いじられ役だった撮影現場で悔しかったことも

――同世代の共演者の方々からお芝居で影響を受けたことはありました？
磯村勇斗賀来さんや太賀さんをはじめ、すばらしいお芝居をされるたくさんの素敵な俳優さんのなかに身を置かせていただいたので、俳優として受ける影響はすごく大きかったです。こんなにもいろいろな演じ方があるんだというのをこの現場で知ることができましたし、自分がここまで極悪を貫き通せたのも共演者の助けがあってこそだと思います。相良はみなさんに作り上げていただいた役柄です。

――撮影中は、私生活でも役に入るタイプですか？
磯村勇斗そうですね。分けるべきところは分けるんですけど、こういったわかりやすい役柄だと日頃から歩き方とか目つきとかを要所要所で入れていたりしていました。僕は、撮影中はなかなか役が抜けないタイプです。終わるとすっとすぐに抜けるんですけど。

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――そういう意味では大変な役でしたね。
磯村勇斗でも、撮影は楽しくて仕方なかったです。現場の雰囲気もすごくよくて、毎日撮影に行くのが楽しみでした。僕にとって現場は、経験値の高い素敵な俳優の方々と出会えて、話をするチャンスだったので、共演者の方々とは積極的に交流させていただきました。

――どんな交流だったのでしょう。
磯村勇斗相良とは真逆で、みなさんにすごくいじられていました（笑）。みなさん、俳優として突き詰めている、俳優業を極めている人たちで、どこから持ってきた情報だろうっていう話ばっかりで、日常の会話でも観点がぜんぜん違っていて、とにかく人間が大きいんです。僕なんて、おもしろい話ができないつまらないヤツってずっと言われていました。福田監督や賀来さんからも「磯村はいつもすべる」って（笑）。でも、そういうすごい人たちにいじってもらって、かまってもらえるのが僕としてはうれしいかったです。気を使わずに楽しめていました。ただ、会話がついていけない自分には悔しくなるんです。もっと勉強して、おもしろくなりますって宣言しました（笑）。

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