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AKB48岡田奈々がハマる「百合マンガ」の世界 “イケメン”ぞろいの殿堂入り3作品
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撮影:平野敬久 取材・文:遠藤政樹
“ジャケ買い”から幕を開けた百合マンガライフ
高校生のころ、『citrus』(サブロウタ/一迅社)を読んだのがデビューという感じでしたね。
――どうして読もうと思ったのでしょうか。
『citrus』の表紙を見たときに、絵柄がかわいいのに惹かれて「かわいい! 見てみたい!」と感じたのが始まりでした。
――いわゆる“ジャケ買い”だったのですね。当時は百合マンガとは知らずに読んだ感じですか?
そうですね。百合マンガと認識して買っていたわけじゃなく、とにかく絵に惹かれました。
――知らずに読み始めた中、どんな印象を受けたか覚えていますか。
“新しい世界”だなという感じがしました(笑)。「こんなにきれいなものを見たのは初めて」というのが最初の感想です。その後、本屋さんで『百合の世界入門』(玄光社)という百合マンガを紹介する本を見つけて、そこに載っていた百合マンガを読み始めたという感じですね。
わかりやすく挙げると、『あの娘にキスと白百合を』(缶乃/KADOKAWA)というマンガは、オムニバス形式でめちゃめちゃたくさんのカップリング(カップルの組み合わせ)の物語が楽しめるのですが、その中でも、瑞希ちゃんと萌ちゃんという、女子校での“王子様”と“お嬢様”といった立ち位置で周りから憧れられるカリスマ性のあるようなカップリングが、この作品も含めて好きですね。
一見、瑞希ちゃんがボーイッシュで萌ちゃんがフェミニンな感じなのですが、王子様ともてはやされているボーイッシュな方が意外と弱気だったりヘタレだったり、私が好きになるカップルのパターンはそっちです。
――外見と内面とのギャップがお好きなんですね。
ギャップには弱いタイプです(笑)。
岡田奈々が選ぶ「2021年殿堂入り百合マンガ」3選
『悪魔のリドル』(原作:高河ゆん、マンガ:南方純/KADOKAWA)と『不揃いの連理』(みかん氏/KADOKAWA)、あと一つはすごく迷うのですが、『イケメン女と箱入り娘』(原作:もちオーレ、マンガ:majoccoid/一迅社)が、自分の中で結構ハマった作品です。理由としては、3作品とも“イケメン”がいることですね(笑)。
――なるほど(笑)。大事なポイントですよね。
一番大事なポイントです。かわいいキャラ同士が好きな人もいると思いますが、私はどこかタイプが違うカップリングが好き。
『悪魔のリドル』(原作:高河ゆん、マンガ:南方純/KADOKAWA)
『悪魔のリドル』は学園もので、出てくるキャラクターが全員“暗殺者”というちょっとぶっ飛んだ感じの作風なのですが、ファンタジーな世界観が面白くて。1人の女子生徒をみんなが狙っていて、誰が殺すか、殺した人が勝ちといった状況の中、兎角(とかく)ちゃんというイケメンの女の子がいて。本当は自分も暗殺者としてその子を殺さなきゃいけないのですが、いろいろあってその子を暗殺者から守る展開になります。
そのカップリングも、イケメンで強いけど女の子の方が実はしっかりしていて、達観しているというか。完結済みなのですが、終わり方も独特です。合っているかわかりませんが、“暗殺系百合マンガ”とでも言うのでしょうか。アニメ化もされているのでダブルで楽しめるのもいいですね。
アニメには、それぞれのキャラクターに合ったキャラクターソングがあるのもいいですし、お話の中では寮にみんな住んでいる設定で、私が好きなカップリング以外にも「〇〇号室の2人」といったように幅広いカップリングがあるので、「私はこのカップルが好き」とか選べるんですよ。
しかも原作者さんが公式で二次創作を描いているのも好きなポイントの一つです。
もう最強中の最強です。原作を読み終えた後も、二次創作でも楽しめる。私のファンの人も、どちらも楽しんでいます。
『不揃いの連理』(みかん氏/KADOKAWA)
『不揃いの連理』は、いつも恋愛がうまくいかないOLと、過去に問題を起こしてちょっと心に傷がある“イケメン”という2人の、支え合っていく関係性がすごく好き。酒ばかり飲んでいる OL と真剣に働いて更生している不良みたいな感じなのですが、私、ダメなところがあった方が惹かれちゃうんですね(笑)。
あと、片方がOLで、もう片方が高校生と2人は年の差があります。今まであまり年の差に惹かれたことはなかったのですが、唯一ハマった年の差カップリングが『不揃いの連理』です。見ているだけで楽しいです。年下彼女が「また酒飲んで」みたいな文句を言いつつも結局デレデレして、そのリアルな日常感がおすすめですね。
『イケメン女と箱入り娘』(原作:もちオーレ、マンガ:majoccoid/一迅社)
『イケメン女と箱入り娘』は、箱入り娘で大事に育てられてきた主人公の女の子が、ある日“イケメン”と出会って好きになり、告白して付き合うことになるのですけど、実はその相手が女の子で……という内容です。
ネタバレになっちゃうかもしれませんが、イケメンの子のほうが、傷つけたら悪いかなという想いから、実は女であることを言えずに隠したまま付き合い続けていくんです。最終的には「嘘ついていてごめんね」と告白すると、相手が「もう人として好きだから関係ない」となるのが、またいいんですよねえ。かなりコメディータッチで描かれているので読みやすいし、とにかくかわいい人とカッコいい人がラブラブしているのは目の保養だなということで選びました(笑)。
そうですね! 片思いは切なくてツラくなっちゃうので、私はちょっと苦手。基本は平和で、絶対にイチャイチャできる作品が好きです。
――どれも素敵な作品ですが、あえてこの3作品の中でベストワンを選ぶとしたら?
