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夢はアニメーター、19歳学生描く53秒の“夏アニメ”話題「ラムネが飲みたくなる」

 長い梅雨が終わったかと思えば猛暑が続く日本。新型コロナウイルスの影響でお祭りや花火大会など夏の風物詩が次々に中止されるなど、夏らしいことがなかなかできない生活の中、53秒の爽やかなアニメーションがTwitterで話題となった。暑い夏、照りつける日差し、瑞々しいラムネ…どことなく懐かしさのあるアニメーションを投稿したのは、19歳で学生のゆえさん(@yuefuku1224)。物心ついた時から絵が身近にあり、現在は学校で絵やアニメーションを学びつつ、ポートフォリオ制作など就職に向けて準備中だという。今回のアニメーション作成のきっかけや、SNSでの反響について話を伺った。

今は一人暮らし、一番に送った母に自分の成果を見せることができてよかった

――先日投稿されたアニメーションには多くの反響がありましたが、お気持ちはいかがですか?
ゆえさん まさかこんなに沢山の人に見てもらえるなんて思っていなかったと言うのが、率直な感想です。いつも絵をアップする時には、「1000いいねいけば…!」くらいに思っていたので、今回は増えていく桁違いの数字に毎日びっくりしていました。

――1万以上のRTと6万近い「いいね」の数でした。
ゆえさん 当初、上手くできているか心配で、Twitterにあげるかどうかも、とても悩んでいたんです。自分の想像以上の反響をもらいすごく嬉しかったですし、沢山のありがたい感想をいただけて自信を持てました。あとは、自分の絵のジャンルにアニメーションがあることを世間に伝えられたことも嬉しかったです。

――届いたコメントなどの中で多かったものや、どのような反応が印象的でしたか?
ゆえさん 「CMみたい」「ラムネが飲みたくなった」というコメントを多くいただきました。アニメに爽やかな曲をつけてくださる方がいたり、絵を通していろんなことを感じていただけたようで、わくわくしながらいろんな反応をみていました。

――ご家族やご友人からも何か反応などありましたか?
ゆえさん いろんな方から感想をいただいたんですが、主に学校の友達から沢山褒めてもらえて嬉しかったです。あとはアニメができた瞬間、一番に送ったのは母親で、今は一人暮らしをしているので遠くても自分の成果を見せることができてよかったなと思いました。

実際に暑い日にラムネを飲んで制作、透明感や夏らしさを感じてもらいたい

――そもそも今回のアニメーションを描くことになったのはどのようなきっかけだったんでしょう?
ゆえさん 実は、今通っている学校から夏のアニメを作ろうという課題をもらいまして。それがきっかけでこのアニメーションができたんです。

――そうだったんですね!ストーリーやキャラクターなどはどのように決まっていったんでですか?
ゆえさん 案は三つほどあり、とりあえず絵コンテをそれぞれ描いてみてから決めました。また、今回のアニメは「夏」がテーマなので、夏を邪魔しないような、主張しすぎない絵柄で普通の男の子のキャラクターを描こうと。

――なるほど。制作期間は2ヵ月ほどと伺いました。
ゆえさん 案出し、絵コンテ合わせて2日、実際に描いていたのが2ヵ月くらいですね。学校もあるので両立が大変でした…。締め切り前日からは細かいところを調節したかったのですが、思ったよりギリギリで、結局締め切り当日もまだ描いてましたね。

――特に思い入れやこだわりが強い部分、苦労したシーンは?
ゆえさん 思い入れが強いシーンは、全部です! ひとつひとつのシーンをどうやったら伝わるか、どんな印象を与えられるか考えながらやったので…その中でもラムネの描写は、透明感や夏らしさを感じてもらいたかったのでこだわりました。

――あのラムネ! 飲みたくなりました!
ゆえさん 実際に暑い日にラムネを買って飲んだりもして制作にあたりました。また、少年がラムネを買ったお店もなかなか納得のいく背景ができなくて…。懐かしさを感じてもらえるような雰囲気にしようと試行錯誤しました。少年の髪色も、夏の背景を引き立たせるために暖色系にしたところも、見ていただきたいポイントです。

――ご友人が音を付けてくれたそうですが、それはどのように実現したのでしょう?
ゆえさん 「頑張ったから誰かに見せたい!」と思って、とりあえず高校時代の友人に送ってみたんです。そしたら音が付いて返ってきて! すごく嬉しかったです。

――アニメーションは音の効果も大事なんですね。
ゆえさん 音がつくとこんなに見やすくなるのだと実感しました。自分のアニメの荒いところも、音が補ってくれて。作品の完成度が一気に上がるのを感じましたね。また、今回キャラクターに声はなかったのですが、いつか声がついたアニメも作ってみたいです。声がつくとまた違うんだろうなあ。

将来の夢は絵で食べていくこと「これからも色んなことにどんどん挑戦していきます」

――今回がアニメーションとしては初作品とのことですが、実際に作ってみていかがでしたか?
ゆえさん 初めてにしてはまあまあの出来なのではないかと。まだまだ満足はしてないですが。納得いかないところや荒削りな部分も沢山ありますし。でもこの作品を通して分かったこともあり、反省点が多い分、次回からはもっとすごい作品を作る自信があります。作品作りのきっかけは学校の課題ですが「これからもアニメを作りたい!」という思いが更に強くなりました。

――ゆえさんご自身はどんなアニメ作品がお好きなんですか?
ゆえさん 細田守監督の作品が全部好きです。特に『おおかみこどもの雨と雪』は小学生のころからずっと見ています。細田監督の作品を昔からよく家族で見ていて、幅広い年齢層が楽しめる作品ってとても魅力的だなあ、と。自分もそんな風に、大人から子どもまでみんなで楽しんで見てもらえる作品をつくっていくことが夢のひとつです。

――今回の投稿で制作活動に変化は?
ゆえさん 前から絵でお仕事をしたいと思っていたのですが、この作品をきっかけに、沢山の御依頼をもらうことができました。意外だったのが、自分は今までイラストで活動してきたので、アニメーション関連の依頼が多かったことにびっくりしましたね。
 
――最後に、将来の夢やこれから挑戦したいことを教えてください!
ゆえさん 将来の夢は絵で食べていくことです。更に言うと今はアニメーターを目指しています。今回の作品で実際に活躍されているアニメーターの方からも反応もいただけたことがすごく自信につながりました。アニメーター以外にも、イラストレーターもいつかやりたいし、漫画も描いてみたいし、MVとか音楽に関係した絵の仕事も憧れです。

――やりたいことが沢山ですね!
ゆえさん これからも色んなことにどんどん挑戦していきますので、少しでも自分の作品を見て楽しんでもらえたら嬉しいです!
【Information】
ゆえさんTwitter:@yuefuku1224

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