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「他人によく思われたい」こじらせた“営業スマイル”への疲弊、話題のマンガ描く作者の思いとは?

 「他人によく思われたい」という気持ちをこじらせ、職場での“営業スマイル”が癖になってしまった不動産営業の飯塚まりか。実は、“いい人”を演じるあまり、「オフモードでは反動で余計に疲れる」「褒められても“嘘の自分”だから素直に受け取れない」など自分の二面性に悩んでいた。ある日、街で偶然遭遇した元カレからの暴露で、同僚のデキる営業マンに素がバレたと思ったら、実は彼も“営業スマイル人間”で――。そんな2人の恋愛を描くLINEマンガで連載中の『営業スマイル男女』。ラブコメでありつつ、丁寧に描写される主人公の葛藤が多くの人の共感を呼びSNSでも話題に。この作品に込めた想いについて、作者・makoさんに話を聞いた。

“営業スマイル”への疲弊は多くの人に身近、「世の中の縮図なのかもしれない」

――なぜ、“営業スマイル”を作品テーマにしようと思ったのでしょうか。

makoさん『営業スマイル男女』はTwitterマンガから始まったのですが、どんなテーマがたくさんの人の心に引っ掛かるか、バズるか、ということをまず考えて。身近で共感できることで、かつ私が想像できることで描いてみようと思いました。ちょうど知り合いにぴったりのモデルが存在していたのが大きかったです。きっとこんな人、今の世の中たくさんいるんだろうなと思ったので…。

――実際に、「すごく共感できる」「刺さる」と読者コメントでも多くの共感が寄せられています。また、作品内で「素を見せられる親しい相手ができない」「合コンをスムーズに断る言い訳に架空の彼氏をでっちあげる」「元カレに『一回分かるようになるとマジ気色わりいな』と罵られる」など、“営業スマイル人間”の葛藤が細かく描写されているのも印象的です。

makoさん“賃金が発生しないと表情筋がやる気を見せてくれない…”というセリフがあったのですが、多分みなさんが引っ掛かったのはそこだったのでは…?と思っています。これも先ほど言ったモデルの人が似たようなことを言っていたことから引っ張ってきています。やっぱり世の中の縮図かもしれない…。

――Twitterでの投稿から始まった同作ですが、LINEマンガ版では同僚と“契約恋人”になる展開など、ドキドキする設定がさらに足されたんですね。

makoさんLINEマンガ版で取り上げていただく流れになったとき、設定を盛って、契約恋人の流れや主人公たちのこじらせ具合、周りのキャラなどを追加して、新たな『営業スマイル男女』としてスタートしました! 始まった当初は「Twitter版の方が好きだった!」という声も届いていたのですが、連載が進んだ今は「こっちもまぁいいじゃん?」ってなってくれていたら嬉しいです。

”いい人”を演じられるのは「相手に心地いいと思わせることに成功している証拠」

――ついつい“いい顔”をしてしまう主人公ですが、makoさんご自身は主人公の性格に共感するところはありますか?

makoさんそりゃあもう! 人間ですから! でも年を重ねて、昔よりは誰でも彼でもに対して営業スマイルはしなくなりました。主人公は多少なりとも分身ではあると思うので、彼女の取る行動は昔の自分がやっていた要領の悪い部分を大げさにした感じかもしれません。

――作中で描かれている主人公の言動は、元になったエピソードがあるのですか?

makoさん1話冒頭の、仕事終わりの主人公が酒を飲みながらグダってるシーンは、最初にお答えしたモデルになった人のリアルな姿です(笑)。また、本来なら自分でやるべき人の仕事を引き受けて残業をしているシーンも、実際の自分に起きた出来事です。でも、日々お仕事をしている方々は、こんなの日常茶飯事でもっとすごい不条理にさらされているんだろうなって思います…。あれ? あんまりプラス方面でのリアルエピソードがありませんね(笑)。

――実体験も参考にされていたんですね。ここまで共感を呼ぶことは予想していましたか?

makoさんあぁ…やはりみなさま不条理にさらされているんですね…。ここまでとは予想を超えましたが、その共感が漫画を読んで「わかる〜!」となって、少しでも癒しの方向へ繋がるといいなと思います。

――主人公のようにこじれて過度に“営業スマイル”に徹してしまうのはどうしてでしょうか?

makoさん営業スマイルって向き不向きがあるのと同時に、できたからといって必ずしもいい印象になるとは限らないと思うんですよね。私はニコニコしていてもそんなに好かれるタイプではない気がしています(笑)。

――読者コメントの中でも「営業スマイルしたくてもできない」という方もみられます。

makoさん主人公たちは営業スマイルをすることで、他人が「この人、心地いいなー」と感じるオーラを出すことに成功している人なんだと思います。仮にリアルの世界にも同じ感覚の人がいるのなら、仮面を外すことがやめられなくて、こじらせ具合に拍車がかかっていくという流れになるのかも…と思います。とかなんとか言いましたが、基本的に嫌われるのって怖いから、優しくしようってなっちゃいますよね。「好きな人にだけ好かれればいーやー!」という境地に辿り着きたい…。

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