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“筋トレにハマる人”は繊細な人が多い、女性トップボディビルダーが警鐘「筋肉だけでなく“心”のトレーニングも」
理想と現実のギャップで苦しむトレーニー「実は繊細な人が多い」
「1度体を絞ると、シェイプされたその体が一番いい状態だと思うんですよね。たとえば大会に向けて色々なことを我慢して体を絞ると、終わってから我慢していたケーキやアイスを食べて、いっきにむくんでしまう。そうすると『理想の体じゃない』『またあの体に戻りたい』という、強い劣等感と自己嫌悪に陥ります。ここからうつ状態になってしまう場合があるんです」
――筋トレしている方は心身ともに“強い”というイメージがあります。
「私はその反対だと思っています。実はすごく繊細。理想の体を知ってしまったこと、またはそれを追い求めることで、現実の自分とのギャップを受け入れがたくなってしまう。0か100かみたいな状態になってしまうんです。予定外に食べてしまったり、トレーニングを休んだりすると、ひどい罪悪感に襲われて…。メンタルが不安定になってしまう方々を何人もみてきました」
「罪悪感を持たないように心がけています。おいしく食べたら『おいしかった!』で終わればいい。トレーニングを休んでしまっても『明日から頑張ろう』と切り替える。自分を責めるのではなく、『ま、いいか』をたくさん作ったほうがいいと、生徒さんにも伝えています。特に大会にでるような生徒さんたちには、『大会の体はイレギュラー。大会後は人間らしい日常に戻していって』と、指導しています」
――厳しい減量や偏った食生活は問題、と。
「そうですね。減量って言葉も私はあまり好きではなくて。減量は量を減らすのではなく、自分をしつけて仲良くするってことだと思っています。自分の心と二人三脚のようなイメージです。常に自分の心と会話して、『大丈夫?』って声をかけてあげて、自分自身と対峙しています」
――筋トレメニューとして有名な『プロテインとササミ、ブロッコリーだけ』といったメニューはしていないそうですね。
「ササミとブロッコリー以外も食べます。きちんと人間らしい生活を送りながら、体作りができることを証明したいと思っているんです。もちろんキレイごとだけではすまないので、お金と手間はかかります。筋肉のために添加物が入っていないものとなると、やはり売っている物ではまかなえなくて、作らなくてはならないので。でも、健康的に体が変われば一番いいですよね」