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ファミコン芸人フジタが選ぶ「大作に負けない! 隠れ名作ファミカセ」
『スーパーマリオブラザーズ』は左から右へ進めるだけで、戻ることができませんでしたが、『アトランチスの謎』は両方向に進め(戻ることも可能)、しかもどちらに進めばいいかわからない面もあった。当時として画期的だったと思います。
あと、面の数ですね。『スーパーマリオブラザーズ』は8ワールド×4面で32面だったけど、『アトランチスの謎』は100面。ただし、1画面しかない面や、実際に進むことのできない面があるし、ワープを使えば最短で7、8面でクリアできる。作りとしては雑だったと思います。全100面をうたっても、全部の面に行けるとはどこにも書いていないので、間違っているわけではないんですけど(笑)。とにかく『マリオ』の上を行こうという意識が感じられます。
実際にこのソフトは相当売れました。「日の目を見なかった」かと言われると少し違うと思うんですけど、「あのスーパーマリオを超えた!!」と謡いながら…と考えると、対抗したソフトがあまりにも大きすぎたという意味で選出しました。
個人的には、攻略本を見ずにワープのためにトライ&エラーを繰り返して、クリアしましたね。一度クリアしても、ゴールにたどり着くルートが複数あるので、何回も楽しんでいました。
周りではあまりやっている人がいなかったですね。僕は攻略本を見ながらクリアしましたけど、最後のボスの演出がめちゃめちゃカッコイイ。最後のボスとは、お互いの影同士が戦うというオシャレな演出でした。個人的には難しいけど面白い作品という印象です。
このソフトが日の目を浴びなかったその理由は、発売のタイミングにも原因があります。これが発売されたのが1988年3月末。その1ヵ月半前の2月に大ヒット作『ドラゴンクエストIIIそして伝説へ…』が発売されたんです。おかげで、当時の子どもから大人まで、『ドラクエ』に夢中になっていて…。大ヒット作というのは、作品の面白さだけじゃなく、発売のタイミングなどいろんな条件が重なって生まれるものだと思いました。
→次回は『めちゃくちゃ強かった敵TOP5〜RPG編〜』