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「リモートできない」コロナ禍で雑誌も広告もイベントもストップ、プロカメラマンの窮状
テレビや記者会見はオンラインでも成立、一方で決してリモートできないカメラマン
だが一方で、リモートで仕事をすることが難しいのが、写真を撮るスチールカメラマンである。雑誌や広告、WEBなどに掲載する写真を撮影することを生業とする彼らだが、撮影対象は人物、静物、風景など、多岐に及ぶ。とくにエンタテインメントやファッション、広告系の場合は、人物撮影を行うことが圧倒的に多い。人物を撮影する場合、撮影対象に近づく、また複数人の撮影対象同士を近づける、閉じた空間であるスタジオで撮影する、密集したイベント等で撮影する、などがある。まさに3密、ソーシャルディスタンスをとっていては、どうにも仕事にならないのである。もちろん、タレントの自撮りをそのまま雑誌等に掲載することは可能だが、人物グラビアやファッショングラビアとして見たとき、クオリティが遠く及ばないことは自明の理。ドラマの撮影がいっこうに進まないのも、同じ理由だろう。
タレントやライブ撮影が軒並みキャンセル、大手事務所もストップ
もともと、ここ数年で雑誌の休刊が相次ぎ、web媒体がそれに代わったことで、エンタメ系カメラマンの仕事は激減。媒体を介さず、タレント・アーティスト・イベント主催者側から直接請け負う「オフィシャルの仕事」がメインだったそうだ。
「有名タレントが所属する大手事務所では、4月初旬までは撮影があったものの、5月は一切行わないようです。他もおそらく同じでしょう。自粛期間中に芸能人が3密で撮影していたことがわかれば、世間から叩かれることもある。それだけに、どこも様子見なんだと思います。また、今後もしばらく、タレント同士を近づけた撮影はとてもできない。アイドルなど、メンバー同士が肩を組んだり密着したりする写真はファンから好まれていましたが、それも当分難しくなると思います。さらにライブやイベントは、それ自体がいつ解禁されるかもわからない。先が見えない状況です」。