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天下をとったアイドルがYouTubeをも極める意味、『ジャにのちゃんねる』の光明とは
先輩にもグイグイツッコむ…グループ間の交わり、素の会話に新しさ
そして、ここにきて満を持して『ジャにのちゃんねる』がスタート。メンバー4人の立ち位置は明解で、最年長かつ運営する側としてのリーダーは二宮。「自分はパズドラしかできない」と“らしい”言葉を口にするが、スカウト役を担ってまずは「僕と一緒にYouTubeやらないか?」と中丸を勧誘。以前から「YouTubeをやりたい」と公言し、グループの映像商品などを編集してきた中丸を編集担当に任命したのはまさに“適材適所”。しかしながら、二宮は「宣伝するお金はない」「事務所の力は借りない」とシビアな面もしっかりと見せる。同時に「圧倒的スター性のある演者とユーティリティー性のある人間がほしい」とも語るのだが、たしかに二宮も中丸も、どちらかと言えば“陰キャ”。そこで“陽キャ”の菊池のもとへ。当初は戸惑いを隠せない菊池だったが、ユーティリティープレイヤーとしてスカウトされたことを知ると、「二宮くんと中丸くんはめちゃくちゃ暗いですもんね」と自分の役割に納得、「刮目ください!」と快諾する。
次に3名が向かった先は、二宮いわく「かなりの陰キャラではあるが、キラキラ感が消えていない」という山田。山田には、ジャニーズ事務所公式チャンネル『Smile Up! Project』の一環でホットケーキをつくる動画が“バズった”実績がある(現在278万回再生)。結局、「山田ありきで進んでいる」「事務所がいいよって言っているうちに進めたい」との説得に、山田は「やらせていただけるなら」とメンバー入りを承諾。
こうして、二宮=リーダー&スカウト、中丸=編集担当として手作り感ある動画作り、菊池=“陽キャ”で先輩にもぐいぐい踏み込む、山田=派手目のスター感を醸し出すといった適材適所の人選で、『ニノさん』(日本テレビ系)でも共演する二宮と菊池以外はあまり接点のない絶妙な顔合わせが実現した。しかも、「自分たちは先駆者になる」(二宮)との言葉どおり、随所にどこか“ガチ”な覚悟も感じられるのである。
「スターはファン以外も魅了する」ジャニーズアイドルとしての覚悟
人気YouTuberのヒカルは、5月12日の配信で同チャンネルに注目していることを明かし、「あのレベルの人たちがYouTubeを楽しんでる。(二宮に対して)日本で大成功を収めた人が、また新しいことに挑戦する。その攻めの姿勢がすごい。スターはファン以外も魅了する」と大絶賛しているのだ。
スキャンダルタレントの“駆け込み寺”も今は昔、自主的な“映像メディア”を本気で考える時代に
そもそもYouTubeではアーティストチャンネルとして自己のブランディングを高めるための発信をするケースがあるが、一方では“私的な発信”としてテレビ番組やステージで見られない素の姿を見せていく醍醐味もある。視聴者がますます親近感を抱き、テレビを観ない層にも訴求して、新たなファン層を獲得する戦略的な流れは芸能人のYouTubeコンテンツにおいて、だいぶ浸透してきたように思う。
そして大部分の芸能人は動画の企画や編集をプロに任せる傾向にあるのに対し、同チャンネルは、その裏方的側面を本人たちで回していることが注目ポイントに。ジャニーズアイドルたちが、自分たちで生み出したバズに純粋に感動し、YouTube本来のフォーマットにのっとってチャンネルを運用している姿には“目新しさ”や“ワクワク”を感じざるを得ない。
コロナ禍でファンと触れ合う機会も激減している中、YouTube活動に力を入れることはメリットしかないともいえる。ましてや中丸、菊池、山田には所属している自身のグループがあり、現役アイドルとしての“キラキラ感”は担保されつつ、そのアイドル要素をYouTubeでさらに増幅させるという“ブースト効果”も期待できるのだ。
アイドル特有の“キラキラ感”をどう保つかが見どころに
今回のYouTubeチャンネル開設は世の流れとしては必然なのだろうが、ファンにしてみればさまざまな考え方、捉え方があるだろう。二宮を中心に新しい“輝き”を発するコンテンツとして進化していくのか、活動休止中のグループの“近況報告”的な発信に留まるのか、まだ未知数だ。
ジャニーズ事務所(と所属タレント)が、“本気で”YouTubeコンテンツに挑戦していることは紛れもない事実である。果たして1年後、2年後、『ジャにのチャンネル』がどのような立ち位置のコンテンツになっていくのか、二宮はどのように自身を魅せていくのか、注目していきたい。