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ロードサービスだけじゃない? 自動車ユーザーが納得できる税制を呼びかけ60年、JAFの現在地
いまだ道半ば…「自動車ユーザーが納得できる公平・校正・簡素な自動車税制」
JAF会員は2023年現在、2,000万人を超える。若者のクルマ離れや自動車保険の無料ロードサービスが充実する現在にあっても、その数は増加傾向にあり、JAFロードサービスに対するユーザーの信頼の高さがうかがえるが、同じく約60年間取り組む自動車税に関しては「自動車ユーザーが納得できる自動車税制になっているとは言いきれません」と、担当者は課題を口にする。
「JAFは『自動車ユーザー団体』として自動車ユーザーの声を届けていく立場です。自動車ユーザーの過重な税負担軽減の実現を訴える街頭活動の実施や、『自動車税制改正に関する要望書』を用いて全国の国会議員をはじめ政府、関係省庁、自治体へ要望しています。近年では取り組みが実る例もありましたが、依然としてJAFが目指している『自動車ユーザーが納得できる公平・校正・簡素な自動車税制』になっているとは言いきれません」
これらの現状から、「自動車ユーザー団体としてユーザーの声を届けていけるよう、活動を継続していく」と話す一方で、近年、JAFでは積極的に新しい取り組みを行っている。
生活トラブルに対応するライフサポート、オンライン診療も開始
事業拡大とその背景について「社会貢献という基本理念を堅持して、これまでの事業を継続しながら、変化していく社会や会員のニーズに将来にわたって迅速にこたえていくため」という。
「JAFは2011年4月1日に一般社団法人へ移行しました。この移行により、事業の領域を拡張できることとなり『社会の公益』と『会員の共益』の発展拡大に向け事業を見直すことになりました。それまでの公益法人という枠のなかでの活動という制約から一歩踏み出す大きな契機になったと思います。昨今、テクノロジーの進化と社会のデジタル化により、私たちのライフスタイルの多様化は加速度的にすすんでいます。こうした外部環境の変化に対応すべく2022年度より『対話』と『共創』を事業テーマとし、積極的にサービス価値向上、業務のデジタル化をすすめています」
設立から60年。自動車を取り巻く環境は大きく変わり、求められるサービスも変化し続けるなか、そのニーズに応えるべく新たな節目を迎えているJAF。今後の課題は「EVへの対応と新事業の創出」と話す。
「今後はいかに『新たな現実に内在する新たな価値を見出すか』が重要」
「EVの販売台数が増加し、それにあわせて救援要請現場における電欠への対応が必要になると予測しています。そのための装備として電欠時に救援要請現場で給電可能な装置を搭載したバン型サービスカーを数台制作しており、今年度から試験運用を開始予定です」
さらなる事業とサービス創出の必要性についてはこう話す。
「自動車を含む各地域・各世代のライフスタイルとそれに基づくニーズのさらなる多様化も想定されます。今後はいかに『新たな現実に内在する新たな価値を見出すか』が重要であり、日常生活のあらゆるシーンにおける価値を理解する能力を磨きながら、その価値を教授いただける事業・サービスの迅速かつ柔軟な創出がカギと捉えています」
新たなモビリティ社会の到来に向け、現状に満足することなく先の時代を見据えるJAF。『健全なくるま社会の発展に貢献する』という基本理念のもと、より良いモビリティ社会の実現を目指す。