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【独占インタビュー後編】田中みな実、女優も写真集もずっと断っていた「元々保守的で、悲観的になることも多い」
“アナウンサー”の仕事に対するプライドに変化「女子アナは演じている」
田中みな実フリーになって3年ぐらいは、タレントさんとして扱われることに違和感があって、アナウンサーの仕事にこだわっていたんです。事務所にも、MCやラジオ、ナレーションの仕事をやりたいと伝えていました。お芝居のお仕事も写真集のお話もずっとお断りしていました。
――その思いが変わるきっかけはあったんですか?
田中みな実局アナ時代は好きなメイクがある程度決まっていて、ほとんど変えることがなかったんですけど、フリーになってから女性誌の企画で、全く違う自分を見た時にハッとしました。メイクさんやスタイリストさん、プロフェッショナルのみなさんに、可能性をたくさん引き出していただいて。“これは私には似合わない”、“あれは嫌”とあれこれ決めつけていましたが、それでは一つも成長がないと気付けました。
――新しい自分に出会えて、意識が変わったんですね。
田中みな実それはあると思います。写真集にしたって、昔だったら丸ごと1冊自分なんて考えられなかったです。元々の性格は保守的で。でもこの1年、食わず嫌いせずに求められたことに最大限応えていたら、すごく良い結果がもたらされたんですよね。周りの方が「向いてると思う」って言ってくれる自分を受け入れると違う一面が見えてくるのかなって、すごく勉強になった1年でした。
田中みな実日本語のプロフェッショナルで、あらゆる人の立場に立って発言ができる人、でしょうか。例えば、「今日は晴れています」という情報を伝える際、「晴れてよかった!」というニュアンスを込めすぎると、雨が降らなくて困っている農家さんはどういう気持ちになるかな…とか。自分勝手にならないように、フラットに、確かに伝えることが求められているのかなと思います。
――専門職として、求められるスキルがたくさんあるんですね。
田中みな実そうですね。アナウンサーという職業は、すごく周りが見えている人が多い気がします。求められた役割を理解して、ある種演じている人も少なくないと思う。だから、生き方や立ち回りが“あざとい”などど言われることがあるんだと思います。
――みな実さんにとっても、局アナ時代に得た技術はきっと今に生きているんですよね。
田中みな実もちろんです。きちんと教えていただいたからこそ今の自分があると断言できる。私の掛け替えのない財産です。でも、技術は使っていないと衰える一方です。これからもアナウンスメントの技術を磨きつつ、大切にしていきたいと思っています。