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高畑充希 新春インタビュー『新品のスポンジに替えてたくさん吸収したい』

同世代女子との共演でエネルギーをもらって想像より先に行ける

――門脇麦さんとのW主演で、同世代で実力のある女優さんとの掛け合いは刺激になります?
高畑充希めっちゃ楽しいですね。通じ合える人とお芝居するのは。自分ひとりで行けるところは知れていて、相手がいてエネルギーをもらって返すことで、想像より先まで行けます。とくに同世代女子とやると刺激を受けるんですけど、そういう作品って意外に少なくて。でも、月9の『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』とか昨年の『問題のあるレストラン』(ともにフジテレビ系)とか、ここ最近は同世代と絡む作品が続きましたね。

――『問題のあるレストラン』の二階堂ふみさんとやり合うシーンは緊迫感がすごくて。剣の達人同士が立ち合うような空気も感じましたが、役者として勝負する意識も?
高畑充希それはないです(笑)。作品が良くなるのが一番だから、勝負してる場合じゃない!って。ふみちゃんとああやってガッツリやれたのは本当に楽しかったです。『わたしは真悟』では、私と麦ちゃんは愛し合ってる役なので、それぞれの役に徹して、いかにふたりでいい空気を作っていけるかですね。麦ちゃんとはこの舞台のあとも「また何か一緒にやりたいね」と話してます。単館向けのロードムービーとか共同生活モノとか。

――それはおもしろそう。4月の『エレクトラ』はギリシャ悲劇で、重厚感ある作品ですね。
高畑充希古典舞台は一度は通らなきゃいけない道なので、「来たか」と思いました。もともと私は15歳の頃から白石加代子さんに憧れていて、それを覚えてくださっていた白石さんが直接声を掛けてくださったんです。そこで「やります!」と言ってしまって、その後に作品が決まって「ヤバイのが来たな……」と(笑)。ギリシャ悲劇なんて思っていなかったので。
――もう台本は上がっていて?
高畑充希はい。読んで白目になりました(笑)。ほかの人がやるとしたらかわいいそうと思うぐらいのセリフ量で、ずーっとしゃべっていて、ずーっと恨んでいて。恐ろしいですよ(笑)。でも、きっと「ここでひとつ壁を越えろ」ってことなんでしょうね。

――白石さんはどんなところに惹かれたんですか?
高畑充希目を奪われてしまう独特の空気感ですね。当時は「何かすごい」と心を掴まれちゃって。憧れるけど自分がなれるタイプの女優さんではないので、余計に好きです。準備はこれからなんですけど、胸を借りようと思っています。

朝ドラの前はネームバリュー的に主役は無理だと思っていた(笑)

――3月公開の『ひるね姫』では、アニメ映画の声優に初挑戦ですね。
高畑充希テレビアニメに2度出演させていただいていますが、声だけでの演技はとても難しいです。主演オファーをいただいたときは「私でいいのだろうか」って思いました。でも、監督に丁寧に指導していただいて、親近感が湧くキャラクターを演じられたと思います。

――主題歌「デイ・ドリーム・ビリーバー」もキャラクターの森川ココネ名義で歌っていて。今年は歌の活動も増えそうですか?
高畑充希どうでしょう(笑)。ミュージカルで歌うのはお芝居と同じくらい大好きですけど、なかなかそんなに器用に全部できないので。今回は好きな曲だったので歌いたいと思いました。

――今回はキャラクターとして、歌い方もいくらか変えたり?
高畑充希歌い方自体はとくに意識しませんでした。ただ、役としてマッチさせていくと、曲がぜんぜん違う見え方がしておもしろかったです。

――連ドラにもまた出演されるでしょうけど、そっちでも主役をガンガンやりたい気持ちはありますか?
高畑充希ぜんぜんないです。主役向きの性格ではないと思うので。ただ、自分が変わって環境が付いてくるときと、環境が変わって自分が付いていくときがあるから、もしかしたら主役でいられる人になれるのかもしれないと、ちょっと期待もあります。朝ドラの前は、私のネームバリュー的にも無理だと思ってましたから(笑)。

――今はネームバリューも十分です。
高畑充希やっと地方の人にも知ってもらえるようになってきたかな。でも、正直あまり実感はなくて。一番の希望は主役も端役もどっちもできることですね。主役であろうがなかろうが、おもしろそうな役なら何でもチャレンジしたいです。

