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「借金返さなきゃ」「シングルマザーで3人の子育ても…」コロナ禍で追い詰められるキャバ嬢 「時代を記したい」レディコミ作者語る使命感
ナンバーワンを目指さなくなったキャバ嬢たち
池田ユキオさん最終回が、東日本大震災が起きたときだったので、9年ぶりになりますね。当時とはキャバ嬢事情もずいぶん変わったので、改めて取材をしているところです。
──キャバ嬢事情が変わったとは?
池田さんまず見た目のファッションがぜんぜん違いますね。当時はまだまだ盛り髪の全盛期で、10センチくらい盛るのは当たり前で、今の子が見たら笑っちゃうかもしれません。今のキャバ嬢は、普通にいるキレイなお姉さんのような雰囲気です。ドレスもかつてと比べて上品な感じですし、かつてのようなド派手な格好をしてる子は見かけません。
──今は盛り髪をしないんですね、なぜファッションに変化が?
池田さん1つは、キャバクラ自体が普通のアルバイトとして浸透したこともあると思います。大学生の子も多いですし、別にナンバーワンにならなくてもそこそこ稼げればいい。卒業したら就職するんだし、そんなに気合いを入れてやるのもしんどいし、という思いもあるんじゃないでしょうか。
──ナンバーワンを目指さないなら、女同士のバトルもあまり起こらない?
池田さんそこも当時との大きな違いのようですね。先日も現役の子にインタビューしたんですが、「みんな仲良しだし、足の引っ張り合いなんてないですよ」と言ってました。無駄に喧嘩するよりもそのほうが仕事もしやすいし…と。私はわりとドロドロな人間関係も含めて、キャバクラという非日常な世界に面白さを感じていたんですがね。
──『胡蝶伝説』で描かれる世界にも変化がありそうですね。
池田さんもともと『胡蝶伝説』は、"キャバクラが舞台のスポ根漫画"として描いたんです。主人公が知恵と工夫と努力で、次々と現れる強敵を倒していくという構造ですね。だから当然バトルは多かったのですが、最新作では現代社会の状況と、それにまつわる個人の問題、そしてキャスト同士の絆に踏み込んで描きたいと考えています。