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「タヌキ似の捨て猫」が流れついた先は? 保護猫活動にも影落とすコロナ禍

  • タヌキ似の雑種猫『たぬ吉』(写真:ねこけんブログより)

    タヌキ似の雑種猫『たぬ吉』(写真:ねこけんブログより)

 『たぬ吉』は、その名のとおり、タヌキ似の雑種猫。ボランティア仲間を通じ、NPO法人『ねこけん』にやってきた。現在も収まらぬコロナ禍は、『ねこけん』のようなボランティア団体の活動にも影を落としているという。たぬ吉もまた、その影響でやってきたのだった。代表理事・溝上奈緒子氏に、ブログにも綴られた保護の経緯、現在の保護活動の問題点について聞いた。

タヌキ顔の捨て猫、当初は人を見ると威嚇していた

写真:ねこけんブログより

写真:ねこけんブログより

 「とうとうタヌキまで保護するのか?」。

 『たぬ吉』を見たとき、ボランティアメンバーはそう思ったという。代表の溝上氏から「LINE見て!」と連絡が入ったときは、すわ猫のレスキューか、緊急事態かと色めき立ったメンバーだったが、送られてきた写真を見ると、くりんとした目をぱっちりと開け、一見するとタヌキにも見える猫が写っていた。

 この猫は、溝上氏のボランティア仲間が保護している猫で、なかなか譲渡に結びつかなかったのだという。さらに、そのボランティアでは多数の保護猫を抱えているため、「お手伝いをすることになった」とか。そんな猫につけられた名前は、ずばり『たぬ吉』。愛らしい顔は毛色もあいまってタヌキ似ではあるが、れっきとした雑種だった。

 「こんな顔ですが、たぬ吉はもともと捨てられていた子。人間に対し、すごく恐怖心を抱いていて、人を見るとつねにシャーシャー威嚇していて。そんなたぬ吉を千葉のボランティアさんが人に慣れさせてくれました」とのこと。今ではとても穏やかで、子どもも犬もOKな、器のデカい猫になっていた。

譲渡会は開けず、猫の返却も…コロナの影響受けるボランティア団体

  • ナスカと改名した元・たぬ吉(写真:ねこけんブログより)

    ナスカと改名した元・たぬ吉(写真:ねこけんブログより)

 そんなたぬ吉だったが、この猫が『ねこけん』にやってきた理由は、コロナにあった。個人もしくは団体で活動しているボランティアは、コロナの影響により大変な苦労をしいられているという。

 「まず、コロナのせいで譲渡会を開けないことが一番のネックになっています。どうしても人が密になってしまうので、おいそれと譲渡会ができない。そうすると、ボランティアが抱える保護猫の数はどんどん増えていってしまい、手が回らなくなっていきます。そんな状況から、たぬ吉も『ねこけん』にやってきました。これはどの団体でも、同じ状況ではないでしょうか」と、溝上氏は現状を明かす。とはいえ、保護すべき猫が減るわけでもないため、『ねこけん』でも常にボランティアメンバーを募集しているそうだ。

 リモートワークなどもあり、自宅で過ごす時間が以前より増した現在、ペットの需要は拡大しているという。だが、コロナ禍によって経済的に厳しくなり、一度迎えた猫を返却したいという人もいる。猫をローンで購入したものの支払いができなくなり、ガリガリになった猫が保護されたという話もあった。経済的な問題は誰にも降りかかることで、仕方のないことかもしれないが、安易に動物を飼おうとせず、長期的に考えることが必要だろう。

 コロナの影響もあり、『ねこけん』へとやってきたたぬ吉。その後、『ナスカ』と改名し、今では新たな家族の元で幸せに暮らしているそうだ。

(文:今 泉)
■NPO法人『ねこけん』(外部サイト)

■『ねこけん』オフィシャルブログ(外部サイト)

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