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「病名も原因も不明」謎の症状で車いすになったタレント、「障害者というしがらみ」超えて挑戦する生き方
起きたら突然、身体に力が入らず…病名不明で「精神的なもの」と診断
――最初に病で倒れた時のことは覚えていますか?
知花さん突然でした。前日は職場の仲間と焼肉パーティーをやっていたんですが、その翌朝、起きたら身体に力が入らず、動けなくなっていて。病院で点滴を受けたりしたものの、「そのうち戻るかな」なんて思っていました。
――それまでに予兆はあったんですか?
知花さんその前からお腹の調子が悪くて、食べたらすぐお腹が下ることが続いていて。一昨年の夏頃に初めてお腹を下して、お盆の間に体重が4〜5キロ落ちたんです。それで消化器系の病院で下痢止めをもらい、様子を見ているところでした。倒れてから、胃カメラや大腸カメラなどいろいろな検査を受けたんですが、原因が見当たらないそうです。一旦「過敏性腸症候群」と診断されましたが、「それにしては体重が落ちているし、違うかもしれない」と。
――正式な病名がわかっていないんですよね。その後、Twitterでは「右足が回復せず、麻痺が…」とも書かれていましたが。
知花さん最初は「体力が落ちて動けなくなった」という見解でしたが、入院後にリハビリをしていたら、どうも右足だけ力が入りづらいこともわかりました。自分でもたくさん調べましたが、どうしても病名はわからなかった。神経内科で診てもらった時も、検査上は異常はないが末梢神経障害が明確に出ている謎の状態とのことでした。消化器についても足についても、「精神的なものかも」と言われたんですよね。
――病名や原因がわからないのは、つらいですよね。
知花さんそうですね。今年の3月で、消化器の発症から1年半、足については1年が経ちました。原因もわからないため、薬は対症療法のみ、リハビリも今より機能が落ちないようにする内容がメイン。試行錯誤が続いていて、何を信じて治療すればいいのかわからなくて…。本当に精神的なものが原因なら、「ある朝起きたら治っている」というケースもあると聞いたので、「明日は治っているかもしれない」と信じて起きるのを楽しみにしていました。でも、そんなことも起こらなかったから、だんだん起きるのも嫌になってきましたね。現段階では病名の断定もできないまま、消化器も足も治癒まで長期になるとしか伝えられていなくて、悶々としています。
Twitterで明るく発信、「隠すよりさらけ出していこう」
知花さんはい。たくさんの方々からエールをもらえますし、自分が病気であると公表したことで、予想以上にパワーをもらっています。皆さん、親身になってメッセージを送ってくださるので、Twitterをはじめ、SNSってありがたいなって思います。
――いつから始めたんですか?
知花さんこの病気に関しては、最初に倒れた日です。その時はこんな状態になるとは思っていなくて「まぁ、頑張るよ。すぐ治るさ」くらいの気持ちでいたけど、それが今日まで続いています。最初は、こんなことを発信して大丈夫か自分でも心配していたんですが、思った以上にマイナスのコメントって来ない。ありがたい思いと同時に、驚きもありました。
――「車いすで坂を登っている動画」など、前向きで明るい投稿が多いですね。
知花さんどうせ発信するなら、車いすや病気のことを隠すより、さらけ出していこうと思って(笑)。「今の状態が続いてつらいですね」とも言われるけど、つらいと思えばつくづくつらくなるし、何も生まれませんからね。確かに、車いすになってから過ごし方は変わりましたが、誰かの助けがあれば案外できないことってないんですよ。周りからは「かわいそう」と思われたり、珍しがられるかもしれないけど、悔しいことはないです。だって、それが私だし。一人で買い物したり散歩したり…自分の中では、病気になる前の日常と変わっていないです。
――病気を受け入れられなくて、モヤモヤすることはないんでしょうか?
知花さん正直、おなかの調子も悪いし、足は動かないしで、今も受け入れられない気持ちはあります。ただ、今まで「車いすであること」「片足が動かないこと」を理由にやっていなかったことも、やってみたら意外とできるもんだという発見がありました。なので、モヤモヤを抱えるよりは、やりたいことを積極的にやってみたいと思っています。受け入れられない気持ちは、ちょっと忘れちゃえ! みたいな(笑)。実際、忘れられてアレもコレも楽しめると、やるじゃん、私!という気持ちになれますね(笑)。