ORICON NEWS
「雪の日の猫はどうしてる?」SNSに上がる心配の声、凍える猫を救う温かい手「こんなにも優しい人たちがいる」
一体どこにいるの? 外猫たちが知っている“あったかスポット”
一方、外で暮らす猫たちは、どんなに寒かろうと、その環境で生きていかねばならない。普段は餌やりさんからごはんをもらっていても、生活している場所はあくまで屋外。いつも隠れて過ごしている場所が、降り積もる雪に埋まってしまう場合もあるだろうし、そもそも寒さから身を守ることは難しい。SNSでは雪が降るたび、「どうやって過ごしているんだろう?」と、猫たちを心配する声が多く寄せられている。
実際、猫たちがどうしているのか聞いてみると、「基本的に外で過ごす猫たちは、たいてい“あったかスポット”を知っています」との答え。夏場は「涼しい場所を知っている」と言われる猫は、身を守る術をしっかり心得ているらしい。
「かつて私が餌をあげていた場所にいた猫たちは、駅の自動販売機の裏にたくさん集まっていたこともありました。あとは、明かりを灯すランプの上にいたり、空き家を利用している猫たちも結構います」
冬の日差しに温められた車のボンネットの上で、寝ている猫を見たことがある人もいるだろう。過酷な世界で、猫たちは少しでも温かい場所を探し、必死に生きているのだ。
「暖を取るため、空き家の屋根裏に猫たちが住み着くこともあります。そして子猫を産んだものの、くわえて屋根から降りることができず、レスキューしたこともありました」
凍える猫を救う避難所、敷地内に猫ハウスを設ける人が増加
「『ねこけん』ではよく、脱走した猫の捜索をすることがあります。うちで保護した猫が逃走することはないのですが、譲渡した先で脱走し、我々で捜索を請け負うことがあって。その場合、張り紙をしたり、チラシをまいたり、追いかけたりと、いろいろな方策を取るのですが、うちは100%の“検挙率”を誇っています(笑)。そうやってさまざまな場所を探しているとき、地域猫のために敷地内に猫ハウスを作ってくれる方たちがいることを知りました」
猫ハウスの中にはホットマットを敷いてあったり、猫が暖を取れる工夫がしてあったりする。こんなにも優しい人たちがいると、溝上氏も感激したそうだ。
もちろん、自宅の庭に猫が入り込むことを嫌がる人もいる。それは、糞尿などの実害の可能性があるだけに、仕方のないことだ。だが、「自分の敷地内だけでも」と庭を解放してくれる人がいることで、命を救われた猫もいるだろう。
「使わなくなった犬小屋などでもいいと思います。もし状況が許すならば、雪の中で厳しい寒さにさらされている猫たちに手を差し伸べていただけたらありがたいと思います」
ただ、そのまま住み着く可能性もあるため、近隣に迷惑をかけないよう、糞尿や食べ終わった餌の処理にも気を配る必要はあるだろう。のちのち、不妊・去勢手術や、病気の治療を行うこともあるかもしれない。そうなると少し敷居が高いように感じるが、実際に行動を起こしている人は数多く存在する。雪の日の猫が気になる、かわいそう…そう感じるなら、できることから少しずつ始めてみるのもいいかもしれない。ボランティア団体に相談するのも、一つの手段だ。
降り積もる真っ白な雪が、猫やほかの動物たちの命を奪ってしまわないように。優しく温かい手が、少しでも差し伸べられるようになればと願う。
■NPO法人『ねこけん』(外部サイト)
■『ねこけん』オフィシャルブログ(外部サイト)