾かすと、またパラパラに戻って再利用が可能です。また、ニオイが気になるゴミ箱は、重曹水で拭くと消臭効果が期待できます」

3)沸騰させて洗浄力アップ
重曹を水に溶かして沸騰させると、濃度がアップしより強い洗浄効果を発揮。100mlに小さじ1杯で重曹水を作り、鍋で沸騰させるとPHが8から10までアップし、セスキ炭酸ソーダより強い物に変化する。

「いったん沸騰した後冷やしても、効果は強いままキープできます。そういった意味でも万能なので、家で掃除をする時は重曹があればひとまず大丈夫だと思います」

 もちろん頑固な汚れや時短を優先するときは「セスキを炭酸ソーダ」を使用するのもあり。また、衣類の除菌や漂白、洗濯機などに効果があるのが「過炭酸ナトリウム」だ。除菌や漂白ができるのは、3つの中では過炭酸ナトリウムだけ。靴や上履き、衣類をつけおきして漂白したり、洗濯機の中のカビ汚れを取って除菌する時に使用するのに便利だ。

意外と知らない“アルカリ性洗剤”のNG使用例、「アルミ焼け」「塗装ハゲ」に注意

 アルカリ性洗剤を使う際、まずやってはいけないのが洗剤を混ぜること。酸性洗剤と混ぜ合わせることで効果が減少したり、有毒ガスが発生する危険性も。また使う場合は短時間でサッと拭いて、水拭きのあと、から拭きをするのがルール。洗剤を残さず、きちんと拭き取ることが重要だ。

 長時間のつけ置きも厳禁。アルカリ性の洗剤は皮脂を溶かすので、長時間つけると素材が焼けてしまう。例えば、アルミの鍋などを重曹水やセスキ水につけておくと、真っ黒になってしまうことも。

「基本的に、アルミ、塗装面、革、漆器などにはアルカリ性洗剤は使わない方がいいです。どうしても掃除したい場合は、台所用の中性洗剤を使うのがベターですね」

 同じく、中性洗剤を使用した方がいいのが家電製品。家電製品は基本的にプラスチックや樹脂。特に劣化した状態にアルカリ性をつけてしまうと、削れたり傷む可能性があるので、お手入れは中性洗剤が鉄則だ。

 また、過炭酸ナトリウムを水やお湯で溶かすと、炭酸ガスと過酸化水素に分離。密閉した容器に入れるとガスが充満して爆発する可能性も。子どもの上履きをビニール袋に入れ、過炭酸ナトリウムとお湯を入れてつけ置きするなどの使用法は危険なので、抜け穴を作っておくなど注意が必要に。用法と効果を見極めて、必要に応じた洗剤を使うことをお勧めしたい。

(取材・文/辻内史佳)

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