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ポケモン史上初の“骨格”公開に反響、「人も予算もない」地方博物館の意外な挑戦

「課題は山積み…」リソース限られる地方博物館による初の連携で可能性広がる

 本企画展の展示物は、三笠市立博物館をはじめ巡回会場となる全国各地の博物館、独立行政法人国立科学博物館、そして株式会社ポケモンの知恵と技術を結集して制作された。

「これだけの大規模な展示に携わるのは初めてのチャレンジで、当館の資源だけでは実現し得ないものでした。正直、地方の博物館は課題が山積みです。人員不足、限られた予算、展示室の規模、アクセスの悪さ──。おそらく似たような悩みは当館だけでなく、全国の博物館が抱えていると思います」(相場氏)

 こうした地方の博物館ならではの課題を乗り越えるべく、国立科学博物館では全国各地の博物館を繋ぐ「科学系博物館イノベーションセンター」を2019年に設置。1つの博物館だけでは制作が困難な規模や内容の展示を制作し、全国を巡回することで質の高い企画展示を各地で実現することが同センターの目的の一つだ。「ポケモン化石博物館」はその第一弾の事業となる。

「博物館の資源は収蔵品だけではありません。全国には相場氏をはじめユニークな学芸員や研究員がたくさんいます。彼らの知恵やアイデアを存分に発揮していただく、意義深いプロジェクトになったと感じています」(国立科学博物館科学系博物館イノベーションセンター・久保氏)
 多くの課題を抱えながらも、全国の博物館ではそれぞれ特色ある展示のアイデアを凝らし、学びと楽しみを地域に還元している。

「地方の博物館の魅力の1つは郷土色を生かせること。たとえば当館では天然記念物のエゾミカサリュウやアンモナイトなど、北海道で発掘された化石標本を豊富に展示しています。現在はコロナ禍で中止しているのですが、手で直に触れる標本も多いので常設展も楽しんでいただけたらうれしいですね」(相場氏)

 開催に先立って、昨年11月には博物館の正面玄関前にポケモンのマンホール蓋(通称:ポケふた)を設置。位置情報を利用したスマホゲーム『Pokemon GO』とも連携しており、訪れることでゲーム内で使えるアイテムを入手できる場所にもなっている。新規の来館者も増えているようだ。

「こちらのポケふたには『オムナイト』というアンモナイトに似たポケモンが描かれています。そして館内に入ると、まず常設展の巨大なアンモナイトが目に飛び込んでくる。これがものすごいインパクトで、私も初めて訪問したときには感動しました。"ポケモン目当て"で来館する子も、きっと古生物の魅力を発見できると思いますね」(服部氏)

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