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ORICON NEWS
辻希美、15年間で批判の声が“共感”に変化 優しいコメント増加に「テストに合格させてもらったのかな」
9割が否定の声だったのに…、優しいコメントが増えて「戸惑いました」
辻希美10年ちょっとの時間をかけてようやく、“ママゴト婚”のテストに合格させてもらったのかなと思ってます。やっぱり結婚当時は「こんな若い2人で大丈夫?」と思った方も多かったでしょうし、それがひいてはアンチコメントにつながっていったのかなと思うんですよね。でも優しいコメントが増え始めた頃は、戸惑いました。以前は9割が否定的な声だったので「どうしたの!?」って(笑)。
──具体的に変化を実感した出来事は?
辻希美たとえば以前はカップ麺を食べてたら「手抜き」って言われてたんです。それが今では「共感する」というふうに変わりました。
──やってることは同じなのに?
辻希美同じどころか、4人目ともなると家事も育児も以前よりかなり適当です(笑)。それでも共感していただけるのは、世のママさんたちがものすごく頑張ってるからだと思うんですよね。YouTubeを始めてからは、さらに暖かいコメントが増えました。前はご飯の写真をアップしても「お惣菜を並べてるだけ」って言われることが多かったんですけど、お料理の工程も全部お見せしていて、それもけっこう雑なんですけどね(笑)。
──30%引きのお肉パックなども映っていて、芸能人らしからぬ地に足がついた生活に共感する人も多いようです。
辻希美さすがにブログやSNSには30%引きシールまでは映らないですよね(笑)。動画なので、静止画以上にリアルな生活が見えることで「うちと一緒でホッとした」みたいにおっしゃっていただくことはとても増えました。
ネット攻撃に「数えきれないほど泣いた」 負けず嫌い精神で苦難乗り越え
辻希美数えきれないほど泣きましたし、「もうブログをやめたい」と事務所に言ったことも何十回もあります。でも、やめてもいいと言われると、「ここでやめたら負けだ!」って負けず嫌いな性格が出てきちゃう。その連続で、いつの間にか気付いたら評価が変わっていた、という感じです。あとは、泣いていても家事や育児は終わらない(笑)。子どもたちが私を強くしてくれたなと思うことは、本当にたくさんあります。
──先日、モーニング娘。OGの飯田圭織さんが、辻さんの「たまには力抜いたらいいんだよ」という一言に救われたとコメントされていました。今や辻さんは、育児に悩む世のお母さんにとって頼もしい存在です。
辻希美育児に正解はないから、逆に悩んでしまうのかもしれません。ご家庭によって事情や考え方はそれぞれですし、兄弟でも子どもの性格はひとり一人違う。私も1人目のときは、「母親なんだからしっかりしなきゃ」って気負ったり、できなくて落ち込んだりしていました。そんなときにいろんな方の育児ブログを見ながら、「みんな同じなんだな」「頑張ってるんだな」と救われてきたので、私も発信をやめる選択肢はなかったんです。
──忙しい日々の中でブログ、SNS、YouTubeと多くの発信を続ける原動力は?
辻希美先日、「辻ちゃんちも散らかってるし、うちもいいか」とおっしゃってくれた方がいました。子どもって片付けたそばから散らかしていきますからね(笑)。とくにコロナ禍の今は、ひとりで抱え込んじゃって、私の1人目育児のときよりもっとしんどい思いをしてるママさんがいるんじゃないかと思うんです。そのことが常に心に引っかかっていて、少しでも気が楽になってもらえたら、気が紛れたら、という思いが発信のモチベーションになっています。
「死ぬまでにもう1回コンサートを…」元気と笑顔を届けたい
辻希美12歳から働いてきたこともあって、本来はガンガン仕事したいタイプなんです。出産してからは子ども優先で仕事を組むようになりましたが、外で仕事をして家に戻って家事をやるのもぜんぜん苦にならないほう。今は一番下がまだ小さいですし、コロナ禍でもあって難しいですけど、仕事欲はすごくありますね。できれば一生働いていたいです。
──最新の著書『大好きな人と結婚した、その後。』では、旦那さまの杉浦太陽さんが「子育て第一で仕事のオファーを断ってくれたこともあった」と辻さんに感謝を述べています。同業の仕事にまい進できる旦那さんを羨ましいと思ったことは?
辻希美私の仕事で言えば、最近はけっこう家でYouTubeの撮影をしてることが多いんですね。そうするとパパ的にも仕事で疲れて帰ってきても気が休まらないかなと、申し訳なく思うこともあるんです。そういうふうにお互いがちょっとした「ごめん」と「ありがとう」の気持ちを持ちながら、それぞれができる仕事をやっていくのが今なのかなと思っています。
──モーニング娘。時代とは仕事の内容も大きく変わりましたが、“やりたい仕事”は実現できていますか?
辻希美“やりたい仕事”という意味で突き詰めると、私は誰かに元気と笑顔を届ける仕事をしたいとずっと思ってきて。その目的はモーニング娘。時代から今もずっと変わっていないので、答えは「はい!」ですね。
──ちなみに2019年にW(ダブルユー)が復活したときには大きな反響を呼びましたが、歌手活動はいかがですか?
辻希美ずっとグループやユニットをやってて言うのもアレですけど、歌は本当に下手で…(苦笑)。ただ、パフォーマンスすることはすごく好き。いろんな仕事の中で一番好きです。死ぬまでにもう1回、コンサートをやってみたいなあ。
──お子さんたちが巣立ったら、期待しています。
辻希美とは言え、我が家ではすでに「次の出産は私か(長女の)希空か!?」という話もチラホラ出ていまして(笑)。でも、それもいいかな。仕事でも家事でも育児でも、忙しく立ち働いているのが幸せですね。何もすることがないのが一番ツラい、海遊マグロみたいな体質ですからね。
(取材・文/児玉澄子)
辻希美著
2021年6月17日発売/講談社
ママゴト婚、すぐ離婚するだろう―――20歳で結婚・出産して受けた世間からのバッシング。「世間の風向きが変わるのに10年かかりました」そう語る母歴14年目の辻希美の子育て法や、杉浦太陽と築く家族像、母親の在り方や仕事の向き合い方など、幸せな家族の作り方を軸に、辻自身がありのままに語った。