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アジアのコスプレ需要増 福岡の地方都市が仕掛けるインバウンド

「NEXT COSPLAYER IN ASIA 2019」プロジェクトに参加している海外コスプレイヤー

「NEXT COSPLAYER IN ASIA 2019」プロジェクトに参加している海外コスプレイヤー

 近年、人気コスプレイヤー・えなこや、ハロウィンの盛況もあり、すっかり市民権を得たコスプレ文化。アジア圏でも、日本のアニメ・漫画キャラクターに扮するコスプレ文化は盛んだ。そんな中、人気コスプレイヤーたちが参加する「NEXT COSPLAYER IN ASIA 2019」プロジェクトが発足。福岡県・鞍手町にある撮影スタジオ「くらて学園」を舞台に、海外の観光客やコスプレイヤーをターゲットにした地方創生インバウンド事業だ。本プロジェクトを手がける伊野宗雄氏に、その狙いや、アジア圏のコスプレ重要について話を聞いた。

“消滅可能性都市”から、「廃校サミット」成功例へ 福岡県・鞍手町の地方創生モデル

 本プロジェクトは、アジアを中心に活躍している海外のコスプレイヤーと日本のコスプレイヤーとが協力し、「くらて学園」オリジナルキャラクターによるバーチャルYoutuber活動、写真集の制作、コスプレイベントなどを、メディアミックスで展開している。

――「くらて学園」とはどういったところなのでしょうか?
伊野氏福岡県に鞍手町という地方都市がありまして、消滅可能性都市、県内1位になってしまったこともあるくらい過疎化が進んでいる町です。その鞍手町で廃校になった学校があり、何か有効活用出来ないかということで、「くらて学園」という架空の学園として撮影スタジオを作り、コスプレイヤーたちを集めようというプロジェクトが、4年ほど前にスタートしました。コスプレイベントを定期開催しており、年間で、数千人くらいの人たちが訪れるようになりました。それが福岡で話題になり、地方創生の成功モデルとして脚光を浴びました。

――「くらて学園」オリジナルキャラクターは、どのように誕生したのでしょうか?
伊野氏本来、コスプレイヤーさんはアニメや漫画のキャラクターに扮する形ですが、今回はその逆で、プロジェクトに参加しているコスプレイヤーさんをモデルに、キャラクラーを作りました。

――本プロジェクトに参加しているコスプレイヤーは何名いますか?
伊野氏現在、21名います。アジア圏から14名、日本からは7名です。

 アイドルグループのミュージックビデオのロケ地として使用されるなど、CMやMVでの使用例もあるという「くらて学園」。廃校の有効活用を目指した「廃校サミット」の成功例とも言われている。「とてもアットホームな場所」(ななぴんくさん)、「コスプレ活動には欠かせない場所」(仁成さん)、「自然な風景が沢山ある場所」(しうさん)という声もあり、九州のコスプレイヤーたちにとっては重要な場所であることが伺える。

若い世代が増えている東南アジア、コスプレ需要の高まりは必然?

 カンボジアの首都・プノンペンで開催されているコスプレイベントのスポンサーを務めたこともあり、実際に現地のイベントに参加したこともあるという伊野氏。日本とアジア圏のコスプレ文化の捉え方には、どのような違いがあるのだろうか?

――日本とアジア圏でのコスプレ文化の違いは感じますか?
伊野氏あくまでカンボジアでの話ですが、スポンサーを務めたそのコスプレイベントのレイヤーさんは、男性の方が多かったように思います。日本は女性の方が多いと思うので、違いはそこですかね?

――アジア圏での“コスプレ需要”の高まりは感じますか?
伊野氏高まりつつあるんじゃないでしょうか? カンボジアのイベントも、最初は200人くらいでスタートしましたが、今は1800人も来ています。また、子どもがすごく多いのが、日本とは決定的に違うところです。これからの国、という勢いを感じます。コスプレをしているのは若い世代が多いので、単純に母数が増えているので盛り上がる。経済的にも豊かになってきており、日に日に物価が上がっているという実感もあります。

 本プロジェクトに参加しているアジア圏のコスプレイヤーたちにも、日本とアジア圏でのコスプレの捉え方の違いについて話を聞いた。

「日本のコスプレイヤーさんは、手作りの服や道具の完成度が高いと感じます。また、日本のコスプレイヤーさんはコスプレスタイルに多様性がありますが、香港では一つのスタイルで通す方が多いです」(Hisuiさん【香港】)

「台湾は日本よりコスプレに対するルールが少ないです。例えば、日本のコスプレイベントではコスプレ出来る場所が決まっていますが、台湾では特にありません」(OKITA RINKAさん【台湾】)

「インドネシアでは、まだコスプレに対して偏見があると思います。しかし、2012年頃から、コスプレイベントがインドネシアに入ってきてコスプレイヤーの数は劇的に増え、市民権を得てきたと思います」(PUNIPUNさん【インドネシア】)

税金を使わない地方創生が旗印 ポップカルチャーを軸にしたインバウンド需要を喚起

 日本最大級のコスプレイベント「世界コスプレサミット」などでも、インバウンド事業が展開されている。伊野氏は、大規模なプロジェクトではないが故に出来ることもあると語る。

――本プロジェクトならではの取り組みはありますか?
伊野氏今回のプロジェクトは鞍手町と一緒に取り組んでいますが、町に理解があり、割と自由度高く活動させて頂いてます。フットワークの軽さでは負けません。また、税金を使わない地方創生モデルというのを旗印にしており、町の予算は使っていません。海外のコスプレイヤーも含め、コスプレイヤーさんがやりたいことを、我々が実現していこうというところに軸足を置いているので、ニッチなニーズを吸い上げることが出来るというのが強みでしょうか。

――本プロジェクトで、海外からの観光客は増えると思いますか?
伊野氏参加コスプレイヤーはアジア圏の方が多く、全フォロワーを足すと300万人弱います。ただ、インバウンドといっても東京や大阪などの主要都市ではない地方は、まだまだ成功しているとは言えません。鞍手町にインバウンドで人が来てるかと言ったら、おそらくコスプレイヤーさん以外は、まだまだですが、今回のプロジェクトで、鞍手町に、アニメ、漫画、コスプレ好きの人たちを、アジア圏から呼び込むことが可能ではないのかと思っております。ポップカルチャーを軸にしたインバウンド需要を喚起していきたいです。

――本プロジェクトのゴールはどこに設定しておりますか?
伊野氏今は想像できませんが、「くらて学園」のオリジナルキャラクターが独り歩きして、その中からスターが出てきたら嬉しいです。鞍手町で成功したら、どんな地方都市でも絶対成功すると思います。

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