• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
ORICON NEWS

『めちゃイケ』『電波少年』を下支え アニメに頼らない“声優”木村匡也、ナレーターの矜持

2人の“バラエティの天才”との出会いが今の木村匡也を作った

『がっちりマンデー!!』(TBS系)のナレーション収録風景 (C)oricon ME inc.

『がっちりマンデー!!』(TBS系)のナレーション収録風景 (C)oricon ME inc.

 二の線”からバラエティへの転身は「まったく抵抗なく、どこまで持つかわからないけどやってみよう」と前向きに挑戦。だが、実際にやってみると思わぬ落とし穴が。

「そのとき初めて気付かされたんですよね。『俺、滑舌が悪かったんだ』って(苦笑)。番組の内容を視聴者にわかりやすく伝える、あるいはさらに面白くホップさせるのがナレーションの仕事。軽薄にやっているようで、そこにはしっかりした技術が欠かせないんだと、それまで英語混じりでごまかせていたものが完全に覆されました。以降は今に至るまで、ひたすら訓練と勉強の日々ですよ」

 そんな努力もあって『進め!電波少年』では、当初2ページしかなかった台本が、番組終盤には数十ページのナレーションを任されるほど番組に欠かせぬ存在に。そんな木村氏が、『進め!電波少年』と共に、特に鍛えられたと振り返るのが、1995年10月開始の前身番組『めちゃ×2モテたいッ!』から、2018年3月の番組終了までナレーション担当を"完走"した『めちゃ×2イケてるッ!』(共にフジテレビ系)だ。

「ご存知の通り、『めちゃイケ』は放送回によって番組のトーンがガラリと変わります。ひたすら笑える回もあれば、シリアスな感動を誘う回もある。それだけに、ナレーションのトーンもたくさんの引き出しが必要でした。ただ(番組総監督の)片岡飛鳥さんとは、1歳違いと同年代で共通体験も多いため、例えば台本に『説明しよう!』と書かれていたら、『なるほど、"ヤッターマンの富山敬さん風"だな』など“共通項”を例に出しながら、対応できたのはよかったですね。(片岡さんとは)『めちゃモテ』の前身といえる『とぶくすり-Hi[gh]-YAKU-』(フジテレビ系)からの付き合いなんですけど、でも、収録日にいきなり『今日は◯◯さん風で』とオファーされることもあるから、こっちはヒヤヒヤものでした(笑)。とにかく話題の番組は一通り観てナレーションの特徴やケレン味をつかみ、さらにどこまで似せられるか自分でも読んでみるといった研究は、本当にたくさんやりましたね」

 「(『電波少年』のTプロデューサーこと)土屋(敏夫)さんと、片岡さんがいなければ今の僕はない」と木村氏は感謝している。

「当時のバラエティ界のトップである2人に、僕は育てていただきました。ナレーターって収録のとき、横にプロデューサーがいてどうするか的確に指示を出してくれる。しかも、ディレクターが作ってきたVTRの修正点とかもその場で伝えられるので、そういったやり取りを見られたことが一番大きかった。演出の意図を最前線で学べたので、日々勉強でしたね」

あなたにおすすめの記事

 を検索