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ORICON NEWS
筋肉美への止まない欲求 “腹筋女子”の新たな「受け皿」とは?
ダウンタウンの松本やオリラジ藤森も、芸能界で進む「隠れ美ボディ」ブーム
実際、“美”への感度が高い芸能界では、ローラや榮倉奈々、華原朋美など多くの女性タレントたちが鍛え抜いた腹筋を披露。NMB48の山本彩は女性ファッション雑誌の表紙で華麗な腹筋を公開。また、元AKBの秋元才加は主演映画『劇場版 媚空-ビクウ-』の中で 肉体美を披露し、雨宮慶太監督から「スタントマンでもあんなに腹筋が割れてる人はいない」と絶賛された。
こうした一連の流れは海外セレブたちを発信源に、今では世界各地で「腹筋女子」=「美ボディ」という認識が浸透している。また、筋肉美の追求は女性だけでなく男性タレントにも見られる。なかやまきんに君や小島よしおといった筋肉をウリにした芸人達とは別に、ライフワークとして体を鍛える人が続出。オリエンタルラジオの藤森慎吾や、品川庄司の品川祐、雨上がり決死隊の宮迫博之らも鍛え上げた体をTVやSNSで公開。あのダウンタウンの松本人志もプロレスラー並みに鍛えた体を番組で披露し、「プロレスラーと見分けがつかない」「すごいムキムキ」と視聴者の度肝を抜いた。
美ボディを追い求めた結果、筋肉をつけすぎてしまうケースも
日本でもローラや中村アンなど、人気モデルや女優たちが自身のSNSにトレーニングの様子を投稿したり、ファッション誌やTV番組などでアスリート顔負けの腹筋を披露。そうした美ボディが公開される度に「私もがんばりたい!」「健康的な腹筋に憧れます!」と、“共感”と“憧れ”を含んだ反響が得られる点でメリットは大きい。
しかし、美ボディへの追及には明確なゴールが存在せず、一種の“中毒性”があるのも事実。実際、ダイエット目的で始めた筋トレが習慣化し、のめり込むことで筋肉をつけすぎて体が大きくなりすぎる場合も。
筋トレ好きが目指す新キーワードは「健康美」と「かっこよさ」
では、この『ベストボディ』とはボディビルと何が違うのか。それは、 “リアルにかっこいいカラダ”を競うという新しいコンセプトを元に、健康的で美しく、かっこよさを追求するというもの。外見とともに内面も重視され、大会では筋肉、スタイル、ウォーキングやポージングの他、知性、品格を審査する項目もある。
実際、世界最大のプロボディビルの大会『オリンピア』でも「メンズフィジーク」という部門ができ、健康的でかっこいい美ボディの追及は世界の潮流となっているのだ。
そして、ダイエットや健康志向から“腹筋女子”となった女性たちの間でも美ボディを求める動きが加速。雑誌『姉ageha』のモデルも務めるブロガーのゆんころは、韓国で行われた筋肉美を競う大会『WBC』で優勝。各部門を総なめにする5冠に輝いた。TVなどに出演する機会も多く、“筋肉”と“美”を両立させた先駆者として女性ファンから支持を集めている。
筋肉のつけすぎには偏見も!? “腹筋女子”が注目する『フィットネスビキニ』
こうした流れは日本のボディビル界にも波及。日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)は2014年に『フィットネスビキニ』とうい女性のための新コンテストを開催。まだ数年の歴史ながら、すでに高い人気を集めているという。
どんなカテゴリーかというと、バランスのとれたプロポーション、肌の色つや、女性らしく優雅で健康的かなどを審査。しかも、極端に筋肉質であったり、過度に脂肪を落としすぎると減点となるため、まさに“健康的な美しさ”を競う種目なのだ。いま、こうした『フィットネスビキニ』で活躍する選手を理想とし、“腹筋女子”たちが次のステージとして見据えているのだとか。
加熱する筋トレブームの中で、“腹筋女子”たちはどこにゴールを設定するのか…。バキバキに鍛えすぎると男性視点での支持を得られづらい傾向もある中で、筋肉のつけすぎを否定する『フィットネスビキニ』は、“腹筋女子”の新たな受け皿となることが予想される。
男性視点にも耐えうる“健康的な美ボディ”を追求する『フィットネスビキニ』。今後、“腹筋女子”がこれら新ジャンルとどう向き合っていくのか注視したい。