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ORICON NEWS
雑誌『ムー』までも…「しまむら」の“ニッチ過ぎるコラボ”は「しまパト」の次の一手となるのか?担当に聞く
アニメ、漫画、雑誌、プロレス、アイドル… 何でもありのコラボ商品
そんなしまむらの最近の特徴は、ニッチなコラボ商品。過去にはポーチや財布で有名なハリスツイード、ディズニーなどのキャラ物、『PSO(ファンタシースターオンライン)2』や『刀剣乱舞』といったゲーム、アニメの『KING OF PRISM』や『ポプテピピック』、新日本プロレス、マンガ誌の『モーニング』や『コロコロコミック』、アイドルグループの『仮面女子』などがある。
今年展開したコラボだけでも、『けものフレンズ』、『シンデレラガールズ劇場』、『96猫』、『初音ミク』、『猫のぽんた』、『鬼灯の冷徹』、『ムー』、『ハイキュー』、『HIKAKIN・SEIKIN』、『ジョジョの奇妙な冒険』といった具合で、実にジャンルレスというかニッチというか、統一感がないラインナップとなっている。しかし、こういった統一感の無いコラボを展開しているからこそ、次のコラボへの期待感は高いのではないか。
結果が伴わないことも…重要なのは“しまむら”ならでは、SNSも上手く活用
中でも目を引くのが『ムー』とのコラボ商品。『ムー』と言えば、UFO(未確認飛行物体)ありUMA(未確認動物)あり、オーパーツに心霊もありといった、来年創刊40周年を迎える、世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリーマガジン。「昨年の夏、たまたま『ムー』のTシャツを着た若者を街で見かけ、世代を超えて認知度があるコンテンツではないかと思い、すぐにジャージ上下セットにして今年の春に展開したところ、大きな反響となり即完売。再販してほしいとの要望も多かったため、パーカーやTシャツ、ハーフパンツと服種を広げて夏に大きく拡大展開しました」(広報担当者)ということで、まさかの大ヒットを果たしたのだ。一見、しまむらとは無縁の存在にも思えるが、それを形にしてしまうあたりに、しまむらの気概を感じる。
コラボ商品で重要視されているのがデザイン性で、「ただ、キャラクターをプリントするだけのシンプルな仕上がりも大切ですが、しまむらならではのデザイン性も重視しています。夏に展開したWEB漫画『猫のぽんた』とのコラボでは、ぽんたになりきるパーカーを販売し、『猫のぽんた』が好きなお客様のみならず、パーカーのデザインが可愛くて購入されたお客様も多い状況でした」(広報担当者)とのこと。さらに「ご満足いただける『しまむら安心価格』」(同)も強みとしながら、人気コンテンツとコラボすることで「今まで来店されたことのないお客様、新規顧客の開拓」(同)を見据えているようだ。
また、“お客発”のムーブメント「#しまパト」以来、ネット・SNSを上手く活用するのもしまむらの強みで、「人気YouTuberのHIKAKINさん、SEIKINさんとのコラボTシャツは非常に人気でした。ご本人たちが考えたデザインTシャツやパンツを、ご本人たちのYouTube公式チャンネル内で宣伝していただいた効果も大きかったと思います」と広報担当者も語っている。
ZOZOTOWN店開設も 「店舗でしか買えない」という強みをあえて放棄
前述のように、「店舗でしか買えない」というある種の強みもあったが、「現在1,419店舗を展開していますが、お住まいの近くに店舗がない地域もまだあります。また、仕事などの都合で営業時間内のご来店が難しい方もいらっしゃいます。このような、来店したくてもできなかった方に向けてECという形でしまむらの商品をお届けできればと考え、開始しました」(同)と、次なる展開に乗り出している。
コラボ商品ならユニクロをはじめ他のショップでも販売しているが、たとえコラボ先のファンではなくても、「そこ狙ってくるか!?」「一周まわって逆に欲しいかも」と思わせてくれるのが、しまむらのコラボ商品なのだ。
若干、ニッチすぎる感もあるが、今後のコラボ予定について広報担当者に聞くと、「ご期待ください!」とのこと。今後もしまむらは、ファンのみならず一般層、もしくはマニア層をもあっと驚かせるコラボ商品を提供してくれそうである。