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薬品かけられたボロボロの猫、半年で奇跡の復活「見惚れるほどのイケメンぶり」

  • ボロボロの姿から復活した虎吉(写真:ねこけんブログより)

    ボロボロの姿から復活した虎吉(写真:ねこけんブログより)

 猫の殺処分ゼロを目指して保護活動などを行うNPO法人『ねこけん』が、半年前に発見したボロボロの猫。薬品をかけられるという、非情な虐待にあった猫だった。その猫が、今年1月に再び『ねこけん』のブログに登場。「イケメン!」と言われるほど見違える姿になって、周囲を驚かせている。代表理事・溝上奈緒子氏に当時の様子、これまでの経緯を聞いた。

薬品かけられ粉まみれ、毛は固まり、まぶたは溶けかけた猫

  • 保護当時の虎吉(写真:ねこけんブログより)

    保護当時の虎吉(写真:ねこけんブログより)

 2020年7月、『ねこけんブログ』で『ボロボロ猫さんを助けて』というタイトルで公開された、茶トラの猫の写真。この猫はもともと地域猫だったようだが、ある日突然、全身真っ白な粉まみれのボロボロな姿で発見された。どうも、心無い人から薬品をかけられたようだった。

 溝上氏によると、「猫を保護して帰る車の中は、薬品の匂いでこちらも具合が悪くなりそうだった」というほど。体中の毛はゴツゴツと固まり、まぶたの皮膚は溶けかかっていたという。『ねこけん』に到着後、すぐに猫をお風呂に入れて洗浄。だが、その後の血液検査では、かけられた薬品のせいで急性腎不全と急性肺不全になっていたことが発覚した。この様子には、溝上氏をはじめ、『ねこけん』のメンバーたちも心を痛めたという。

 それから約半年が経った今年1月、『ねこけん』ブログに、あるイケメンの猫が登場した。『虎吉』と名付けられたその猫は、眼光鋭く、シュッとした凛々しい姿。そう、この虎吉こそが、かつてボロボロの姿で発見されたあの猫だった。ブログには「お世話に入るメンバーさんが見惚れて、帰るのを忘れてしまうほどのいい男っぷり」とあり、その喜びが伝わってくる。

 「保護された当時は、かけられた薬品のせいで、肝臓と腎臓に障害が出てしまっていました。そこから治療を続け、今では数値も正常になりました。ボロボロにただれていた皮膚も抗生剤のおかげで直り、溶けかけたまぶた、逆さまつげの治療も行いました」(溝上氏)。

「やっと猫らしく」、だが虎吉の心が癒えるには時間がかかる

  • 人間くさい表情を浮かべる現在の虎吉(写真:ねこけんブログより)

    人間くさい表情を浮かべる現在の虎吉(写真:ねこけんブログより)

 そんな治療の日々を経て、すっかり元気になった虎吉。だが、その心はまだ癒えたとは言えないそうだ。

 「当時は人間不信になっていましたし、今でもまだ人を好きになるほどではありません。ただ、猫同士でじゃれあったりと、やっと猫らしくなってくれた。これから少しずつ、つらい記憶を塗り替えて、人にも慣れていってくれたらと思います」(同)。

 今では、よく食べ、よく寝て、よく遊ぶ猫になったという虎吉。もともと大きかったという体と貫禄のある仕草で、「中に人がはいってる?」とブログで茶化されるまでになった。平和な保護猫生活でゆっくりと心を癒し、いつか幸せをつかんでくれることを願う。

■NPO法人『ねこけん』(外部サイト) 
■『ねこけん』オフィシャルブログ(外部サイト) 

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