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独立後「活躍する人」「しない人」…プロダクション幹部が明かす“大物芸能人の独立”の裏側「事務所の圧力はほぼない」

 昨年に続き、今年も「大物」と呼ばれる芸能人が事務所から独立するケースが数多く見受けられた。2020年には中居正広や手越祐也、米倉涼子、柴咲コウ、前田敦子、オリエンタルラジオら。そして2021年には、佐藤健、神木隆之介、安達祐実、ベッキー、浅野忠信…と続き、最近では竹野内豊の独立も公表された。大物たちの立て続けの独立の動きに世間は驚き、「円満退社」という発表であっても「実は何かあった?」との疑念を拭えない人もいるようだ。では、実際に“裏”では何が起こっているのか。大物の独立を複数経験した大手芸能事務所の幹部に聞いた。

昭和の時代にあった独立で“干される”事態、現在の独立は「要因の7割がギャラ問題」

  • 2020年に独立、現在もドラマなどで活躍する米倉涼子(C)ORICON NewS inc.

    2020年に独立、現在もドラマなどで活躍する米倉涼子(C)ORICON NewS inc.

 「ここまで多くの人気芸能人が次々に独立する事例は、確かにこれまでなかった」と大手芸能事務所幹部は認める。「今は何事もなかったようにテレビや映画に出演する人も多いですが、過去には独立して、いわゆる“干される”“潰される”ということも数多くあった。しかし、今はそんな時代でもないですね。昭和という時代は、業界で強い権力を持った人が力でねじ伏せるという事象が実際にありました。たとえ、契約書に“独立は許さない”という文言がなかったにも関わらずです」(同幹部)

 そもそも、現在に続く芸能界の黎明は、地域の“興行師”と共にあった。興行師とは、芝居やコンサート、イベントなどの催事を仕切ってきた職業で、なかには反社会勢力とのつながりがあることもあった。だが一方で芸能事務所が力をつけていくと、興行師が抱えるタレントを引き抜くなどの行為が起こり始める。まだ明確なルールがなく、トラブル回避で興行師と芸能事務所が手を組むといったことも多々あった。

 ここで革命を起こしたのが、渡辺プロダクションの創業者である故・渡辺晋さんだ。渡辺さんは、興行師に頼らない西洋式の新芸能システムを構築。これにより、興行師とも談合や言い値ではなく、ルールに則った金銭で交渉できるようになり、引き抜きなどのトラブルの元も規制。タレント本人が交渉しづらいことを芸能事務所が一気に引き受ける形となり、タレントは交渉や事務など面倒なことは事務所に一任し、プレイヤーとして専念できるようになった。

 「このシステムがこれまでうまく機能していたのですが、それでも独立を選ぶタレントがいる。その多くはギャラ問題ですね。独立の要因の7割がそうと言っていいでしょう」。

タレントの“成長”で生まれる齟齬、「親が出てくる」「独立をそそのかす人がいる」場合も

  • 年内での独立を発表した竹野内豊(C)ORICON NewS inc.

    年内での独立を発表した竹野内豊(C)ORICON NewS inc.

 まず、事務所に所属するメリットを挙げておこう。端的に言えば、事務所が盾となり守ってくれることだ。例えば、女優が濡れ場をやりたくない時、「私はやりたいんですが事務所がNGで」と言っておけば、印象も悪くならず本人の株も上がる。本人はしづらいギャラの交渉も、事務所が行ってくれる。事務所の信用があるおかげで仕事が取りやすい。デビューも、フリーランスよりは事務所に所属したほうが遥かに楽だろう。

 そんなメリットの一方で、ある程度タレントが成長していくと、別の問題が持ち上がる。

 「例えば歌手には、3年契約問題というものがあります。なぜ3年かというと、スカウトしてレッスン、営業、ここで大金がかかってしまうからですね。1年で芽が出る歌手がいたとして、すぐに独立されてしまうと事務所がかけたお金が無駄になる。また、ギャラの配分が折半か6:4か、それは事務所によって様々ですが、特に若い子の場合、親が出てくるんです。ヒットして人気者になって超多忙なのに、ギャラの多くを事務所に取られて割りに合わないと。こうして独立となる事象も少なくありません。周囲に独立をそそのかす人がいる場合もありますしね」。

 また、タレント本人が成長したのにも関わらず、事務所自体が成長していない、スタッフの意識が変わらない状況に本人の不満が高まり、独立の要因となりうることもあるという。タレントが信頼を寄せていた、トップやスタッフの世代交代も同様だ。だが、タレントとスタッフとの関係が深いのも良し悪しで、信頼関係が強くなり過ぎると、事務所に反旗を翻して共に独立することに繋がる。そのため、定期的にマネージャーを変える事務所もあるほどだ。

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