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平成ギャルにバカ売れしたあの「健康サンダル」がまさかの転生…“大人のキティブーム”と“平成レトロブーム”が今つながる

 Z世代を中心に、「Y2K」や「平成レトロ」といったブームが盛り上がっている昨今。2000年前後、平成の日本といえば、ギャルが渋谷を闊歩し、流行を牽引していた時代だ。この平成ギャルカルチャーを彩ったものとして、『LOVE BOAT』などのブランド、またピンクキルトのハローキティグッズを思い出す人も多いのではないだろうか。なかでもハローキティグッズは、それまでは“子ども向け”とされていたものが、ある時からギャルや大人女子に愛されるモノとして定着。この背景にはどんな経緯があり、どう進化しているのだろうか?

女子高生がけん引した平成のブーム、“子ども向け”から変化

 「Y2K」とは2000年前後に流行したファッションのことで、韓国アイドルが現在のブームの火付け役とも言われている。そして「平成レトロ」としては、ルーズソックスや使い捨てカメラ、デコ電といったアイテムが注目を集めている。ちなみに、平成は1989年〜2019年まで。リアルタイム世代にとっては、「もうレトロって言われちゃうの!?」とややショックを受けるかもしれないが、平成初期は約20年前と考えれば、もはやレトロの領域と言われても仕方ない。

 当時のカルチャーをけん引していたのが、ギャルやコギャルという若い女性たち。なかでも彼女らに人気だったキャラクターといえば、ハローキティだろう。そのきっかけとなったのは、ハローキティ好きを公言していた華原朋美だ。当時女子高生で、実際にブームを体験していたサンリオ社員・森裕美子さんが振り返る。

 「あの頃の女の子たちはみんな“朋ちゃん”が大好きでした。ファッションのお手本にもなっていましたね」(森さん)

 90年代後半はギャル文化が盛り上がる一歩手前。ファッションも少し大人っぽい、きれいめなものが支持されていた。

 「この頃からハローキティは、ピンクキルトのバッグやポーチにあしらわれ、大人向けのグッズ展開が大きく花開きました。80年代までのサンリオキャラクターグッズは子ども向けが中心でしたが、この頃から大人も持つようになり、そんなお姉さんたちに憧れた女子高生たちも持つようになった…という流れがあったのかなと思います」(サンリオ広報・小畑恭子さん)

ギャル文化が勢いを増した“一強の時代”、“しっぽ”ストラップも人気

 やがて時代が2000年に近づき、ギャル文化が勢いを増していくと、ファンシーなハローキティにも豹柄のような強めのデザインが取り入れられるようになる。

 「新たなファッションアイコンの登場で、女の子たちの憧れが一気に移ったのを肌で感じていました。女子高生たちはみんな、“しっぽ”のようなファーのストラップを付けていましたよね(笑)。あの頃は、圧倒的な1人の存在がみんなの関心を集める“一強の時代”だったのではないかと思います。当時サンリオにもたくさんのキャラクターがいましたが、やはりキティが圧倒的な人気だったと感じていました」(森さん)

「経験できなかった」Z世代のギャルへの憧れ、韓国トレンドも影響

 時代は移り、サンリオにも平成の“ハローキティ一強時代”を知らないZ世代社員も増えてきた。昨年、ギャル御用達アイテムをモチーフとした『ときめき平成コギャルシリーズ』を企画した上田加奈子さんもその1人だ。

 「ギャルブームは、私が小学校に上がる前のこと。ハイビスカスを頭に付け、ミニスカに厚底ブーツのお姉さんたちがキラキラして見えました。街も大人たちも元気で楽しそうで、羨ましいな、早く大人になりたいなと思っていましたね。だけど、私が学校に上がる頃にはギャルブームは終わっていて。自分が経験できなかったから、よけいに憧れる。それが、今のZ世代を中心としたY2Kや平成レトロブームに繋がっているのかなと感じます」(上田さん)

 そんな上田さんが商品開発において参考にしているのが、InstagramなどのSNS、そして韓国のトレンドだという。

 「現代の若者のトレンドは、韓国から発信されることが増えています。SNSでも、韓国トレンドを取り入れたファッションにY2Kというタグが付くことが目立つようになり、ブームを確信しました」(上田さん)

 『ときめき平成コギャルシリーズ』のヒットを受けて、このたび企画された『カオハナデザインシリーズ』では、商品開発チームにリアルタイムを知る社員の森さん、松谷美香さんも加わった。

 「上田さんに『当時のギャルってどんな感じだったんですか?』と聞かれて、一周回ってそんなに新鮮? いにしえ? とちょっと戸惑いつつも(笑)、『こんなのあったね〜』とか『懐かしい!』とか言いながら、楽しい商品開発でした」(森さん)

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