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ORICON NEWS
アイドル×プロレスの高い親和性が、双方業界の起爆剤となる可能性
ネットで炎上も辞さない! AKB48による本気のプロレス愛
前回の試合で不公平なレフェリーに苦しめられ、「納得のいく試合ができてない」「光浦は絶対に許さへん!」と語った横山。試合終盤には横山が光浦の顔面に5連発のキックを叩き込み、痛みで光浦が泣き出すという事態に。この行為に「やりすぎ」「さすがにひど過ぎ」「最低」という声もSNSで上がり、横山への批判の声が集まる結果に。しかし、一見危険な顔面キックだが、光浦の体制が整うまで待ってから繰り出しており、「2人の間に信頼関係ができていないとできない」というプロレスファンからの見方もあった。
ラストは番組への想いをマイクパフォーマンスで光浦とその関係者が繰り広げると、ヒールの3人が感極まって泣き出し、最終的には光浦と抱擁するという展開に。ドラマチックな展開にもっていくために、AKBの3人は見事“プロレスらしいヒール役”に徹したということが分かった。ちなみに横山はこの日のTwitterで「本当に感動しました。最終回前にこのような機会をくださって、ありがとうございました!!」と感謝の気持ちを述べている。試合で横山が見せた5連発のキックは、光浦への尊敬の念と信頼の元、繰り出されていたのだ。
プロレス業界に一石を投じた48アイドル出演の『豆腐プロレス』
『豆腐プロレス』はドラマが終わった後もリアルイベントが開催され、第1回目は後楽園ホールで開催。2018年の2月23日に行われた第2回目はドラマ出演メンバーの他にも、NGT48の“アクロバットアイドル”加藤みなみが「バトンかとみな」として登場するなど、全国の48グループから若手の有望株も選抜された。第2回目は前回の盛況ぶりから会場の規模を拡大。前回覇者のハリウッドJURINAの地元で開催し、会場のボルテージは第1回目を上回った。
2012年にカードゲーム会社の『ブシロード』が新日本プロレスの親会社となったことをきっかけに、再ブームを巻き起こした男子プロレスだが、女子プロレスといえば依然として運営は厳しいまま。そんな状況に松井珠理奈は昨年末に『東スポ・2017年度プロレス大賞』で特別賞を受賞。Twitterなどを使いプロレスの魅力を発信し、女子プロレスへの理解度を高めたことを評価されたためだ。『豆腐プロレス』の成功は女子プロレス界に一石を投じたと言えるだろう。
アイドル×プロレスの高い親和性は過去にも実証済み
90年代後半から2000年代には『めちゃイケ』でも女子プロレス企画『格闘女神MECHA/めちゃ日本女子プロレス』を実施。めちゃイケメンバーと、嘉門洋子や矢沢心、堀越のり、小池栄子、吉岡美穂、佐藤江梨子、安めぐみなどグラビアアイドルからタレントが出演するまでに広がり、彼女らがプロレスという手荒い洗礼を通ってブレイクしていく“めちゃ女神話”なるものも生まれていった。ほかにも愛川ゆず季や赤井沙希のようにグラビアアイドルから本格的に女子プロレスラーに転向するパターンも。また、先述の松井珠理奈は過去に「アイドルとプロレスの共通点は?」という質問に対し、「楽しいこともたくさんあるけど、辛いことも悲しいこともあって、たくさんの人に応援してもらって、みんながいるから立ち上がれる。そういったところが似ているかな、と」と語っている。
過去にも秋元康は“女子プロレス”に着手した経歴が、本格参入も現実的??
現在、グループアイドルが長寿化の傾向にあり、新たなファンの入り口となる派生展開はやり尽くされ、ある意味頭打ちとなっているのも事実。そこで考えられる新たな展開の一つが女子プロレスではないか。メンバーがファッション誌のモデルや女優として活躍するのと並列の選択肢の一つとして“プロレス”の可能性だ。実は秋元康氏は過去、女子プロレスに関わった経歴がある。『プロレス版おニャン子クラブ』をコンセプトとして1986年に旗揚げした『ジャパン女子プロレス』に秋元康氏がアドバイサーとして就任。アイドルレスラーとして人気を博したキューティー鈴木の名付け親も秋元康氏だ。しかしながら、『ジャパン女子プロレス』は約5年で解散に至る。今の48グループの女子プロレス参戦は、その時のリベンジという意味合いもあるかもしれない。
そこで肝心なのがアイドルたちの女子プロレスラーとしての技量だが、『豆腐プロレス』のコーチ陣にはミラノコレクションAT、下田美馬、新井健一郎、松本浩代の名があり、本気で指導を受けているのが伺える。これにはアイドルには興味のない、純粋なプロレスファンも唸るしかないだろう。これだけのプロレス界のレジェンドの指導に耐え抜いていることを考えれば、彼女たちがドラマやバラエティで見せるクオリティにも納得がいく。彼女たちの本気度は先述の『めちゃ×2イケてるッ!』で光浦へ横山がかました5連発キックの際に示された阿吽の呼吸の通りだ。そんな48グループの本気の“アイドルプロレス”が新たなファン生み出すのか、次の展開を見守っていきたい。