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高畑充希 新春インタビュー『新品のスポンジに替えてたくさん吸収したい』

2016年はNHK朝ドラ『とと姉ちゃん』の主演をはじめ、これまで以上にエンタテインメントシーンでの存在感を放っていた高畑充希。数多くの舞台に立ち、これまでにも経験を積み重ねてきている高畑が、大作主演が増えている現在の自身のポジションと女優業への向き合い方、2017年に向けての新たな気持ちを語ってくれた。

朝ドラヒロインで気づいた受け身に徹する主役の難しさと大事さ

――高視聴率をキープしていたことでも話題になっていましたが、半年間の朝ドラ『とと姉ちゃん』出演を経て、身の周りで変わったことはありました?
高畑充希「忙しいでしょう?」と言われるようになりました(笑)。でも実際、あまり忙しさは変わっていないかもしれません。とくに、ここ3年は怒涛のように時間が過ぎていきました。

――ひとりの女性の一代記を演じる朝ドラでは、今までの作品になかった感触も?
高畑充希単純にスケジュールがすごくて(笑)。演じることももちろん大事ですけど、ドラマで初座長だったので「現場を良い空気に」というのを一番気にしていました。私、そんなに明るくないので(笑)。風通しが良い現場になればと思いました。無理に我慢して「平気です」とは言わず、疲れたときは共演者とふざけたりもして。

――キツい時期もありましたか?
高畑充希ありました。「こんなキツいことは一生ないかも」というぐらい。でも、ヒロインはみんなそうだったと思います。体や心を削りながら挑戦する作品だと思います。
――高畑さんの場合、キツさはどんな形で出たんですか?
高畑充希台詞をただ覚えてしゃべる自分が悲しくなりました。台本5冊分ぐらいを一気に撮っていて、前後もバラバラで、たとえば居間での食事シーンをまとめてガーッと撮ると、自分が何をやっているのかわからなくなるときがあるんです。考える時間が作れず、台詞が自分の体を通る前に、途中で口から出ていく感じ。でも、出さなきゃ進まない。自分に対するストレスがすごくありました。朝ドラヒロインは、強くなるための修行でしたね。

――女優として、何か新たな扉が開いたような感覚もありました?
高畑充希受け身に徹する難しさと大事さを知りました。私は映像ではあまり主役をやったことがなくて、3番手や4番手のときは自分の持ち球を全力で投げていて。それが朝ドラのヒロインだと、個性的な役者さんたちが私にどんどんボールを投げてくるんです。そこで受けることに徹するのはとても難しくて。

――主役は引っ張るイメージがありますが、受け身なんですね。
高畑充希いろいろな人がいろいろな球を自由に投げてくるのを、ただ受けるもどかしさと大切さ。自分も受けてくれる人がいるから投げられたんだと、当たり前のことに気づいて、主役ってすごい仕事なんだなと思いました。

――つい自分から投げたくなるとか?
高畑充希受けるより投げるほうが今まで多かったので。でも、どっちもできる人になりたいと思いました。今やっているミュージカル『わたしは真悟』でも、キャラが立った役というよりは受けに徹する役で。すごく難しいけど、朝ドラでの経験が生きている気がします。

周りの環境が変わっていくなかで自分が変わらないこと

――その『わたしは真悟』は1月に東京公演があり、4月にも舞台『エレクトラ』に出演されます。朝ドラ終了後のヒロインは勢いに乗って民放の連ドラに出ていくパターンが多いようですが、高畑さんは次が舞台になったのはご自身の意向ですか?
高畑充希私が希望しました。朝ドラをやる前からお願いしていて。舞台はずっと出続けていて、1年も間が空いたことがなかったので、朝ドラが終わったら絶対に舞台をやりたくなると思って。

――朝ドラヒロインを経ても、以前に話されていたように「ホームは舞台」という想いはありますか?
高畑充希もちろんあります。自分自身が舞台ファンだから。映画やドラマより、舞台を観るほうが多くて。好きだから観たいし、やりたいだけなんです。あと、自分の周りの環境が変わっていくなかでも、舞台は稽古場に入れば平等。主役とか関係なく、みんなで力を合わせて作る。そこがすごく好きなんだと思います。
――『わたしは真悟』では小学生役ですが、舞台だと違和感なく?
高畑充希衣裳や小道具に助けられて、あまり考えすぎないようにしています。小学生感を出しても、大人ががんばってやっているだけにしか見えないし。ランドセルは久しぶりで、固いなと思いました(笑)。

――このお話はおもしろそうですけど、自意識を持ったアームロボットが中心にいて、ミュージカルでどう表現するんだろうと。
高畑充希私も謎でした。海外の演出家さんと組むのも初めてで。なので、飛び込んでみようと。フィリップ(・ドゥクフレ)さんはもともと振付家で、独創的な身体表現が圧倒的に多くて、映像の使い方も独特。舞台の上手でミュージシャンがピアノにオープンリールを引っ張って演奏している光景も異様です。私自身は作品のパーツのひとつみたいな感覚で、新しい経験ができています。

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