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『鋼の錬金術師』は「実写化しちゃダメ」!? 原作ファン山田涼介が映画主演に至った理由

 人気コミックを実写化した映画『鋼の錬金術師』で、主演を務める山田涼介。自身も原作の大ファンなだけに、当初は実写化に懐疑的だった山田だが、ある出来事を経て「この役は誰にも譲れない」と決意したという。山田の俳優人生にとっても大きな影響を与えたという本作について、本音で語った。

「これだけは実写化しちゃダメでしょう!」と思っていた

――『鋼の錬金術師』は世界中を魅了し続けている大人気コミック。その実写映画である本作でワールドツアーも行われ、LAとパリにも行かれて。”ハガレン”の人気を肌で実感しましたか?
山田涼介 世界中で愛されていることはもちろん知っていたのですが、こんなにも熱量があるんだと、現地に行ってまず感じました。日本の文化であるアニメや漫画がこれだけ世界に発信されているのも、日本人としてすごく誇りに思いました。今回、僕はその代表として行かせていただいたので、恥にならないようにふるまうのが大変でした(笑)。日本の人は気を使うことが多いけど、海外の人たちは思ったことをストレートに伝えてくれる。そのぶん面白い角度の質問もあって、すごく刺激になりました。

――そんなハガレンの実写映画に、ご自身が主人公・エドを演じると決まってどう感じました?
山田涼介 原作が本当に大好きだったので、「これだけは実写化しちゃダメでしょう!」と思っていた部分もありました。しかもエド役で僕にオファーが来たときには、プレッシャーもすごくありましたし、自分がエドをやるなんて想像したこともなかったので…。正直、最初はやりたくない気持ちと嬉しい気持ちの両方だったんですよね。それで、あのエドワード・エルリック役がどうして僕にオファーが来たのか、考えて、咀嚼して、飲み込んでから「やらせてほしいです」と言いました。それに、監督が僕に「こういうイメージで出来上がります」という映像を作って見せてくれたんです。エド役はスタッフさんが務めていたんですけれど、弟のアルフォンスと二人で敵と戦い、錬成してる映像で。CGもすごくて、その映像を見て「大丈夫じゃん!」って思ったんですよね。

――最初にエドになった自分の姿を見たときは?
山田涼介 違うな、と思いました(笑)。僕はエドに対する思いが強すぎるから、結局何をやっても自分自身にしか見えないんですよ。でも、実際に映画の中にいる自分を見たら、「あ、エドだ」って思えたんです。つまり、ただ衣装を着ているだけの僕じゃなく、演じていないとダメってことなんですけど(笑)。

監督が「山田くんに断られたら、この作品は実現しなかった」と

――撮影を行ったイタリアで、印象的深かったエピソードは?
山田涼介 錬金術が行われていた場所に行きました。最初に石獣と闘う場所なんですけれど、そこに実際にキメラ(合成獣)の銅像が置かれていたんです。もちろん、ハガレンに出てくる“賢者の石”とかはないんだろうけど、実話的な要素もこの物語の中にあるんだと思うと、ちょっとゾッとするというか。キメラが錬金術で作られそうになっていた時代があったんだと思うと、もっと背筋を正さなきゃと、作品に対する思いがまた変わったんです。それをクランクインのときに感じられたのは、すごく良かったと思いますね。
――監督とも今作についてじっくり話す機会があったようですね。
山田涼介 監督は、『鋼の錬金術師』という作品をずっと撮りたかったとおっしゃっていました。何年もずっと温めてきて、CGを含めて環境は整っているんだけど、エドをやれる人がいない、と。「そんなときに山田くんが現れてくれた。山田くんに断られたら、この作品は本当に実現しなかったんだよ。本当にありがとう」と言ってくださったんです。僕も、「この作品が本当に好きだったんですけど、正直、実写化は嫌だったんです。だけど監督が作ってくれた映像を見て、この役は誰にも譲れないって思ったんです」と、クランクインして2日目くらいに話しました。

――監督は、それまでの山田さんの出演作も見ていた?
山田涼介 はい。僕って…中性的な顔のせいか、大人しいタイプなのか、ガンガンくるタイプなのか、皆さんわかんないんですって。クールなイメージもあるようで、「どれが山田涼介なんだろう?」と思うみたいです。でも実際の僕はズバズバものを言うし、監督もそんな僕を見て「けっこう男っぽいんだな」と思われたそうで。身長はOK、ビジュアルはOK、あとは性格だっていう段階で、会ってみたら「こいつは大丈夫だ」と。中身を見ていただいて安心してくださったというのは、すごく嬉しかったですね。

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