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吉野家、10年ぶり復活『親子丼』が2ヵ月で終売なぜ? 物価高騰で変わりゆく“牛丼屋”の在り方
開発期間10年、販売期間はわずか2ヵ月… 『親子丼』終売の次なる注力は『から揚げ』
「たれは濃口醤油と本味醂、黒蜜糖をベースに焼津産かつお節と北海道産昆布の風味をきかせました。さらに、鶏のうまみがつまったエキスを追加し、うまみと風味がしっかりとした『親子丼』によく合う奥深い味わいのたれとしました。このたれをふんだんに使ったことで、とろとろの玉子とたれが鶏肉、玉ねぎ、ご飯を抱きこむ『親子丼』が実現しました」(吉野家・広報/以下同)
輸入牛肉の高騰を受け、昨年、牛丼チェーン各社が牛丼の値上げを発表。それとともに、安価で仕入れやすい鶏肉メニューの強化が見られた。そのうちの1つ、吉野家の『親子丼』は大きな話題と反響を呼んだが、同商品が終売となった今、同社の次なる戦略はいかに。
子どもから大人まで、幅広い客層をターゲットにできるから揚げ人気は根強い。また牛丼同様、家で作るのにはひと手間かかることや、昨今のテイクアウトの急増から、“惣菜需要”も見込んでいる。
テイクアウト急増で女性客獲得、薬局展開や冷凍食開発で「店舗外」でのユーザー拡大
明治32年の創業以来、店舗焼失や倒産、BSEによる牛丼販売休止も乗り越え、時代の流れと共に常に進化してきた吉野家。120年以上に渡り、いくつもの苦難を乗り越えてきたが、今度はコロナ禍に次ぐ物価高騰により、さらなる岐路に立たされている。当初は高級品だった『牛丼』を国民食にまで押し上げた同社が、“から揚げ”の店として新たな顔を打ち出すのか、はたまた変わらず世界に誇る牛丼屋としてさらなる快進撃を見せるのか、明治から令和に続く吉野家の今後を見守りたい。