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“若手の登竜門”だけじゃない 『朝ドラ』の汎用性とは?

 2018年後半期のNHK連続テレビ小説(通称・朝ドラ)『まんぷく』のヒロインが、安藤サクラ(32)に決定し、「史上初のママさんヒロイン」として大きな話題を呼んでいる。朝ドラのヒロインと言えば、最近では有村架純や永野芽郁、波瑠などさまざまな若手女優を輩出しており、「朝ドラヒロイン=若手女優の登竜門」という印象が日本の国民には刷り込まれている。今回ヒロインに選ばれた安藤自身でさえ、出産後わずかで朝ドラヒロインを演じるのは無理だと諦め、「(オファーが来たのに断るのは)すごく悔しかった」と記者会見冒頭で涙を見せた。だが、朝ドラは安藤のような中堅女優が飛躍する場でもあることは事実なのである。若手の登竜門イメージとはひと味違う、確かなキャリアを積んだ女優たちが演じる朝ドラの魅力とは?

波瑠、土屋太鳳、有村架純、のんなど…“ザ・若手女優の登竜門”として近年定着

 現在放送中の朝ドラ『わろてんか』のヒロインを葵わかなが演じていることからも、“ザ・若手女優の登竜門”という朝ドラヒロインのデフォルトは、放送開始時期からいまだ健在であることは間違いない。一期前の『ひよっこ』主演の有村架純も、『あまちゃん』(2013年)に出演してブレイクした後に、今度はヒロインとして再登場した形になる。

 そのほか、高畑充希や芳根京子、波瑠、土屋太鳳など今をときめく若手女優も、朝ドラ出演後に全国区で知名度を上げたパターンを踏襲している。さらに言えば、『ひまわり』(1996年)の松嶋菜々子や『あすか』(1999年)の竹内結子、『てるてる家族』(2003年)の石原さとみも“朝ドラ後の大ブレイク組”と言ってもいいだろう。

“完全ブレイク後の朝ドラ主演”というフォーマットも! 作品に厚みをもたらす経験豊富な女優の起用“完全ブレイク後の朝ドラ主演”というフォーマットも! 作品に厚みをもたらす経験豊富な女優の起用

 しかし一方で、今回の安藤サクラと同様、中堅女優がヒロインとして作品に登場するパターンも少なくない。たとえば、2011年の『カーネーション』(2011年)には尾野真千子(当時30)、2006年の『芋たこなんきん』には藤山直美(当時43)が出演しているし、ほかにも吉高由里子や杏、堀北真希、井上真央、松下奈緒、さらにさかのぼれば1992年『ひらり』の石田ひかり、1991年『君の名は』の鈴木京香など、すでに主演女優としての地位を確立し、大河ドラマにも数本出演しているような経験豊富な女優も朝ドラのヒロインとして活躍してきたのだ。

 中でも、井上が『花より男子』(TBS系/2005年)の6年後に『おひさま』(2011年)に、堀北が『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系/2005年)や『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』(フジテレビ系/2007年)のだいぶ後に『梅ちゃん先生』(2012年)に出演しているように、若手女優の“完全ブレイク後の朝ドラ主演”という別のフォーマットもでき上がっていると言ってもいいかもしれない。

 ただ、今回の安藤のように、いわゆる“個性派”女優、“演技派”女優がヒロインとなった例はそれほど多くない。先述の藤山直美や、1992年の泉ピン子(『女は度胸』)、1990年の山本陽子(『京、ふたり』)などがそうだろうが、朝ドラ史上(日本のドラマ史上)最高視聴率を獲得した『おしん』(1983年)では、ヒロインの少女期こそ小林綾子(当時11歳)が超人気を博したが、青年期は田中裕子、中年期以降は乙羽信子といった演技派・実力派女優が演じていた。

 藤山は、単独主演では今でも朝ドラ史上最年長記録で当時47歳。ヒロインのオーディションはなく、いしだあゆみや田畑智子など朝ドラのヒロイン経験者4人が出演し、若手ヒロインはいなくても朝ドラファンにはたまらない魅力となり、話題に。泉は桜井幸子とのダブルヒロインで、当時はまだアイドル歌手のイメージを拭いきれなかった桜井を支え、その甲斐あってか桜井は翌年、ドラマ『高校教師』(TBS系)に観月ありさの代役として主演すると大ブレイク。山本も同じく畠田理恵とのダブルヒロインを務め、畠田もその後に女優として活路を開いた。『おしん』の乙羽にしても、第3部からを円熟したベテン女優が演じたことで壮大なストーリーに厚みが増し、1部2部の若手女優には箔さえついたのである。こうした実力派・個性派女優の朝ドラ主演は、若手女優の成長を支え、助けたという意義においても評価されていいだろう。

「悔しいなと思った」 一度は諦めた朝ドラの夢に挑戦する安藤の並々ならぬ決意

 そういった意味でも、朝ドラヒロインの“少数派”に属するとも言える安藤のヒロイン起用には期待感が募る。安藤自身、朝ドラに「すごく憧れていた」とは言え、出産後間もない時期のオファーだったため「子どもを育てるのが第一。ものすごく悔しいなと思った」と断ることも視野に入れながら散々悩んだと言うが、芸能一家(父・奥田瑛二、母・安藤和津)である家族にも「何でやらないの」と言われ、最終的には「できるかもしれないよ。考えてごらん」(夫・柄本佑)、「やりなさい。やらないんだったら仕事辞めちゃいなさい」(義母・角替和枝)との言葉に背中を押される形でオファーを受けたことを明かしている。

それだけに、今回の安藤の決意にも意気込みにも並々ならぬものがあるようだ。『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)など、多数のドラマ作品で視聴者に“刺さる”演技を見せてきた安藤サクラ。今作では、これまでの若手女優のヒロインにはない、若手実力派女優の“凄み”のある“骨太”な演技に期待したいものである。

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