旧車は一瞬でその当時に タイムスリップさせる道具

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  プロデューサーの菊地武氏

　トークの「核」となる車だが、とりわけ「旧車」は番組にとって大きな役割があるという。

菊地P番組にとって、特に旧車は一瞬でその当時にタイムスリップさせる道具なんです。『こんなにおいだった』とか、『こんなに狭かったっけ』とかゲストの方が興奮気味におっしゃっているのを聞くと、ストーンとその当時にさかのぼっていただいたんだなと思います。『車ってその時の自分が反映されるんだよね』っておっしゃっている方もいらっしゃいます。トーク→車試乗をほぼ順撮りで撮影しているので、車に再会していただくと、その後のトークが盛り上がるんです。実際、ゲストの方からは、ほぼ100％で『今日は楽しかった』と言っていただけますし、『もっと早くに声かけてよ』とか、未出演の方から『出たいと言ってる』というお声をいただいたりしています。もともと、車を題材にゲストの思いや歴史を語るトーク番組を作るというところが企画の第一歩だったので、そういう点では狙い以上のところになっていると思います。

　この番組制作を通して旧車オーナーに触れる中で、菊地氏は“風”を感じるという。

菊地Pヨーロッパなどでは、旧車は『芸術作品』とする文化が出来上がっているんだと思うんですけど、日本もようやくそのきざしが見えてきたのかなと思います。車をもってきていただいたオーナーさんとカメラの裏側で待ち時間にいろいろと話すと、すごい愛情と、『何とか頑張って後世に残していきたい』という思いを感じますね。どちらかというと今まで、日本では『車は一部を除いて使いつぶす』という考えが多く、残すという感覚があまりなかったんだと思うんです。好きな人や、経済的に余裕のある一部の人が、海外のクラシックカーをコレクションする程度で、日本車を残そうという人はなかなかいかなかった。それが日本でも、古い物、懐かしい物を残していこうという風潮が生まれつつあるように思います。あんまり大きなことは言えませんが番組を通じて、愛情持ったオーナーさんの思いが伝わって、『今、こういう車に乗るのもありだな』とか『俺も乗ってみよう』と思ってくれたらうれしいですね。

　番組プロデューサーとして、番組における旧車の役割を語ってくれた菊地氏。個人的にも旧車好きだといい、その魅力について「圧倒的にデザインがオリジナリティーが高いですよね。古い車は美しいですし、芸術的だと思います。昔、車のDVDを作ったこともあるんですけど、その時撮影したポルシェが本当に美しかった。子供のころにスーパーカーブームを経験しているので、番組でそういう車が来ると、見入ってしまいます」という。旧車も含め、車全般に深い愛情を持つ菊地氏の思いが現れた番組は、旧車を愛する人たちはもちろん、それ以外の旧車の魅力を知らなかった人たちへと旧車が広がっている一因になっていると考えてまず間違いないだろう。マイナーチェンジを繰り返し、進化する番組の今後の展開にも注目したい。


ＢＳ日テレ『おぎやはぎの愛車遍歴　NO CAR NO LIFE!』
毎週土曜 21:00〜
車をこよなく愛するおぎやはぎが、自動車評論家・竹岡圭とともにゲストを迎え、ゲストがこれまで愛した車の「愛車遍歴」を、実際に見たり乗ったりしながら紹介。「愛車遍歴を辿れば、その人の人生が見えてくる!」をキーワードに繰り広げるカートークバラエティー。

出演／おぎやはぎ、竹岡圭(自動車評論家)　

【近日放送予定】
4/13放送　ゲスト：諸星和己
4/20放送　ゲスト：大和田伸也
4/27放送　愛車遍歴的「平成」プレイバック！前編　ゲスト：安東弘樹
5/4放送　 愛車遍歴的「平成」プレイバック！後編　ゲスト：安東弘樹

【おぎやはぎの愛車遍歴　NO CAR NO LIFE!公式サイト】
http://www.bs4.jp/aisya_henreki/（外部サイト）

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