ORICON NEWS
皆が江頭を好きになる…ブリーフ団Dが明かす江頭2:50の本質「真面目さの中にある、素で持っているキモさが魅力」
「お前らも腹をくくれよ!」生放送中にディレクターに喝!
藤野氏は『さまぁ〜ず×さまぁ〜ず』や『「ぷっ」すま』『内村プロデュース』などを手掛けてきたベテランテレビディレクター。当時の江頭について次のように語る。「あまりいい人っぽいことをいうと江頭さんに怒られちゃうんで話しづらいんですけど、とにかく仕事に対してストイック。例えば『「ぷっ」すま』時代、僕らがやってほしいことを120%の力でやって来るので、江頭さんと仕事をしたスタッフさんは皆、江頭さんのことを好きになっていました」(藤野氏/以下同)
エピソードのいくつかを挙げると、まず他のタレントより入り時間が早い。10時入りのスケジュールであれば、江頭は9時半入り。ボサボサ頭に上半身裸、黒タイツで、メイク、スタイリング時間はあまりかからないだろうと尋ねると「集中しているんだと思います」との回答。「座右の銘が『1クールのレギュラーより、1回の伝説』。一点勝負が多いのでそこへ向けて集中力を高めていく。あとは昔気質の芸人さんなので遅刻はあり得ないという考えもお持ちのようです」。
また登録者数250万人の生配信時、江頭は局部が見える可能性のあるチャレンジを行ったが、藤野氏が「生ですから気をつけましょう」といったところ、「もういいじゃん、どっちになったって」とピシャリ。藤野氏は当時を振り返り、「あの言葉の裏には、『寧ろお前も腹くくれ。守りに入ってんじゃねーよ』というニュアンスが込められていました。改めて、『エガちゃんねる』は江頭さんのチャンネルで、つまり僕らも絶対に守りに入ってはダメだと改めて思わされた瞬間でした」と語る。
“素の江頭”をどれだけ出すか 「追いかけ回す存在でありたい」こだわりも
「江頭さんは『素の俺なんて笑えないし面白くないよ』と難色を示していたのですが、『そこは僕が絶対に笑いにします』と。元々売れてない時代に借金取りに追われて、自分の部屋から大家さんの庭まで続く穴を掘って逃げたような人ですからね(笑)。あと、江頭さんとは付き合いも長かったので『藤野くんが面白いと思うんなら』とOKを頂きました。一発目の『お尻習字』も当然、広告落ちましたし、あまり広告なしが続くと、チャンネル自体、続けていけない事情もありますので」
その素の江頭が出た企画では例えば、江頭が憧れるセクシー女優の佐山愛とのデート動画がある。始終緊張する江頭が映し出されたが「江頭さんって恋愛偏差値が中高生から成長してないんですよ」と藤野氏は明かす。「江頭さんは『みなこの圧倒的モテ男TV』を一番よく見ているのですが、それを見て恋の勉強を。例えば大人のお店の女の子に毎朝必ず6時にLINEするのですが、その理由は『ずっと送っていて突然止まったら、あれ? と気にしてもらえるから』。つまり僕らが中高生にモテ雑誌でやってたことを56歳でやってるんです」
さらには「そうした夜の大人のお店でも、江頭さんは女の子に本名の秀晴ではなく“エガちゃん”と呼んでもらいたいらしく。つまりプライベートではなく“エガちゃん”としてプレイしたい。江頭2:50として扱ってくださいね、と。その女の子たちに話を聞いたことがあるんですが、優しいし、偉ぶらないし、いいお客さんだと言ってました」
では江頭は本当は女性にモテたいのか。藤野氏の答えは「否」。「やはり、悲鳴を上げて逃げ回る女性を追いかけ回す存在でにこだわりたいようです。江頭2:50として。髪も『美容院を我慢するとそれだけ大人のお店に行けるから』と切らないですし、鼻毛の処理もまったくしておらずで」。では、薄毛も気にしてないのか。「そこは逆に、育毛剤、AGCクリニックなど相当高いお金をかけています。ですがまったく効果なく、頭ではなく体毛に行ってしまうようで、最近腕毛がさらに濃くなり悩んでました」。江頭の“男心”も、なかなかに複雑なようだ。
テレビやYouTubeの規制よりも、今はコロナ禍で批判が上がりやすい時代
そんな江頭でも失敗はある。結婚披露宴サプライズの企画では、まさかの新婦のお母さんが江頭の大ファン。プレゼントとして『お尻習字』で用いたお尻の穴に入れた筆を渡したが、そこで悲鳴が上がる目論見は外れ、感動大作に。完全に不発だったが江頭は体に汗をかき、息を切らしてやり切った。その時の言葉「俺は手が抜けねえんだよ」は非常に印象的だった。
「ネット上に伝説のようにある『死にたくなったら俺を見ろ。自分より下の奴がいると分かって死ぬのがバカらしくなるから』も本当に本人の言葉。そんな彼を僕は“ラスト・サムライ”…『サムライ芸人』だと思っています」
昨今はテレビ界ではコンプライアンスが叫ばれ、過激なことはやりづらくなった。江頭のような芸人にとって、YouTubeはそれが出来る貴重な場。今後YouTubeも厳しくなるだろうが、「僕はテレビマンであり、別の表現方法にチューニングを合わせていくこともしてきたのでそこまで不安視してない。それより今はコロナ禍の規制の方が厳しい。全裸で女の子たちにダイブしても『このコロナ禍に接触!?』といった批判の方が先に来る。早くコロナ禍が明けてほしい。我々の目標は江頭さんを世界に送ることですから!」
実は『エガちゃんねる』のディレクターたちはテレビのゴールデンで腕を鳴らしてきた日本でも有数のディレクターたち。そんな彼らがどう江頭を演出しているかは藤野氏の著書『エガちゃんねる革命』(宝島社)に詳しく書かれている。江頭が日本を飛び出し、世界の女性たちに何デシベルの悲鳴を上げさせられるか…彼が全力で地球を駆け回る姿をいつか見たい。
(文/衣輪晋一)