今年は人としてより豊かになれるように

――今年成し遂げたいことはありますか?
高畑充希昨年は演劇や映画を観たり、本を読んだりがぜんぜんできなくて。今年は良いものをたくさん観たいです。女優としてというより、人として豊かになれるように。

――お芝居と関係ないことで、心惹かれていることもあります?
高畑充希いっぱいありますよ。おいしいものとか(笑)。この前公演で行った富山で食べた寒ブリはおいしかったなー。私、仕事より食べることのほうが好きなんです(笑)。おいしいものを食べるために、一生懸命働く感じ。あと、旅もしたいです。

――どっち方面に?
高畑充希イギリスに行って古着屋を巡ったり。ドクターマーチンという好きな靴のブランドもイギリス発祥だし、ミュージカルをやっていた『ピーター・パン』の舞台だし。今、イギリスは私の行ってみたいランキング1位です。

――いろいろまとめて、2017年はどんな年にします?
高畑充希新品のスポンジに替えたい感じです。ここ2〜3年でたくさん吸収したし、いっぱい絞って出したし。今のスポンジはカラカラの使い古し。とくに昨年は出しっぱなしだったから。2017年はまた新品のスポンジにして、いっぱい吸収したいです。そこからまた出すも良しです。
(文:斉藤貴志/写真:逢坂 聡)

わたしは真悟

 何も恐れずただ純粋に愛し合う小学生の真鈴(まりん・高畑充希)と悟(さとる・門脇麦)。ふたりの愛が大人によって引き裂かれようとしたとき、ひとつの奇跡が起こる。ふたりの遊び相手だった無機質な産業用アームロボットに、真鈴と悟を両親と認識する自意識が目覚める。それは、真鈴と悟から1文字ずつもらい、自らを真悟(しんご・成河)と名乗る。離れ離れになった真鈴と悟の身に危険がせまったとき、真悟はふたりを助けるために人知を超えた進化を始める――。

原作:楳図かずお『わたしは真悟』(小学館刊)
演出・振付:フィリップ・ドゥクフレ
出演:高畑充希、門脇 麦、小関裕太、大原櫻子、成河 ほか
2017年1月 KAAT 神奈川芸術劇場、新国立劇場ほか上演
【公式サイト】(外部サイト)

エレクトラ

 戦争から帰還したアガメムノンは妻のクリュタイムネストラとその情夫・アイギストスによって暗殺される。アガメムノンの娘・エレクトラは父の死や弟オレステスの不在を嘆きながら、母と情婦への復讐を胸に酷い暮らしをしている。エレクトラの唯一の希望は、他国へ亡命させた弟オレステスとともに父の復讐を果すことだった。

原作:アイスキュロス・ソポクレス・エウリピデス“ギリシア悲劇”より
出演:高畑充希、村上虹郎、中嶋朋子、横田栄司、仁村紗和、麿赤兒、白石加代子
4月14日〜23日 東京・世田谷パブリックシアターほか、新潟、兵庫でも上演予定

ひるね姫〜知らないワタシの物語〜

 2020年の東京オリンピックを目前にした岡山が舞台の物語。「なんでこんなに眠てえんじゃろう?」。岡山に父親とふたりで暮らす女子高生の森川ココネは、所かまわず昼寝をしては怒られる。そんな彼女はあるとき、最近いつも同じ夢を見ていることに気づく。窮屈で、でもどこか温かいその夢は、彼女の知らない家族の秘密に繋がっていたのだった――。

監督・脚本:神山健治
声の出演:高畑充希 満島真之介 古田新太
2017年3月18日公開 (C)2017 ひるね姫製作委員会
【公式サイト】(外部サイト)
高畑充希(タカハタ ミツキ) PROFILE
女優、歌手。1991年12月14日生まれ、大阪府出身。AB型。
ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』に抜擢される。2013年、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』に出演し注目を集める。2016年NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で主演を務める。
2017年にはミュージカル『わたしは真悟』東京公演が1月8日より新国立劇場にて始まり、さらに映画『ひるね姫〜知らないワタシの物語〜』(主役の声優を務める・3月18日公開)、舞台『エレクトラ』(白石加代子とW主演・4月〜)が待機中。
【公式サイト】(外部サイト)

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