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「90歳でも踊りたい」日本最年長のチアリーダーが体現する“生涯現役で楽しむ人生”

 今年26年目を迎えたチアダンスチーム「ジャパンポンポン」。その平均年齢は70歳以上で、チームの中心であり創設者の滝野文恵さんは、来年で90歳を迎える。63歳の時にチームを設立してから26年、今やチャリティショーや海外公演を行えば満席になるほどにまで成長。チアダンスをきっかけに“第二の人生”を歩み始めた滝野さんは、「こんなチャンスに恵まれた人生は本当に楽しい」と語る。しかし、そのチャンスは自分で掴んだもの。高齢化社会と言われる世の中で、余生を“余”生としない生き方とは。

常識を打ち破った70代のチアダンス 63歳で一念発起しチーム設立「私たちでもできる」

――ジャパンポンポンを設立したきっかけは何だったのでしょうか。

たまたまアメリカの高齢者がどのような人生を送っているかという本『Age Wave』を読んで、アリゾナ州に「サンシティポンズ」という、平均年齢70歳以上のシニアチアチームがあることを知り衝撃を受けました。チアリ―ディングは若者がするものだと思っていましたが、「シニアでもできる」ってことが目から鱗でした。「たとえ外国の方でも、同世代がやっているなら私もできるんじゃないか」と思い、それならやってみたいと始めました。

――最初の仲間集めはどのように行っていたのでしょうか。

アメリカのチアリーダーと文通をして情報を貰っていました。10人くらいの友人に声をかけ、ランチをしながら、情報を紹介してチアリーダーをやってみませんかと誘いました。

――そこから始めた「ジャパンポンポン」ですが、今年設立26年目を迎えました。改めて振り返ってみていかがでしょうか。

感慨無量とはこういうことでしょうか。こんなに長く続けてこられたとは、周りの方々のお陰だと感謝でいっぱいです。

――これまでで一番印象に残っている出来事は何でしょうか。

1997年にアメリカを訪問して、「サンシティポンズ」と交歓会を持ったことです。彼女たちはゆっくりした踊りでしたが、決めポーズは「さすが」の一言でした。私たちは、日本情緒を出そうと法被を着て、赤い紐を作りベルト代わりにし、赤のショートパンツという出で立ちでパフォーマンスしました。下手を隠すための演出でもあるんですが(笑)。「貴方たちがライバルでなくてよかった」と、お世辞にせよ嬉しいコメントも頂戴しましたが、その時は結成2年目で、ダンスはチャカチャカとしておりテンポは速いのですが、お粗末だったと思います。それでも地元の新聞に大きく取り上げられたのはうれしかったですね。

初期は1年に1曲がやっと… 今では公演で1人5曲以上も披露「幾つになっても進歩できる」

――初期の頃は多くの曲を踊れなかったとお聞きしました。

初期の頃は、1年に1曲(約3分前後)のチアダンスを仕上げていました。しかし、1曲覚えて、次の年にまた新しい曲を始めると前の曲を忘れてしまう。いつまで経っても1曲しか踊れない、これではいけないと、7年目にこれまでの曲を練習して披露する発表会を計画しました。目標ができたからか、1人5〜7曲踊れるようになりましたね。こんな年齢でこんなに楽しいことをしているのだから、少しは世の中のお役に立ちたいとチャリティショーにしました。続けて、10周年記念チャリティショーを。以来、5年毎に開催しています。現在は半年に1曲仕上げていますが、幾つになっても進歩できると実感しました。

――そんなに覚えるとなると、練習もハードなのでは?

週に2時間の練習でかなり大変ですが、皆さん楽しんでいらっしゃると思います。家で自主練したりする方もいます。練習が不安な方は続かないかもしれませんね。

――入会の条件に「55歳以上」「自称容姿端麗」とありますが、この募集要項を付けたのはなぜでしょうか。

楽しいことが大好きなので、年齢はともかく「自称容姿端麗」に応募してくる方を見るのも楽しいです。勿論、全員容姿端麗です(笑)。

――この活動をすることでどんな変化がありましたか。

まず毎週練習をつづけていることで、同年代の人たちよりずっと身体が動くし、健康だと思います。運動は健康に良い、練習の成果を見せる機会に恵まれている、普通では考えられない華麗な衣装を着られるなど、60歳を過ぎてこんなチャンスに恵まれた人生は本当に楽しいです。文字通り「健全な精神は健全な身体に宿る」ではないでしょうか。

コロナ禍で練習できず心身に影響も、90歳での公演は諦めない「『もう年だから…』と言わないで」

――滝野さんは来年90歳になるとお聞きしましたが、何歳までやりたいという希望はありますか。

特に何歳と目標はなく、健康な間はやりたいと思っていました。昨年予定していた25周年記念チャリティショーが延期になっています。もし来年できたら、丁度90歳での公演になります。まさか90までやるとは正直思っていませんでした。

――昨年からのコロナ禍で満足な練習ができなかったとお聞きしました。

緊急事態宣言中は練習をお休みしていたのですが、その影響は大変大きかったと思います。休まなければいけなくなって、メンバーの多くが体力低下を訴えています。「継続は力」ということを身に染みて実感しています。体力の問題だけでなく、みんなと一緒に練習するということがライフワークでしたので、メンバーに会えないことが何よりつらいですね。

――現在の目標を教えて下さい。

来年なんとか、コロナ禍の影響でできなかった25周年記念公演(27年になりますが)をやりたいです。

――この記事を読んでいる同世代の方にメッセージを頂けますか。

「もう年だから…」と言ってほしくないです。幾つからでも、どんなことでも、やる気さえあればできます。それが人生を変えるかもしれないです。貴方の人生ですよ。

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