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多様化する“子どもの趣味”、児童書は滅びゆく運命なのか? 「ビジュアル選考の時代だからこそ“文字で描かれる物語”を」

“パッと見のわかりやすさ”と“原作忠実”を両立する『坊ちゃん』、「本を読むハードル下げるのも児童書の役割」

  • 『坊ちゃん』表紙 (c)ポプラ社

    『坊ちゃん』表紙 (c)ポプラ社

  • 『E.T.』表紙 (c)ポプラ社

    『E.T.』表紙 (c)ポプラ社

 夏目漱石の『坊ちゃん』など古典名作はもちろん、映画『E.T.』のノベライズといった新たな“名作”の発掘にも取り組む「キミノベル」。『星の王子さま』では、漫画『大家さんと僕』でも知られるカラテカ・矢部太郎が、表紙や挿絵を描き下ろすなど、難しいと敬遠されがちな名作の魅力を伝えるためにもビジュアルを重視しているという。

「児童書において"ジャケ買い"の要素は近年ますます強くなっていますね。パッと見のイラストやカバーデザインの魅力で、古典名作を読むハードルを下げるのも児童文庫の役割です。また現代の子どもたちはすぐに面白い要素にたどり着けないと、その本を読むのをやめてしまう傾向があるため、特に名作の担当者たちは『1ページ目をめくった瞬間が勝負』といった構成に工夫を凝らしています」(門田氏)

 『坊ちゃん』では、名シーンや物語のポイントが一目でわかるイラスト入りダイジェストから巻頭が始まる。一方で、本文はほとんど原文のままと硬派な作りを採用。古典文学を子ども向けに読みやすく大幅に変更する出版社も多い中、こうした硬軟織り交ぜた構成について『坊ちゃん』の編集を担当した後藤正夫氏はこのように語る。

「名作の素晴らしさは、物語性はもちろん、その文体にもあります。ぜひそこも味わってもらえたら。ただやはり現代の子どもには馴染みのない表現も多いので、注釈を多めに入れたり、章立てをしたりといった工夫もしています」(後藤氏)

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