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座ったままヘドバン? V系バンドならではのコロナ対策に称賛の声 ボーカル語るライブの価値
バンギャたちのヘドバンを初めてみた人は「衝撃を受けていた」
コロナ対策をしたら余計に宗教感増してしまったビジュアル系バンド pic.twitter.com/afPRnYKvL3
? 0.1gの誤算 緑川裕宇@9/19EASTワンマン (@0153_you) August 21, 2021
「バンギャと、ライブに来たことのない一般の方とでは、ぜんぜん感想が違いましたね(笑)。バンギャって、ヘドバンが当たり前みたいに、自分の日常の一部なんですよね。でも、一般の方って、見たことないと思うんですよ。激しいバンドのライブって、あまり客席って映らないじゃないですか。だから初めてヘドバンを見た方もいたようで、衝撃を受けている方がいましたね」
――緑川さんは、どのように感じましたか?
「最初は制限が多いなかで、100%のパフォーマンスをするにはどうしたらいいかなって考えていたんですよ。けっこう…絶望していたというか。こんな状況でライブできるのかなって。でもやってみたら、楽しかったですし、初めての光景で。お客さんもレアな環境を楽しんでいた。なので自分的にはこんな経験できてよかったなって思います」
――どのように話し合い、今回のライブ形式が決まっていったのでしょうか?
「会場は商業施設でした。以前から、この商業施設ではライブやらせていただいています。最初は150人のキャパで行こうという話でした。でもGW前に緊急事態宣言がでて、やっぱり60人で進めますと言われて。開催できるだけいいかと思って準備を進めていましたが、前日に椅子ありの状態でやることが決まって、本番の1分前に椅子から立つのは止めようとなって。このような対策が決まったのは、100%バンドからの意見ということではないんですが、このご時世でライブができるだけ幸せかなって。今回はこの環境でやってみようって話になりましたね」
許された範囲内で最大限楽しもうとする観客に「俺もがんばって楽しませなきゃいけない」
「なにせ席を立つことが禁止となったのが、ライブ当日だったので(笑)。そのアナウンスをしている時は心苦しくて、もしかしたらファンがふてくされているかも…大丈夫かなって思っていたんですよ。でもお客さんは許された範囲内で最大限楽しもうとしてくれていた。そういう姿勢だったんですよね。だからこそ、俺もがんばって楽しませなきゃいけないなって思いましたね。テンションあがりました。これやれるぞって」
――ライブでは「椅子に座ったまま飛べ!」という煽りも。どのように盛り上げていたのでしょうか?
「あの煽りは、序盤の曲でやっていたんですが、まだどうしたらいいのかわからない状態でした(笑)。その場で出てきた言葉だったんですけど、お客さんも自分なりに考えてやってくれたんですよね(笑)。『これ…椅子に座ったまま何かするのって、楽しいぞ…』って思って。『椅子に座ったまま2ステップ!』とか、普段のやりとりを“座ったバージョン”で、自分のものにしていきました」
――コロナ禍で、様々なライブ活動、パフォーマンス活動が制限された部分があったかと思います。0.1gの誤算のライブも、中止・延期になったものも。コロナ禍の状況をどのようにとらえていましたか?
「以前はできていた色々なことができなくなったじゃないですか。例えば、声を出すとか、サークルモッシュとか。制限があるなかで、今何ができるんだろうっていうのをずっと考えていましたね。意外と、今だからこそできることがあって。それを見つけて、頑張っている感じですかね」
――ライブでは例えばどんなことをしていますか?
「色々な楽しみ方ができるようにしています。声が出せないかわりに、鈴だったり、音が出る鶏のおもちゃをもってきてもらって、それを自分が声を出すタイミングでお客さんに鳴らしてもらったりしています。あと、スマートフォンに『キャー』っていう歓声を録音してきてもらい、MCのタイミングでこちらが何か言ったあとに流してもらったり(笑)。そういう新しい挑戦をして、頑張っていますね。コロナ前のライブのほうがよかったって言われてしまうこともありました。それを感じさせないくらい、新しい企画をどんどんやっていかないとだめだなと思っています」
“閉ざされている”V系バンドの印象を変える「どんな人も受け入れます」
「コロナ前は、週3回日常的にライブがある状態でした。それが去年4ヵ月くらいまったくライブができない期間があって、毎日絶望してたんですよ。少しずつ再開することができて思うのは、ライブがあるから自分は頑張れるんだっていうことです。ライブは自分にとって必要なものなんだ、これがないと生きていけないんだって再確認して、いまは1回1回のライブを大事にやろうぜってメンバーとも話している。こんな環境でライブやる意味あるの?っていわれるけど、ないとだめなんですよね。ないと絶望しちゃうんですよね。
そういう意見をくれる方は、ライブを娯楽だと思っている。映画を見るとか、ボーリングにいくとか。確かに娯楽といわれればそうなんですけど、そこはやっぱ違うんですよね。来てくれるお客さんも、ライブのために生きてるみたいな人が多くて。生命を維持しているような感じなんですよね、ライブで」
――緑川さんは、ライブをどのような場にしたいと思っていますか?
「自分が普段思っていることを吐き出す場でもあると思います。すべて吐き出して帰ってもらいたいので、ちゃんとライブが終わる頃には、みんなすっきりした気持ちになれるように努力をしています」
――今後どのようなライブ活動をしていきたいですか?
「どんどん感染者もふえて、ライブハウスも厳しくなっている。僕たちも当日になって、『今日はこういうふうに変更です』って言われることも多いんですけど、その環境を利用できるようなバンドになっていきたいですね」
――バンドとしての目標は?
「ヴィジュアル系って、閉ざされた世界でやっている感がある。特に最近のヴィジュアル系がそうだと思うんですけど。昔はテレビ番組、音楽番組にもヴィジュアル系が出ていたけど、最近は出ないじゃないですか。本当に閉ざされている感があるので、自分のバンドはどんな方もちゃんと馴染んで溶け込めるバンドにしていきたいです。『どんな人も受け入れます』って感じでやっていきたいですね」
0.1gの誤算
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緑川裕宇さんTwitter:@0153_you(外部サイト)