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平成ギャルにバカ売れしたあの「健康サンダル」がまさかの転生…“大人のキティブーム”と“平成レトロブーム”が今つながる
女子高生がけん引した平成のブーム、“子ども向け”から変化
当時のカルチャーをけん引していたのが、ギャルやコギャルという若い女性たち。なかでも彼女らに人気だったキャラクターといえば、ハローキティだろう。そのきっかけとなったのは、ハローキティ好きを公言していた華原朋美だ。当時女子高生で、実際にブームを体験していたサンリオ社員・森裕美子さんが振り返る。
「あの頃の女の子たちはみんな“朋ちゃん”が大好きでした。ファッションのお手本にもなっていましたね」(森さん)
90年代後半はギャル文化が盛り上がる一歩手前。ファッションも少し大人っぽい、きれいめなものが支持されていた。
「この頃からハローキティは、ピンクキルトのバッグやポーチにあしらわれ、大人向けのグッズ展開が大きく花開きました。80年代までのサンリオキャラクターグッズは子ども向けが中心でしたが、この頃から大人も持つようになり、そんなお姉さんたちに憧れた女子高生たちも持つようになった…という流れがあったのかなと思います」(サンリオ広報・小畑恭子さん)
ギャル文化が勢いを増した“一強の時代”、“しっぽ”ストラップも人気
「新たなファッションアイコンの登場で、女の子たちの憧れが一気に移ったのを肌で感じていました。女子高生たちはみんな、“しっぽ”のようなファーのストラップを付けていましたよね(笑)。あの頃は、圧倒的な1人の存在がみんなの関心を集める“一強の時代”だったのではないかと思います。当時サンリオにもたくさんのキャラクターがいましたが、やはりキティが圧倒的な人気だったと感じていました」(森さん)
「経験できなかった」Z世代のギャルへの憧れ、韓国トレンドも影響
「ギャルブームは、私が小学校に上がる前のこと。ハイビスカスを頭に付け、ミニスカに厚底ブーツのお姉さんたちがキラキラして見えました。街も大人たちも元気で楽しそうで、羨ましいな、早く大人になりたいなと思っていましたね。だけど、私が学校に上がる頃にはギャルブームは終わっていて。自分が経験できなかったから、よけいに憧れる。それが、今のZ世代を中心としたY2Kや平成レトロブームに繋がっているのかなと感じます」(上田さん)
そんな上田さんが商品開発において参考にしているのが、InstagramなどのSNS、そして韓国のトレンドだという。
「現代の若者のトレンドは、韓国から発信されることが増えています。SNSでも、韓国トレンドを取り入れたファッションにY2Kというタグが付くことが目立つようになり、ブームを確信しました」(上田さん)
『ときめき平成コギャルシリーズ』のヒットを受けて、このたび企画された『カオハナデザインシリーズ』では、商品開発チームにリアルタイムを知る社員の森さん、松谷美香さんも加わった。
「上田さんに『当時のギャルってどんな感じだったんですか?』と聞かれて、一周回ってそんなに新鮮? いにしえ? とちょっと戸惑いつつも(笑)、『こんなのあったね〜』とか『懐かしい!』とか言いながら、楽しい商品開発でした」(森さん)