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若者に人気急上昇中の“そしゃく音”動画 元祖はソーセージの“パリッ音”?
“音フェチ”にはたまらない「ASMR」 心地よさと不快ギリギリのラインが賛否分ける
「ASMR」の中でも人気を集めているのが、そしゃく音動画だ。麺をすする「ズルズル音」やピクルスをかじる「ムシャムシャ音」など、食感を味わう音だけが詰まっており、“音フェチ”にはたまらない動画だという。またYouTuberの口元がアップで映され、ひたすら食べている映像が流れるなど、視覚でも楽しめる作りに仕上がっている。
だが、そしゃく音を不快に感じる人も多い。例えば、テレビCMで女性が豪快に食べるシーンに対し、「食欲をそそる」との声がある一方、「そしゃく音が不快」、「食べ方が下品」といった批判もあるという。現に「ASMR」のそしゃく音動画に対しても、「気持ち悪い」、「ゾクゾクしちゃってどうも苦手」との意見が寄せられている。いかにして不快さをなくすことができるのか、そしゃく音動画における表現方法の模索は続く。
皮の歯ごたえを伝えるため“パリッ音”採用 五感で食事楽しむ日本人にマッチ
「開発当時は、皮なしや赤ウインナーなど皮がやわらかいものが多かったのですが、『シャウエッセン』は本場ドイツの製法にならい、羊の腸の皮(ケーシング)を使用し、原料の選別から加熱の調整など、相当数の施策を重ねて開発したので、とても弾力感のあるソーセージに仕上がりました。この皮の歯ごたえをどのように消費者に伝えるべきか、考え出された結果が“パリッ音”でした。日本人は五感で食事を楽しむ文化があります。また日本は他国と比べて擬音語が豊富なので、“パリッ!!としたおいしさ”という表現での訴求が分かりやすく、共感を生んだものと考えられます」
「とにかく楽しい雰囲気を出そうと、当時日本にいらしたドイツ人の方々を、ドイツ風のお店に招き、自由に食べて飲んでいるさまを撮影したと聞いております」
また『シャウエッセン』は、ソーセージの調理法にも一石を投じる。「日本では、ソーセージは焼くのが主流でしたが、ドイツではボイル(ゆでる)して食べるのが一般的。そこで、『シャウエッセン』では、ボイルして食べることを全面に押し出して、広告を展開してきました。実際ボイルした方が、羊腸が張りつめて、ひときわ高く“パリッ音”が際立つようになるんですよ」
1990年代には、歌手の久保田利伸を起用したCMを展開。久保田がこわもての外国人に絡まれるも、『シャウエッセン』を目にすると一転。プチパーティーを開いて一緒に楽しむというストーリーは、当時話題となった。
今年は和牛を起用 『シャウエッセン』を使った「ASMR」も増加中
比恵島氏は、「今年は発売35年目にして、レンジ調理も解禁するなど大変革を遂げてきました。今後も“パリッ音”をベースに、『シャウエッセン』で新たな挑戦ができればと考えています」と語っている。