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【抜け毛・薄毛・AGA】「秋は頭皮の危機?」 原因は紫外線か花粉かストレスか…専門医が解説
監修者 圓山 尚(えんやまたかし)
ナチュラルスキンクリニック院長兼クリニックフォア監修医。金沢医科大学医学部卒業後、日本医科大学附属病院皮膚科に入局し皮膚科・皮膚外科・レーザーを中心とした診療を行う。その後、湘南美容クリニックでの勤務を経て、2019年にクリニックフォア新橋院を開院。現在はクリニックフォア監修医と永福スキンクリニック(現ナチュラルスキンクリニック)の院長を務め、”美のかかりつけ医”として活動している。
この記事をざっくりまとめると…
●「秋は抜け毛の季節」は本当? よく言われる原因を検証
●一過性の抜け毛とAGAを見分ける方法
●自分でできるケアは「スキンケアと同様に」
●「秋は抜け毛の季節」は本当? よく言われる原因を検証
●一過性の抜け毛とAGAを見分ける方法
●自分でできるケアは「スキンケアと同様に」
「最近、抜け毛が増えたなぁ」は気のせい? 紫外線に花粉、ストレス…本当の原因
「動物は、秋と春が毛の生え変わる“換毛期”であることから、人間もその名残りで秋と春には抜け毛が増えるというのが有力な説です。でも、実はそのメカニズムについては完璧に解明されていないし、証明する文献もないんです」
――ということは、都市伝説みたいなもの?
「そうですね。ただ秋は、夏に受けた紫外線によるダメージの影響によって抜け毛が増えるという可能性はあります」
――紫外線は抜け毛につながるのですか?
「頭皮に紫外線が当たると、頭皮の弾力を保つ役割のあるコラーゲンやエラスチンがダメージを受けて頭皮が硬くなります。また、ダメージを受けた頭皮は外部からの刺激を受けやすく、毛穴に炎症が起こることもあります。このように頭皮環境が悪化すると髪が育ちにくくなって、抜け毛が増える場合があります。だいたい1〜2ヵ月で表れるので、それが秋になるということはありえます」
――秋の抜け毛は、花粉などのアレルギーも原因になると聞いたことがあるのですが。
「花粉などのアレルギーは直接抜け毛には関係しません。ただ、アトピーの症状がひどくて頭皮に痒みがあり、?きむしってしまったために抜け毛に繋がるということはなくはないですが、よほど重症のケースだと思います」
――ストレスも髪によくないと聞きます。秋は、夏の疲れや寒暖差などで体調がすぐれない人も多いですが、それら自律神経の乱れが髪に影響するということはありますか?
「コロナ禍や出産など大きなストレスがかかると、休止期脱毛症といって、髪が急激に抜ける場合があります。夏の疲れや寒暖差などのストレスによって、少し抜けやすくなるという可能性はあるかもしれません。これは睡眠不足も同じです。髪を育む成長ホルモンは睡眠に伴って分泌されますので、睡眠をしっかりとって、ストレスを溜めないようにすることは、抜け毛を防ぐために大切です」
一過性か? AGAか? ダブルパンチの可能性と受診の目安
「AGAはホルモンバランスの乱れによって生じるのですが、ホルモンバランスは朝と夜で違うということは多少あっても、季節によって変わることはありません。なので、秋限定で抜け毛が増えているとしたら、紫外線や他の原因が考えられると思います」
――一過性の抜け毛と、AGAとを見分ける方法はありますか?
「男性の場合、AGAは、左右の生え際が剃りこまれたように後退したM字型に脱毛したり、頭頂部から薄毛が拡がっていくO型に脱毛するのが特徴です。女性の場合は、全体的に薄毛になり、分け目やつむじの部分で薄毛が目立つ場合が多いとされています。一方、紫外線の影響によるダメージは頭頂部に受けやすく、頭皮が赤くなったり、引きつった感覚があるなどの症状が表れます。毛髪が乾燥し、パサつきや切れ毛が増加するのも紫外線ダメージによるものです。ただ、この2つは両方一緒に生じる場合もあるので、紫外線の影響だからAGAではないとは言い切れません」
――ダブルパンチの可能性も?
「そうです。紫外線の影響など一過性の抜け毛の場合は適切なケアをすることでまた髪が生えてきますが、AGAは原因をブロックしない限りは元に戻らないので、治療が必要です」
――一過性のものか、それともAGAなのかは素人では判断が難しそうですが、やはり受診したほうがいいんでしょうか。
「クリニックに行く時間がなくても、オンライン診療でもある程度判断はできますね。前頭部のほうから上がってきているなど、脱毛の様子によってAGAかどうかは見分けがつきますし、いつ頃から抜け毛が気になり始めたかによっても診断はつきます。ただ、抜け毛が気になり始めた場合、AGAかどうか診断されることにこだわる必要はありません。今は予防の薬があって、親の髪が薄いからとか、最近抜け毛が気になり始めたとか気にして、AGAにならないために薬を服用している人も多くいます」
――予防のために服用しても問題ないのですか?
「予防薬に関しては、副作用のリスクは一般に少なく、気になる場合は、早めの対処で少量から服用しておくのは得策だと思います。進行してしまってから元に戻そうとすると、治療に時間がかかったり、理想の状態に戻らないことがありますからね。かつては薬代も高かったですが、今はだいぶ安くなって手軽に治療を開始できるようになっていると思います」
まずは自分でできることから、「スキンケアと同じように、頭皮のケアを心がけて」
「頭皮の炎症を抑えるために、保湿を心がけてください。また、炎症を抑える頭皮のトニックや、血流を促進するようなケア商品を使うのもいいでしょう。スキンケアと同じように、頭皮のケアを心がけてください」
――そのほか抜け毛を防ぐために大切なことはありますか?
「しっかり睡眠をとることやバランスのとれた食生活を送るなど、生活習慣を整えること。あと、風呂キャンセルもいけません。汗が溜まるなど頭皮の環境が悪いと、雑菌が増えて皮膚に炎症が起き、抜け毛につながってしまいます。頭皮を清潔に保つことを心がけてください」
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