『悪魔のリドル』ですね。コスプレ衣装とかも買うぐらい好きで、一番作品としてハマりました。
百合作品ならではの魅力は「美しさ」
3つは難しいですよね。実は「加瀬さんシリーズ」(高嶋ひろみ/新書館)も迷ったし、あと『明るい記憶喪失』(奥たまむし/KADOKAWA)も面白いです。
――そんな岡田さんが思う、百合作品ならではの魅力は?
男女ものも好きですし、BLも好きですし、それを踏まえた上でなぜ百合が好きなのかと考えたら、かわいくてキラキラしていて百合マンガにしか出せない美しさがあるなって。ピュアな感じとか、見ていて浄化されるようなかわいさが百合マンガならではの魅力だと思います。
想像以上に生活が彩られるというか、見るだけでキュンとして心の栄養補給になります。生きているのがちょっと楽になるというか、ツラいことも百合マンガを見ると癒やされて、尊くて幸せという何とも言えない胸キュン要素があります。ちょっと現実から逃げたい時にもおすすめですね。
百合マンガはラブラブな恋愛を描くスタイルが“大好物”
切なめ作品が増えている印象があります。ファンの方が「この百合マンガおすすめだよ」と言ってくださることもあるのですが、キュンキュン系というよりは、どこかちょっと切なかったり片思いだったりの作品が多いなって感じます。私はできる限りラブラブしてほしいのですけど、みんな恋がかなわない感じのもどかしさがいいのかなって。
――百合マンガにおける“ラブシーン”はどのくらい重視されますか?
大事なんですよね。ただ単純にエロティックな感じを求める作品はあまり好きじゃなくて、段階が重要です。友達から始まって、恋して、だんだん恋人に上がっていって、生涯を共にしようぐらいの感じになっていった時のラブシーンが一番良いですね(笑)。
――なるほど。理由がきちんとあってこその描写ということですね。
そうなんですよ。意味のあるものが好きですね。まったくないとピュアピュア過ぎて、ちょっと非現実的に感じてしまいます。百合は精神的に強くつながれている分、ラブシーンがきたときに、より“尊い”ってなるのがいいんですよ。
ラブシーンに抵抗がある人はうまく選んでいただきたいのですが、私が今回おすすめした作品にはちょいちょいかわいいエロ要素が詰め込まれていて、読みやすいと思います。
自分がかわいいな、素敵だなって思うのは、やっぱり“イケメン”。イケメンを見て「素敵!」となって、自分もなるべくその素敵だと思う人に近づきたいなとは思います。だから百合カップルを見ていて、どちらかというとイケメン側に憧れますね。
――カップルの“彼女”側のキャラクターに理想を投影することはあまりないのですね。
そうですね。カッコいい人が好きです(笑)。
――では、岡田さんにとって百合マンガとは?
心の栄養、目の保養という感じです。
「自分の足で歩いて行けるようにならないといけないタイミング」とソロ活動を決意
今が一番不安な時期かもしれないです。まだ個人での活動も始まったばかりで、どんなふうになっていくのかがわからない。新曲『根も葉もRumor』で忙しくさせてもらっているのはありがたいですし、まさかのドラマ出演もというところで、“良い波”は来ているかなと思うけど、やっぱり不安だなって。
――舞台出演のニュースリリースでも「今まで AKB48 グループの舞台にしか立ったことがないので、不安も感じている」とコメントされていましたが、そういう想いがあったのですね。
約10年間、毎日AKBでの活動だったので。そこから“出る”というのがすごく怖いです。
――それでも出演されるというのは、挑戦してみたい気持ちはあったということでしょうか。
一生みんなと仲良く活動していられるなら、それが一番楽しいけど、そう簡単にはいかないというか、ちゃんと自分の足で歩いて行けるようにならないといけないタイミングだなと思いました。ちょっとお尻を叩いて、「やるぞ!」「1人でも頑張れるぞ!」っていうところを見せたいですね。
お話をいただいたとき、生演奏で歌える要素があったことが一番大きいですね。お芝居も好きですけど、お芝居以上に歌が好きなので、歌える舞台だったら絶対やりたいなと思いました。
音楽に携わってくださっている大嶋吾郎さんという方と以前 AKB のミュージカルで一緒にお仕事させてもらったことがあり、「もう1回一緒にお仕事できたらいいな」とも思いました。
――『青い鳥』は幸せについての教訓も多く得られる作品ですが、この作品を通じ“幸せ”の形について、岡田さんなりに感じたことはありますでしょうか。
幸せのカタチは人それぞれだと思います。すごく抽象的かもしれませんが、私は朝起きるのが楽しみな毎日を送れたら、それは幸せなんじゃないかなと思います。家族や出会った大切な人とか、周りとのコミュニケーションや愛情が、生きていく上で大切な幸せかなって。
