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理不尽な暴言クレーマーに“心の声”が全部出た…店員の実録漫画に共感の声「毅然とした対応で店を守るのも店員の仕事」
クレームはほぼ毎日、店員に暴力の危険が及ぶことも…
も〜さんほぼ毎日でした。単価が安いお店ってクレームが多い気がしますし、土地柄もあるのかも。昔ながらの情緒ある地域で、フランクで個性的なお客さんが多く、家族のように接してくれる温かい方もたくさんいらっしゃいましたが、自分の価値観ではまったく理解できない方も多かったです。
――店員さんから見て、「クレーム」と「指摘」の違いとは?
も〜さん例えば、「調味料がカラになっている」はご指摘です。「すみません! すぐに代わりをお持ちします! 教えていただいてありがとうございます」で、終わりです。でも、「オイコラ! 調味料がカラになっとるやないけ! 常に補充しとかんかい! 何のために働いとんねん!」だと、カラなのは申し訳ないですが、「前の方がたくさん使ったのかもしれませんね! この忙しい状況で常に補充するのは難しいですね!」ってなってしまいます。(逆ギレですね…)。
――与える印象が大きく違ってきますね。
も〜さん言い方のニュアンスというか、過剰に自分の感情が乗っかっていないか、自分の価値観だけをベースに感情をぶつけていないか、というのがクレームと指摘の違いだと思います。あくまで主観ですが…。
――クレームはお店にどのような問題を生じさせていたでしょうか?
も〜さん仕事の手が止まりますし、店員やほかのお客さんのストレスになります。「態度が悪い」と言って母に暴力を振るおうとした若い会社員のお客さんもいました。70歳近い小柄な母なのに…。ひどいものは業務妨害や暴行にまで発展しかねません。
――それはひどいですね…。
も〜さん大事になると客足が遠のいて、日々の売り上げが減って食べていけなくなってしまうので、なるべく穏便に納めないといけない。お店の死活問題に発展する可能性もある難しい問題です。実際に私はお店の忙しさも相まって精神的・肉体的に病んでしまい、退職させてもらいました。同じ社会で暮らす人間として、人を下に見てワガママを言う、乱暴な振る舞いをするなんてことはなくなってほしいです。
「自分は相手より上の立場だと思わない」、お互いに心地よいやり取りをするために大事なこと
も〜さん絵の仕事に対しても、「これはもはやクレームでは?」と思えるようなご意見も時折あります。「こういった意図で描いています」と説明すると、ほかの方から「ネガティブ意見にばかり反論していて、普段のファンを大切にしていない」とご意見をいただいたことも…。本当に難しいし、正解なんてないと思っています。
――それは難しいですね。
も〜さんただ、お相手がどのような状況や心情でいるか、こちらにはわかりません。つらい出来事があった直後なのかもしれません。暴言や中傷はスルー&通報でOKですが、そうでない場合はなるべく誠意を持って冷静にお話できたらいいなと思います。
――お互いに気持ちよく接客し、接客されるために、お客さんに気をつけてもらいたいことは?
も〜さん「自分は相手より上の立場だ」と思わないように心掛けていただけると、人と人としての気持ちよいやり取りができると思います。「ありがとう」「ごちそうさま」「美味しかったよ」なんて言われたら最高です。「こちらこそありがとうございます! ぜひまたお越しください」と満面の笑みで返したくなります。
――最後に、も〜さんの漫画を読まれた方へメッセージをお願いします。
も〜さん今回の漫画を楽しんでくださった方、本当にありがとうございました! 今もどこかでクレームに苦しんでいる方がいらっしゃること、心苦しく思います。少しでも心が軽くなって、クスッと笑えるような話や体験談を描いていけたらと思っています。