迷走か?英断か?『いすゞのトラック』CMソングに異変
まるで“社歌”のようなこの曲を 使わないでどうする
三谷氏歌を前面に出すクリエイティブが大きく変わってしまったんですね。私は宣伝の現場を離れて、営業として販売会社の人たちと一緒に仕事をしてたんですけど、「CMキャラクターがいいね」っていう意見がある一方、「なんで歌を使わないんだろう」「あの歌使うべきだよね」っていう意見があったんです。販売店スタッフはまるで“社歌”みたいにこの歌を大事にしてくれていて、飲み会の二次会のカラオケの締めは当然この歌を大合唱。これは使わないといけないと思っていました。
三谷氏最初誰だか分からなかったです(笑)。ただ調べてみて、トラックのユーザー層ともかけ離れているんだけど、(起用すれば)「今どきのざわつき」を起こせそうだと思いました。観た人の印象に残り、面白いことになるなと。販売店の若いスタッフはもちろん知っていましたし、お客様との会話の“つかみ”にもなる。実際、反響は大きく、予想以上でした。ツイッターの「いすゞのCM担当者は腹ペコ(マキシマム ザ ホルモンのファンの名称)に違いない」という意見を見たときはさすがに笑いましたけど(笑)。
三谷氏ナヲさんのときは、歌を前面に出すかたちに戻して世間をざわつかせる。アイナさんに代わるタイミングでは新型車の先進性を打ち出したかったので、曲はEDM風にエモーショナルかつ都会的なアレンジにしました。大友さんは、力強く歌声で働くドライバーさんを応援しているようなイメージ。かつ、先進性をより具体的にアピールしたかったので、訴求ポイントをあの歌声で替え歌みたいに歌ってもらって、出演までしてもらいました。ちゃんと考えているつもりなんですけど、ナヲさん、アイナさん、大友さんと歌の軸こそあれ、歌手選定の軸はブレブレなんじゃないかって言われます(笑)