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星野源やNissy…コロナ禍で生まれた名曲 「生きて踊ろう」胸を打つ希望のフレーズたち
文:森朋之
【1】Nissy「Do Do」
「戻らない夏 見返せば 今しかない時 離さない」というフレーズも心に残る。失ってしまった夏を振り返りつつ、楽しい時間をもう一度取り戻したいと願う。軽快でポップな手触りの「Do Do」には、そんなシリアスな感情も刻まれているのだ。MVでは、ライブができない状況を背景に、“少しでも早く、オーディエンスの前でパフォーマンスしたい”という切実な思いを表現。サウンド、歌詞、映像を通し、この先の希望を感じさせる楽曲となっている。
【2】星野源「うちで踊ろう」
星野の“呼びかけ”に呼応し、数多くのアーティストがコラボ動画をアップ。三浦大知、亀田誠二、Nissy(西島隆弘)、香取慎吾、石田ゆり子、高畑充希など数多くの“オンライン・コラボ”が実現した。「生きて踊ろう 僕らそれぞれの場所で/重なり合うよ」という歌詞に込められた思い、そして、人と人がつながることの大切さを具現化した楽曲と言えるだろう。
【3】KREVA「Fall in Love Again feat.三浦大知」
フィーチャーされたのは、KREVAの音楽的盟友とも言える三浦大知。「どんなに辛くても死んじゃダメ」というリリックに象徴される真摯なメッセージを二人は、高い技術と豊かな表現力で描き出している。その根底にあるのは、“どんなことがあっても生き抜いて、必ず再会しよう”という真っ直ぐな願い。常に現実に向き合い、突破してきたKREVAだからこそ生み出せた楽曲だ。
【4】感覚ピエロ「感染源」
単に攻撃的なだけではなく、ラストで「ここが感染源/僕らは生きている」と高らかな生命讃歌に昇華させているところが、この楽曲の大きなポイント。言いたいことを言い、やりたいことをやり抜く覚悟、そして、人々と共存し、未来に進んでいく決意を同時に描き出す最高に刺激的なロックナンバーだ。
【5】MISIA「さよならも言わないままで」
祈りにも似たボーカルはまちがいなく、困難や苦しみのなかにある多くの人々の心を癒し、解放し続けているはず。世界的トランぺッター・黒田卓也氏のイントロをはじめ、シックで洗練された演奏やサウンドメイクも素晴らしい。
【6】[ re: ] /「もう一度」
6月に公開された「もう一度」は、”もう一度手を取り合って、みんなで未来を向いて歩いて行こう”というメッセージが込められたバラード。穏やかさ、力強さをたたえたピアノのフレーズに導かれ、全員の声が重なり、大きな感動につながる――それは“現代のゴスペル”と呼ぶにふさわしい。YouTubeの動画再生数は、3400万回を突破。コロナ禍における、もっとも支持された楽曲の一つとなった。