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『きかんしゃトーマス』原作75周年で女児機関車が続々登場 “鉄道好きは男子のみ”を覆す施策

 2020年で原作誕生から75周年、日本でのテレビ放映開始から30年となる子ども向け人気コンテンツ『きかんしゃトーマス』。2018年のシリーズ以降は、これまでの舞台だったソドー島を飛び出して世界各国を周りつつ、新たなキャラクターも続々と登場している。ジェンダーバランスを意識した“女の子機関車”や、多様な国々出身のキャラクター登場には、どのような意図があるのか。日本でのマスターライセンスを保有するソニー・クリエイティブプロダクツの西岡敦史さんに話を聞いた。

トーマスの世界にも「ジェンダー平等」の波 多様性感じさせるヒロイン

――ここ最近の『きかんしゃトーマス』には、イタリア出身のジーナ、ケニアのニア、インドのアシマ、イギリスのレベッカなど、女の子の機関車が続々と投入されていますね。

西岡さんイタリア美女のジーナは、まもなく公開予定の最新作『映画 きかんしゃトーマス チャオ!とんでうたってディスカバリー!!』でヒロインという目立ったかたちでトーマスの横に並んでいます。
――物語の舞台も、これまでソドー島というひとつの島をメインにしていたところを、トーマスたちが世界各国をめぐるというスケールアップした内容になっています。

西岡さん実は以前から、毎シリーズのように女の子の機関車が少しずつ登場してきたり、人間のキャラクターも含めて、より多様な世界市場を意識したりした展開は続いていました。その振り幅が明確に大きくなったのは、2018年に国連とコラボしてからです。未来を担う子どもたちに、地球を守るために定めた世界目標「SDGs」(エスディージーズ)のメッセージを盛り込む内容で、ちょっと難しいテーマを、子どもたちだけでなくその保護者にもわかりやすく伝えるアンバサダー的な役割です。主に世界180以上の地域で放送され、愛され続けているトーマスはぴったりだったということでしょう。

――子どもたちにとっては、登場キャラクターが増えて多くの世界が舞台になって楽しそうです。

西岡さん新しいキャラクターの登場や、世界観の広がりは、シンプルにビジネス上のメリットもたくさんあります。世界中を旅する設定となったことで、描写される背景などの映像もバリエーションが増え、子どもたちにとっても単純に楽しく、新鮮なものになっていると思います。もちろん、玩具やアパレルなどの関連商品の展開にも良い影響が出ている。映像の内容自体は、テーマ選定を含めて、現在はアメリカのマテル社が行っています。もちろん、各国のライセンシーから随時ヒアリングを行いながら、様々な展開を決定している。実際に制作スタートする数年前から企画は動いているので、私たち日本サイドとしては、こういうシーン、こういうキャラクターがほしい、といった要望は常に出しています。
――日本出身の機関車といえば、黒いボディがかっこいい「ヒロ」ですね。

西岡さんヒロは、我々の働きかけで誕生したんです。日本での放映が1990年からスタートして、我々がマスターライセンスを扱えるようになったのが91年からなのですが、それからオファーを投げ続け、ようやく2010年頃にヒロが誕生しました。じつに20年ほどかかったわけです(笑) 劇場版とテレビシリーズに同時に登場し、以降も時々はシリーズに登場していますが、とにかくヒロは人気があります。人気アンケートでは常に2位、3位あたり。ですから、日本を舞台にしたストーリーの提案も続けていますし、次の日本出身キャラクターもぜひ、と要望し続けているんです。

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