1人での活動に四苦八苦も、観月ありさの娘役に感激
全然違いますね。ドラマも毎日緊張の日々で、プロの役者さんや見知らぬスタッフさんに囲まれて、ずっと神経がピーンと張り詰めた状態でした。しかも自分はこういう役柄というかドラマ初挑戦だったので、「うまくできなかったらどうしよう……」という不安が一番大きかったですね。
――人気シリーズへの出演にして、役どころとしては観月ありささんの娘役。出演が決まった際の心境はいかがでしたか。
「こんな奇跡あるんだ」と思いました。多分人生でこんなことはもうないのでは(笑)。観月さんの“娘”として頑張りました。
――『奪い愛』シリーズは、キャスト陣の振り切った演技が話題を集めていますが、その世界観に入ってみていかがでしたか。
私も『冬』と『夏』を観た上で挑んだのですが、私の役柄はまったくぶっ飛んでおらず、周りがぶっ飛びすぎていたから逆に難しかったというか。オーバー気味なセリフを言うところもなく、ずっとピュアに真面目にしゃべっていた感じなので、今までのシリーズの中で一番“まとも”な役でした。
それはあります。普通の女子高生を演じるのが一番難しいので、ヤバい役柄とかもやってみたかったですね。
――役作りはどのようにされたのでしょうか?
役柄的に心を閉ざした女子高生だったので、普段からちょっと暗めに過ごしていました。一人ぼっち感が大事だなって。
――普段から役を意識されていると、いつもの自分とは違う行動をとってしまうなど、影響が出ることはありませんでしたか?
役柄に合わせて普段のしゃべり方が変わることもありましたが、それを抜くのは大変じゃなかったです。撮影が終わった翌日に髪を金髪にするなど、切り替えはすぐできますね。
2022年は自分を見極める一年に
何点かな……80点ぐらい。意外と高いですよね。高めに付けました。
――高得点になった一番の要因は?
毎月を思い返すと、自分がどんな気持ちで活動していたかが鮮明に蘇ってくるところかな。毎月何かしら印象的なお仕事や頑張ったなと思えることがあったので、そこは良いところなので80点です。ただ、うまくいかないこともあったので100点ではないですね。
――そうはいっても80点付けられるというのは、なかなか充実していたということでしょうね。もちろん2022年は100点に?
100点にしたいですね。
気合いの入った『根も葉もRumor』をリリースして、今グループの絆がより一層深まっている良いタイミングなので、もっともっと良い曲をみんなで力を合わせて作り、今年こそ自信を持って紅白出場するぞという気持ちがあります。もちろん紅白だけにとらわれるわけではありませんが、みんなでそれぐらいの気持ちで頑張っていきたい。今のAKB48がより広まる一年になってほしいなと思います。
――やはり『NHK紅白歌合戦』への思いは強いのですね。
そうですね。去年(2020年)はくやしかったですね。先輩のおかげで12年間出場してきたものを、おととし途切れさせてしまって。でも途切れたからこそ、今のAKBでもう一回復活させたいという想いが強いので、今年は自信を持ってみんなで活動していきます。
個人活動が増えていく予定なので、ミュージカルやほかのお仕事にもたくさん挑戦して、自分の振り幅を大きくしていく年にして、将来的に自分がどんなふうに生きていくか定まっていく年になればいいなと思います。舞台なのか、本格的に歌がいいのか、はたまたドラマやメディアに出たいのかというところも、まだ定まっていません。そのあたりを定めていきたいです。いろいろやってみて、自分に向いていることや楽しいと思えることをたくさん見つけていきたいです!
不朽の名作『青い鳥』を、リーディングに生バンドの演奏、そして歌唱が交わる新ジャンルの“Reading Pop”として表現。青い鳥探しの旅に出るチルチルとミチルを姉妹として描き、女性キャストのみで演じる「Femme ver.」(岡田奈々、菅田愛貴)と、男性キャストのみで演じる「Homme ver.」(梅津瑞樹、納谷健)を上演する。監修・脚本は鈴木勝秀、演出は内河啓介。
1997年11月7日生まれ、神奈川県出身。アイドルグループ・AKB48のメンバーで、第14期生。愛称は“なぁちゃん”。2014年5月、シングル『ラブラドール・レトリバー』で初選抜入り。STU48の初代キャプテンや、AKB48チーム4の副キャプテンを務めた。
この記事は、LINE初の総合エンタメメディア「Fanthology!」とオリコンNewSの共同企画です。
俳優・歌手・芸人・タレントらの趣味嗜好を深堀りしつつ、ファンの「好き」を応援。今後、さらに気になる人の「これまで」と「これから」をお届けしていきます。
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