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「ざ、残像!?」ガンダムF91がズラリ…SNS絶賛の裏に“ガンプラ量産モデラー”も弱音吐く厳しさ「MGをただひらすら作り続けるのがつらかった」

 約1年前に、「アクシズ・ショック」を表現すべく、3種25体のガンプラを一気に制作。大量のモビルスーツが存在する壮観な光景をSNSで賞賛されたモデラーの赤い瞳のシャア・アズナブルさん(@iynhfgPFRr3yRwP)。彼の近作は、“量産機”に魅せられた同氏らしい、5体のガンダムF91が並んだもの。だがよく見ると、1体1体微妙に色味が異なっており、後ろに行けば行くほど薄くなっている。本作に込められた意味と、ガンプラ“量産”への思いを聞いた。

今回は“量産機”ではなく“残像表現”「F91の『MEPE』の演出を表現した」

――昨年は「アクシズ・ショック」の取材でお世話になりました。
赤い瞳のシャア・アズナブルこちらこそ、ありがとうございました。記事の反響はすごかったです。全部で650件ほどコメントを頂きまして、全部返信するのにめちゃめちゃ時間かかりました(笑)。特に、「やってみる価値ありますぜ!」「ロンド・ベルだけにいい思いはさせませんよ!」みたいな、ガンダムシリーズの印象的なセリフを一般兵になったつもりで引用して、コメントしてくれた方もいてありがたかったです。

――そこから1年を経て、近作ではガンダムF91を手掛けられました。そもそも、F91には何か特別な思い入れがあったのですか?
赤い瞳のシャア・アズナブルはい。そもそも『機動戦士ガンダムF91』という作品自体が好きなのですが、小さいのに出力が高く、機動性も良いF91に惹かれているのが大きな理由です。パイロットをサポートするためのシステムも搭載されており、人間に寄り添う機械というコンセプトがとても好きなんです。

――そのF91を“量産”された理由を教えてください。
赤い瞳のシャア・アズナブルF91は最大稼動状態に移行すると、機体冷却のために高熱を帯びた装甲表面を剥離させる「MEPE」という現象が発生します。それによって、装甲そのもので強制冷却を開始するんです。劇中では、その剥がれた装甲が残像のように見え、モビルスーツ(MS)が大量に発生するような演出になっており、今回はそれを再現してみよう!と思いました。

――なるほど! そういう背景を鑑みると、カロッゾロナの名言を引用した『質量を持った残像』という作品名も、後ろに行くほど、色が淡く、透明度を増していくのも納得です。
赤い瞳のシャア・アズナブル実は、5体のF91とともにビギナギナも一緒に作っていたんです。本当は、1番前をF91とビギナギナで飾り、後ろの4機で残像を演出するつもりだったのですが、せっかく5機作ったので全機並べました(笑)。後ろから3機が残像で、その次が通常色、1番前をチタニウムフィニッシュにすることで段々と輝きが増すような見え方になればと思い、並べました。

「完成の見えない作業に身を投じることで、諦めない気持ちや忍耐力を鍛えています」

――本作で使用されたキットを教えてください。
赤い瞳のシャア・アズナブル『MG 1/100 ガンダムF91 Ver.2.0』『MG 1/100 ガンダムF91 Ver.2.0[チタニウムフィニッシュ]』『MG 1/100 ガンダムF91 Ver.2.0(残像イメージカラー)』×3。残像キットはクリアカラーのガンプラです。あと、同時進行で『RE/100 1/100 ビギナ・ギナ [エクストラフィニッシュ]』を制作していました。

――えっ、MG(1/100スケール)で制作されていたんですか?
赤い瞳のシャア・アズナブルはい。ただひたすらに作ることがつらかったですね(笑)。HGUC(1/144)でさえずっと同じ機体を作るのはキツイのに、MG(1/100)F91ばかり作っていましたから、途中で挫けそうになりました。

――前回の「アクシズ・ショック」の量産同様、タフな制作現場ですね。人によっては“苦行”と感じであろう、この制作を行えるご自身の原動力、モチベーションは何ですか?
赤い瞳のシャア・アズナブル劇中のシーンを再現するというロマンもありますが、自分を鍛えることが目的ですね。永遠に続くようなヤスリがけや塗装、完成の見えない作業に身を投じることで、諦めない気持ちや忍耐力を鍛えています。遠回りでも目標に辿り着こうとする、日々の努力にやり甲斐を感じています。とは言っても、ちゃんと完成は目指してますよ!

――しかも、この5体も実に丁寧に仕上げてあります。
赤い瞳のシャア・アズナブル1番こだわったところは、バリなどが残らないようにきれいに仕上げたことですね。現状、残像は3機だけですが再販があればあと4機は増やすつもりです。その時に塗装や改造がしやすいようにガンプラを整えておくことに苦労しました。

――まだ増やす計画があることに驚きです。ご自身は、ガンプラをとにかくたくさん制作されることに情熱を燃やしておられますが、“量産”の魅力はどんなところですか?
赤い瞳のシャア・アズナブル今回の“残像”や、量産機などのガンプラを複数作ると、見栄えが良く、並べると壮観です。1機だけでは、表現しづらい躍動感が伝えられるのが魅力だと思います。最近は大量に同じものを作る魅力に気付いたモデラーが増えてきたようで、個人的にとてもうれしいです(笑)。私もこれからも変わらず量産機や複数のプラモを作り続けると思います。
――“量産”の第一人者として、ガンプラシーンに新たな世界観を築き、その魅力を広めていく。素晴らしいですね。では最後に、モデラーとしての今後の目標を聞かせてください。
赤い瞳のシャア・アズナブルF91を作り終わったので、まずはまだ未完の「アクシズショック」を終わらすことですね。今年中にジェガンとギラドーガのヤスリがけを終わらせたいです。来年はいよいよ塗装です!
 それと余裕があればF91も塗装すること。さらに残像にLEDを搭載したいですね。順番に光るような演出にできたらとても美しくなるかなぁと。今後も頑張って作っていきます。

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