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「天使の心を持つ猫」天真爛漫だけど脳に障害…安楽死寸前だった猫を救った苦渋の決断とは?
安楽死の一歩手前で救われた、脳に障害を持つ猫
『ねこけん』では平和な保護生活を送っていたノンタンだったが、実は壮絶な過去があったと、溝上氏は明かす。
「最初、獣医師の方から相談を受けました。というのも、ノンタンは保護された方が飼っていたウサギを咬み殺してしまって。飼い主はノンタンの安楽死を希望し、病院を訪れたそうです。獣医師はノンタンを不憫に思って引き取ろうとしたんですが、転勤で動物が飼えない状態になってしまった。それで、『ねこけん』に相談に来たんです」
“天使の心”を持っているとはいえ、『ねこけん』に来てからも、ノンタンの咬む動作は変わらなかった。
「ゴロゴロいってても、突然咬みついてしまため、うちのスタッフもかなり咬まれました。一度、里親さんが見つかったんですが、やはり里親さんに咬みついてしまった。かなり我慢してくださったんですが、夜中に突然首を咬まれたりしたら…と怖くなってしまったようで、うちに戻ってきました。無理もないことなんです」。
「この子を助けるために」…抜歯という苦渋の決断
「以前、アメリカに咬みつく犬がいて、みんなが安楽死を望む中、ワンちゃんを助けるために飼い主が抜歯をしたという記事を見たことがあって。私たちもノンタンの抜歯に踏み切ったんです。歯を失うことは本当にかわいそうなことなだけれど、この子を助けるためには仕方がないと苦渋の決断をしました」。
だが、まだ若いノンタンの歯を抜いてくれる病院は簡単には見つからない。いくつもの病院で断られ、なんとか手術にこぎつけた。「健康な歯を抜くのは大変で時間もかかり、費用もかなりかかりました。かわいそうだったのですが、ノンタンが幸せに生きるためには、抜歯という選択肢しか残されていなかった」と振り返る。歯がないと日常生活に困りそうなものだが、基本、猫はご飯を丸飲みするそうで、あまり歯は使わないんだとか。高齢になった猫が抜歯することもあるため、歯がなくても普通に生活は送れるという。